映画「無名」を映画館で観てきました。
映画「無名」は香港の人気俳優トニーレオンが主演で、1940年代前半の汪兆銘の日帝傀儡政権に絡んだ中国人スパイの探り合いを描いた作品である。この時代、日中戦争の裏側で二重三重で侵入するスパイたちを取り上げる映画はこれまでも数多くあった。自分のブログの歴史で再三とりあげてトニーレオンとともに歩んできた気持ちがある。。
「ラストコーション」は同じくトニーレオン主演で今回と同じように傀儡政権側の幹部であった。アンリー監督がメガホンを持ち、エロチックな描写も多い傑作である。2019年に制作され本年公開された「サタデーフィクション」もオダギリジョーとコンリー主演で、1941年の魔都上海を描いている。
1940年代前半の中国、日本の傀儡政権である汪兆銘政権の政治保衛部のフー(トニーレオン)、フーの部下であるイエ(ワンイーボー)は日本軍の渡部(森博之)とともに諜報活動をしている。周辺には国民党と共産党の女性スパイも入り乱れている。誰が味方か敵かを常に疑っている。
カラーの大画面で見る1940年代の中国の映像は見応えある。
1938年の広州陥落から、1941年の日本軍上海占領、1945年の戦争集結を経て、戦後まもない時期まで映す。それぞれのシーンの顛末を途中で止めて、後からデートバックして真相を映すなど時間は軽く行ったりきたりする。
「蒋介石はあくまで軍閥で、中国の3大都市を見放した」とか,「石原中将と東條英機が仲悪い」とか,「すべてに悪いのは東條英機でなく近衛文麿だ」などのセリフがあったり,悪口が飛び交う。結局中国映画なら当局の検閲も受けているわけで、最終的には中国共産党は悪者にはならない。そこだけは面白みに欠ける。
上海外灘の建物など現存するものはある。大部分は基本的にはセットであろう。芸妓を呼ぶお座敷は中国製作にしては上出来だし、障子の部屋もある。夜の上海のバーや香港の料理屋など美術のレベルが高くなっている。衣装もいい。セットにリアル感があるので美形のスパイなどの人物もはえてくる。
トニーレオンは,オールド香港を描いた名作「花様年華」をマギーチャンとペアで撮った時から23年経つ。早いものだ。容姿の雰囲気は少しも変わらない。メイクもあるだろうが老けていない。レトロな中国風の雰囲気がなおのことそう感じさせる。それにしても60を過ぎているトニーレオンがスタントマンなしのアクションを繰り広げているのには驚く。割とマジな格闘シーンも目立つ。ここまでやるとケガは大丈夫かと心配してしまうくらいだ。
格上でトニーレオンがクレジットトップであるが,ワンイーボーもこの映画の中では強いインパクトを与えている。韓国のイケメン俳優のような端正な顔立ちをしている。整髪料で固めた髪にバシッと決めたスーツが似合う。目を細めると怪しい雰囲気もでてくる。今回はアクションも踏ん張り、トニーレオンにも手加減しない。日本語のセリフにも挑戦している。
日本軍の悪さを糾弾するシーンもあるが、矛先は国内の国民党や汪兆銘の傀儡政権に向けられている。いずれにせよ、中国共産党の正統を主張する主旨である。
映画「無名」は香港の人気俳優トニーレオンが主演で、1940年代前半の汪兆銘の日帝傀儡政権に絡んだ中国人スパイの探り合いを描いた作品である。この時代、日中戦争の裏側で二重三重で侵入するスパイたちを取り上げる映画はこれまでも数多くあった。自分のブログの歴史で再三とりあげてトニーレオンとともに歩んできた気持ちがある。。
「ラストコーション」は同じくトニーレオン主演で今回と同じように傀儡政権側の幹部であった。アンリー監督がメガホンを持ち、エロチックな描写も多い傑作である。2019年に制作され本年公開された「サタデーフィクション」もオダギリジョーとコンリー主演で、1941年の魔都上海を描いている。
1940年代前半の中国、日本の傀儡政権である汪兆銘政権の政治保衛部のフー(トニーレオン)、フーの部下であるイエ(ワンイーボー)は日本軍の渡部(森博之)とともに諜報活動をしている。周辺には国民党と共産党の女性スパイも入り乱れている。誰が味方か敵かを常に疑っている。
カラーの大画面で見る1940年代の中国の映像は見応えある。
1938年の広州陥落から、1941年の日本軍上海占領、1945年の戦争集結を経て、戦後まもない時期まで映す。それぞれのシーンの顛末を途中で止めて、後からデートバックして真相を映すなど時間は軽く行ったりきたりする。
「蒋介石はあくまで軍閥で、中国の3大都市を見放した」とか,「石原中将と東條英機が仲悪い」とか,「すべてに悪いのは東條英機でなく近衛文麿だ」などのセリフがあったり,悪口が飛び交う。結局中国映画なら当局の検閲も受けているわけで、最終的には中国共産党は悪者にはならない。そこだけは面白みに欠ける。
上海外灘の建物など現存するものはある。大部分は基本的にはセットであろう。芸妓を呼ぶお座敷は中国製作にしては上出来だし、障子の部屋もある。夜の上海のバーや香港の料理屋など美術のレベルが高くなっている。衣装もいい。セットにリアル感があるので美形のスパイなどの人物もはえてくる。
トニーレオンは,オールド香港を描いた名作「花様年華」をマギーチャンとペアで撮った時から23年経つ。早いものだ。容姿の雰囲気は少しも変わらない。メイクもあるだろうが老けていない。レトロな中国風の雰囲気がなおのことそう感じさせる。それにしても60を過ぎているトニーレオンがスタントマンなしのアクションを繰り広げているのには驚く。割とマジな格闘シーンも目立つ。ここまでやるとケガは大丈夫かと心配してしまうくらいだ。
格上でトニーレオンがクレジットトップであるが,ワンイーボーもこの映画の中では強いインパクトを与えている。韓国のイケメン俳優のような端正な顔立ちをしている。整髪料で固めた髪にバシッと決めたスーツが似合う。目を細めると怪しい雰囲気もでてくる。今回はアクションも踏ん張り、トニーレオンにも手加減しない。日本語のセリフにも挑戦している。
日本軍の悪さを糾弾するシーンもあるが、矛先は国内の国民党や汪兆銘の傀儡政権に向けられている。いずれにせよ、中国共産党の正統を主張する主旨である。