映画とライフデザイン

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映画「オアシス」 清水尋也&伊藤万理華

2024-11-22 19:30:10 | 映画(日本 2022年以降 主演男性)
映画「オアシス」を映画館で観てきました。


映画「オアシス」は裏社会に潜り込んだ若き2人の主人公を追っていく物語。助監督あがりの岩屋拓郎の監督脚本である。主演の清水尋也「さがす」「リボルバーリリー」薄気味悪い役柄を演じてインパクトを残した。その印象が強く、清水尋也の主演作ということで気になる。高杉真宙「前田建設ファンタジー営業部」で観ている。また「サマーフィルムにのって」で主演を張った伊藤万理華も共演だ。清水尋也の怪演をまた期待して映画館に向かう。これがなかなか良かった

いきなりカメラは街中を闊歩する富井(清水尋也)を追う。街頭にたむろう男に「今日ある?」と声をかける。ワゴン車で取引交渉している最中にいきなり富井は相手を殴りつける。富井は暴力団の構成員で街の犯罪グループを締めているのだ。先方のアジトに「目の届くところで商売するな!」と脅す。街の半グレグループには富井の旧友金森(高杉真宙)がいた。青春時代親友だった2人が「ある事件」をきっかけにバラバラとなった。そんなシーンで始める。

いきなりの暴行シーンで一気に自分の目を引きつける。

地元の暴力団菅原組の組長(小木茂光)から街の愚連隊を締めたことで富井は褒められる。そのあと、街中にいる紅花(伊藤万理華)の後をつける富井を映す。喫茶店で隣同士になっても会話を交わさない。関係はどうなっているんだろうと思っているうちに、紅花が記憶を失っていることがわかる。



よくできた現代ならず者映画だ。飽きることなく映像に引きつけられる。
地方都市の当世ヤクザ事情とも言えそう。
岩屋監督のオリジナル脚本のようだが、なかなかうまい。監督の故郷である名古屋ロケで繁華街を中心に映し出す。刃物を振り回し残虐なシーンも多い。カメラワークも俳優の暴れる姿を舐めるように追う。これもいい。緊張感を持ちつつ、意外な展開も見せ観客をそういくか?と驚かせる。直近ではいい感じの部類だ。

清水尋也の前2作「さがす」「リボルバーリリー」の役柄は「人の心というものがあるのか?」という冷徹さを持っていた。これはすごい役者だと感じた。基本線は同じでも、少しは人間の心はあるかな?高杉真宙は首に入れ墨をしているが半グレにせよ、ちょっと弱い。ヤクザ映画系のキャラではない。青柳翔、窪塚俊介、松浦慎一郎、小木茂光といったヤクザを演じる脇役陣の面構えが最近の裏社会の人間ぽくて良い。特にいちばんの問題児組長のセガレ役の青柳翔のイヤな奴ぶりが上手かった。



「サマーフィルムにのって」での時代劇オタクの女子高生を演じた伊藤万理華はよかった。もっと活躍するかな?と思ったら、同じ作品に出ていた河合優実がここに来てグイッと伸びて一気に差をつけられてしまう。河合優実のようにもっと映画に出ればいいのにと感じる。


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