映画「海燕ホテル・ブルー」は昨年残念ながら亡くなった若松孝二監督の作品だ。
刑務所出所間もない男をめぐる愛憎物語だ。一人の女・梨花をめぐる3人の男の話ともいえ、この女が鍵となる。扮する片山瞳は超美人ではないが魅力的だ。彼女の起用がいかにも若松監督らしい。
映画に流れるムードは、どちらかというと70年代のATGの匂いがする雰囲気だ。
このけだるさがいい。
主人公が日本海に面した冬の刑務所を出所したところから話は始まる。
主人公幸男(地曵豪)は現金輸送車襲撃に失敗し、捕らえられて懲役7年の刑を受けた。現金輸送車襲撃は3人で計画していた。首謀者の1人は女と共に決行前に逃亡した。2人でやろうとしたが、もう一人は現場で逃走した。主人公は他の人物をばらさずに罪をかぶって刑に服した。
出所後、現場を逃走した男のところへ行く。逃走した男は懸命に土下座して謝ろうとする。女房と子供がいるのを見て勘弁したが、もう一人の居場所をはかせて伊豆大島に向かう。
現金強奪計画の立案者なのに当日姿を見せなかった洋次(廣末哲万)に恨みを晴らすべく、主人公は海燕ホテルのバー・ブルーに現れる。そこには一人の女梨花(片山瞳)がいた。主人公を見て洋次もうろたえた。幸男は刑務所生活のむごさを話しながら、洋次を脅迫する。女も自分のものにしようとする。洋次は解決金500万を支払うことで勘弁してくれと言ってきた。しかし、金を用意して支払う時に洋次は幸男に刃物を振るおうとする。抵抗した幸男は逆に洋次を殺してしまい島に埋めた。一部始終、女は黙ったままだった。
結局このバーとその女・梨花を引き継ぐことになる。警官も前の店主の不在を怪しむが問われない。そこに、刑務所で同房にいた正和(井浦新)が出所し、海燕ホテルに現れる。正和はその後の状況を説明し、刑務所で計画した現金輸送車強奪を実行しようと幸男に迫る。でも今の女と暮らす現状を捨てる気はないが。。。。
ピンク映画の巨匠だった若松孝二監督らしい映画だ。
現代の映像なんだけど、70年代あたりの匂いを強く感じさせる。原作が割としっかりつくられているのであろう。主人公や逃亡した2人だけでなく、刑務所内の同房にいた2人にもそれなりのキャラクターを与える。また現地警察の駐在さんも事件に絡んでくる。そして小さな伏線をたくさん話に織り込み軽いサスペンスとしている。
この映画のキーになる女主人公にはセリフを与えない。謎の女ということにしている。最初は普通の女性なんだけど、途中から幻影の女にもとれる存在にしている。「幻想ホラー」と言ってもいい溝口健二監督の「雨月物語」で京マチ子が演じていた魔性の女のような存在だ。彼女は、バーでまわりに関心をもたない顔をしてタバコを吸うか、彼女のボリューム感のある裸体を見せるかどちらかの演技なんだけど存在感がある。長身のファッションモデルというと、胸がぺッタンコの子が多いが片山瞳はなかなか迫力あるバディだ。
「三島由紀夫」の映画の時は男の匂いが強すぎただけにこんな彼女と映画を撮って若松孝二監督も楽しんで作っていたんじゃないかな?監督は亡くなる直前になって急に多作になっている。人知を超えた何かあるのであろうか?
刑務所出所間もない男をめぐる愛憎物語だ。一人の女・梨花をめぐる3人の男の話ともいえ、この女が鍵となる。扮する片山瞳は超美人ではないが魅力的だ。彼女の起用がいかにも若松監督らしい。
映画に流れるムードは、どちらかというと70年代のATGの匂いがする雰囲気だ。
このけだるさがいい。
主人公が日本海に面した冬の刑務所を出所したところから話は始まる。
主人公幸男(地曵豪)は現金輸送車襲撃に失敗し、捕らえられて懲役7年の刑を受けた。現金輸送車襲撃は3人で計画していた。首謀者の1人は女と共に決行前に逃亡した。2人でやろうとしたが、もう一人は現場で逃走した。主人公は他の人物をばらさずに罪をかぶって刑に服した。
出所後、現場を逃走した男のところへ行く。逃走した男は懸命に土下座して謝ろうとする。女房と子供がいるのを見て勘弁したが、もう一人の居場所をはかせて伊豆大島に向かう。
現金強奪計画の立案者なのに当日姿を見せなかった洋次(廣末哲万)に恨みを晴らすべく、主人公は海燕ホテルのバー・ブルーに現れる。そこには一人の女梨花(片山瞳)がいた。主人公を見て洋次もうろたえた。幸男は刑務所生活のむごさを話しながら、洋次を脅迫する。女も自分のものにしようとする。洋次は解決金500万を支払うことで勘弁してくれと言ってきた。しかし、金を用意して支払う時に洋次は幸男に刃物を振るおうとする。抵抗した幸男は逆に洋次を殺してしまい島に埋めた。一部始終、女は黙ったままだった。
結局このバーとその女・梨花を引き継ぐことになる。警官も前の店主の不在を怪しむが問われない。そこに、刑務所で同房にいた正和(井浦新)が出所し、海燕ホテルに現れる。正和はその後の状況を説明し、刑務所で計画した現金輸送車強奪を実行しようと幸男に迫る。でも今の女と暮らす現状を捨てる気はないが。。。。
ピンク映画の巨匠だった若松孝二監督らしい映画だ。
現代の映像なんだけど、70年代あたりの匂いを強く感じさせる。原作が割としっかりつくられているのであろう。主人公や逃亡した2人だけでなく、刑務所内の同房にいた2人にもそれなりのキャラクターを与える。また現地警察の駐在さんも事件に絡んでくる。そして小さな伏線をたくさん話に織り込み軽いサスペンスとしている。
この映画のキーになる女主人公にはセリフを与えない。謎の女ということにしている。最初は普通の女性なんだけど、途中から幻影の女にもとれる存在にしている。「幻想ホラー」と言ってもいい溝口健二監督の「雨月物語」で京マチ子が演じていた魔性の女のような存在だ。彼女は、バーでまわりに関心をもたない顔をしてタバコを吸うか、彼女のボリューム感のある裸体を見せるかどちらかの演技なんだけど存在感がある。長身のファッションモデルというと、胸がぺッタンコの子が多いが片山瞳はなかなか迫力あるバディだ。
「三島由紀夫」の映画の時は男の匂いが強すぎただけにこんな彼女と映画を撮って若松孝二監督も楽しんで作っていたんじゃないかな?監督は亡くなる直前になって急に多作になっている。人知を超えた何かあるのであろうか?