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映画「ブラック・クランズマン」 スパイク・リー

2019-11-06 09:16:04 | 映画(洋画:2019年以降主演男性)
映画「ブラック・クランズマン」は2019年公開のスパイク・リー監督作品


2018年アカデミー賞脚色賞受賞作品だ。でもスパイク・リーの作品にはどうもなじめない部分もある。気にはなったが時間調整できず後回しになり、DVDスルーとなった。でも観てみたら実に面白い映画であった。デンゼルワシントンの息子ジョン・デヴィッド・ワシントン「パターソン」のひょうひょうとしたバス運転手役が良かったアダム・ドライバーとのコンビが絶妙で、70年代のソウルフルな独特のムードに気分は高揚する。

コロラド州コロラドスプリングスの警察署で、初の黒人刑事として採用されたロン・ストールワース(ジョン・デヴィッド・ワシントン)は、新聞でKKK(クー・クラックス・クラン)のメンバー募集の広告に目を留める。その番号に電話をかけ、白人のふりをして人種差別発言を繰り返し、面接の約束を取り付ける。


同じ部署の白人刑事フリップ・ジマーマン(アダム・ドライバー)がロンのふりをして面接に向かう。2人は電話と対面を分担し、一役を演じながら潜入捜査を進めていくが。。。(作品情報より)

1.ブラックパワー炸裂
黒人大学生が参加する集会に主人公のロン警察官が行く場面がある。黒人の政治団体集会で熱く語るクワメ・トゥーレという黒人指導者のスピーチが強烈だ。でも、その集団は黒人嫌いの白人警察官にボロクソにやられる。拘束される。ロンは大学黒人学生組合の会長の女性パトリス・デュマスと仲良くなり、食事をする仲になる。ただ、パトリスは黒人を虫けらのように扱う警察官に対する印象が悪く、ロンは自分で警察官といえない。そんな中話は進んでいく。


この映画はオタクっぽい雰囲気もある。「黒いジャガー」「スーパーフライ」のどっちが好きなんて、画面分割の映像で両方のジャケットを見せる。ロンと彼女が探偵かポリスかと言って選択する場面が好きだ。いずれも70年代前半の映画で、テーマソングはヒットする。スーパーフライは中学生の自分にはあまり面白くなかったけどね。


2.白人至上主義団体
ドナルドトランプ大統領は白人がマイノリティーになってしまうことを恐れるアメリカ人の圧倒的な支持を受けている。2040年代には白人が全米人口の50%を切るというデータもある。日本でいえば、右翼のようなものだが、KKK という白人至上主義組織があるという。トランプ政権が主張する流れに対して、こういった主題を取り上げるのはタイムリーである。


主人公はなりたくて警察官になったが、世間では黒人警察官は少ない。いきなり雑用係をやらせられ、イヤなので潜伏捜査をやると志願する。まずは黒人の政治集会に潜入して周囲の信頼を得る。そのあとKKK が募集をやっているとことに気づき、白人のふりをして黒人の悪口を言いまくって受け入れられる。ただ、黒人の立場で行くわけにはいかない。先輩の白人警察官に代わって行ってもらう。電話の時だけ本人だ。

ここでの白人警察官にユダヤ人じゃないかという疑いを持つ組織員がいる。この白人至上主義団体はユダヤ人も嫌いだ。「パターソン」で演じたマイペースなバス運転手の時と同じように、白人至上主義団体での潜入を飄々とかわしていくアダムドライバーの動きがいい感じだ。もちろん疑いを寄せるKKKの迫害主義者も好演、典型的な有色人種嫌いをうまく映し出し、対象感をだす。

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