映画とライフデザイン

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映画「シャン・チー テン・リングスの伝説」 シム・リウ&トニー・レオン

2021-09-04 07:47:47 | 映画(洋画:2019年以降主演男性)
映画「シャンチー テン・リングスの伝説」を映画館で観てきました。


「シャン・チー/テン・リングスの伝説」マーベルスタジオのアメコミの実写映画化である。最近はこの手の作品はスルーすることが多いが、久々に香港のトニーレオンが観れるというだけで映画館に向かう。ミシェルヨーの姿がみれるのもうれしい。予告編で主人公シャンチーのカンフーアクションが凄そうというのもチェックしていた。要はシャンチーはカンフー的マーベルヒーローなのね。たまには武侠映画を観てみたい気持ちはある。

不老長寿の父(トニーレオン)と武芸の達人の母の元で幼い頃から殺人術を教えられてきたシャンチー(シムリウ)は、父のもとを離れサンフランシスコのホテルで駐車係を同僚のケイティ(オークワフィナ)とやっていた。ある時バスで突然身に付けていた緑のペンダントを狙われ暴漢に襲われる。その場は持ち前の格闘能力で切り抜けたが、同じペンダントをマカオにいる妹が持っているからと、ケイティとともに助けに向かうのであるが。。。


以上のストーリーはあくまで序盤戦、ストーリーは複雑ではないが、次から次へとシャンチーのもとに難関が押し寄せる。そして、父と再会するが、親子であっても必ずしも味方とは言えない要素もあり、敵味方が入り乱れていく展開である。

「シャン・チー/テン・リングスの伝説」を見終わっての率直な感想としては、中盤過ぎまではおもしろかったという感じかな?いきなりの映画「グリーンデスティニー」を連想させる武侠アクションとバスの中で暴漢に絡まれた中でのサンフランシスコの坂道でのカンフーアクションにまず度肝を抜かれる。しばらく行けていないので、「新リスボアホテル」をはじめとしたマカオの夜のネオンにもウキウキする。高所アクションは映画の定石通りのスタイルだけど楽しめる。

でも、最終場面が近づくにつれ、急激にファンタジーの色が濃くなる。しかも、中国なので、竜が出て来る。ダイナミックな映像だけどこの辺りはちょっと微妙、なんかキングギドラとラドンが戦っているみたいな要素はちょっとやりすぎに見えてしまう。お金がかけられているのはよくわかる。この映画では中国語英語両方のセリフがあるが、子連れでなければニュアンスをわかるために字幕でみたい。

⒈トニーレオンとミシェルヨー
米国資本が武侠映画に資金を投入して、アンリー監督「グリーンデスティニー」とチャンイーモア監督「HERO」という名作ができた。色彩感覚に優れ、空間の使い方が衝撃的だった。ちょっと遅れているなあと思っていた中国映画界がこの辺りから一気に進化した。歴史的傑作だと思う。「グリーンデスティニー」のミシェルヨーと「HERO」のトニーレオンが出演しているだけで、期待してしまう。さすがに2人とも還暦に差し掛かる年齢なので、新しい中華スターへの世代交代も図られている。


トニーレオンを映画館で観るのが久しぶりだ。考えてみると、チャンツィイー共演の「グランドマスター以来だ。トニーレオンの履歴を辿ってみると、その後もいくつか出演しているようだけど、日本未公開だったりして縁がなかった。この映画のトニーレオンの風貌は香港で活躍した20年前の姿と変わらない。でも、声がかすれ声だった。不老長寿を感じさせるためにわざとやっているの?という気もするが、どうしちゃたのかな?気になる。あとはストーリーの問題だけど、トニーレオンの途中からの動きの意味がよくわからない。


⒉オークワフィナ
中国、韓国の混血のアメリカ人、日本人といってもおかしくない風貌でネイティブな英語を話す。前作「フェアウェル」ではゴールデングローブ賞の主演女優賞までいただいたが、そんなに良い映画とは思わなかった。でも、彼女の存在感は感じた。中国系に多い正統派美人女優ではなく、どこにでもいるような女の子である。自分にはアニメ「魔法使いサリー」のヨシコちゃんにダブってしまう。東京オリンピックの金メダリストのボクシングの入江選手にも似ている。彼女お笑い向きだよね。


ここではホテルの駐車係をシャンチーと一緒にやっている普通の女の子。コミカルな動きを見せる。日本でいえば吉本の芸人的な活躍で、最後まで笑いを誘う。映画に必要なのは美男美女だけでない。これはこれで重要な存在だ。

⒋シム・リウとデスティン・ダニエル・クレットン
デスティン・ダニエル・クレットン監督は日系の母親でアジア系の血筋もあるようだ。死刑囚の再審がテーマの前作黒い司法 0%からの奇跡とはまるっきり違う。伝統的黒人冤罪映画だからてっきり黒人監督による作品だと自分は勘違いしていた。映画界では相応の期待があるから、今回も起用されたのではないか。

「グリーンデスティニー」などの現代武侠映画だけでなく「燃えよドラゴン」などの古典的アクション映画のテイストも数多く引用している。序盤戦で、竹林の間での戦いで、自分が小学低学年の時のアニメ「風のフジ丸」を連想させる木の葉が舞い上がるシーンがあった。思わず提供の藤沢薬品の名前を連想した。これはこれで悪くない。


主演のシム・リウは初めて知る。正直無名の彼の名前だけでは映画館には足が向かない。アジア系の大スターに挟まっているにもかかわらず、激しいアクションも無難にこなしたのではないか。今後に期待したい。


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