映画「コミック雑誌なんかいらない!」を名画座で観てきました。1986年キネマ旬報ベスト10の2位である。
なかなか観るチャンスがなかった映画である。これがムチャクチャ面白い。
後に「おくりびと」でアカデミー賞外国映画賞を受賞し一躍有名人となった滝田洋二郎が監督する。内田裕也がTVのワイドショーの突撃リポーターを演じる。「嗚呼!おんなたち・猥歌」「少女娼婦 けものみち」などこの頃の内田裕也が出る映画にハズレはない。
1985年(昭和60年)に話題になった事件がいくつも取り上げられている。豊田商事事件や三浦和義のロス疑惑、神田正輝と松田聖子の結婚などに加えて日航機墜落事件、山口組一和会の抗争までピックアップする。個人情報保護法やコンプライアンス問題に異常に過敏な現在の社会でこんな映画今作ろうと思っても無理だろうなあ。
内田裕也のリポーターぶりはまさに不器用といった感じである。しゃべりっぷりはたどたどしい。素人俳優丸出しだ。梨本勝をはじめとしたよくいるレポーターとは大違いである。もっとも取材陣が押し寄せるときには梨本勝や須藤甚一郎なんかも登場する。でも、突撃取材は反発を喰らうことが多い。演技とはいえ喧嘩早い内田裕也が抑えているのがよくわかる。
三浦和義のインタビューというのがリアルすぎてすごい。内田裕也が真相はどうなんでしょうか?とたどたどしく突っ込む。天才詐欺師三浦の方がある意味役者だ。いくらか出演料もらっているのであろうか?
こんなの映像で見れるチャンスないよ。
ざっとこんな感じだ。
ワイドショーのレポーター、キナメリ(内田裕也)は突撃取材で人気がある。
⒈成田から飛び立つ桃井かおりに、放送作家の高平哲郎氏との恋愛についてマイクを向けていたが、まるで相手にされなかった。これってマジなの?演技なの?
⒉バリ島から帰ってきた三浦和義を他のキャスターとともに成田で待ちうける。準備中と札の出ているフルハムロード・ヨシエに入って三浦和義(本人)にマイクを向けてコーラを浴びせかけられてしまう。
⒊村上里佳子がママをしている馴染みのバーに入って、取材で苦しめた桑名正博と安岡力也(本人)に絡まれ、お前の来るところでないと強い酒を飲まされる。
当時の村上里佳子の美貌に驚く。
⒋松田聖子、神田正輝の結婚式が近づいており、聖子の家に張り込み、風呂場で唄う「お嫁サンバ」を録音することに成功するが、電信柱に昇っているところを警官に捕ってしまう。警察では警官(常田富士男)に絞られるが、チャッカーズ(?!)のサインをくれと原田芳雄演じるプロデューサーにコッソリ耳打ちする。
常田富士男のボケ刑事ぶりが笑える。
⒌山口組、一和会の抗争の取材で、ヤクザの溜まり場に行き威嚇されおびえる。
役者がヤクザの役をやっているように見えないけどなあ。いいのかな?
⒍同じマンションに住む老人(殿山泰司)が、セールス・ウーマンから金を買ったという話を聞いて疑問を抱いたキナメリは独自に、金の信用販売会社を捜索し始めた。現場体験記の番組で、金の信用販売についてレポートしたいとプロデューサーに提案するが相手にされない。
ある日、ホストクラブを取材し、一日ホストを勤めた彼は、ある女に買われホテルに入る。女は激しく体を求めるが金がない。代わりに数百万円の金の証明書を彼に渡した。数日後、テレビのニュースで女がガス爆発で自殺したことを知り、彼はハッとして隣りの老人のドアを叩く
⒎日航機の堕落現場を山に登って取材する。
そして最後に
豊田商事事件で会長襲撃のTVのリアルな映像には日本中が唖然とした。これを真似てビートたけしが犯人役となって金の信用販売会社の会長が住むマンションに行き取材陣の前で窓を破って中に入ると、アッという間に会長を刺殺してしまうシーンも映す。
ビートたけしもこの頃はまだ若く、パフォーマンスは凄いけど、今の顔ほど殺人鬼が演じられる顔にはまだなっていない気もする。なんせあの時、殺しに部屋に侵入した連中の人相はすごかった。人殺しをする奴の人相ってこんな顔なのかと自分は感じていた。
こんな感じである。
こうやってみると鬼籍にはいった人が多い。みんな死んじゃった。時の流れを感じる。まあこの時代には社会人になってリアルに生きてきた自分からすると、面白いシーンが続く。
滝田洋二郎監督はそれまで世間を騒がせた事件を題材にしたピンク映画(ポルノでないピンク)を数多くつくってきた。そういうドキュメントテイストが映像に満ち溢れている。売れっ子ホスト役でピンク映画の名優港雄二や久保新二もでてくる。殿山泰司を騙すセールスレディはピンク女優の橘雪子だ。いわゆる友情出演だよね。
この頃増えはじめたノーパン喫茶からファッションマッサージ系に移りつつある新宿風俗エリアの取材シーンも懐かしい。
その他、内田裕也がTV取材の1日体験でホストをやったりして、郷ひろみが売れっ子ホスト役で特別出演したりする。ホスト仲間に片岡鶴太郎がいて、郷ひろみのモノマネで哀愁のカサブランカを本人の前で歌うのがご愛嬌である。
なかなか観るチャンスがなかった映画である。これがムチャクチャ面白い。
後に「おくりびと」でアカデミー賞外国映画賞を受賞し一躍有名人となった滝田洋二郎が監督する。内田裕也がTVのワイドショーの突撃リポーターを演じる。「嗚呼!おんなたち・猥歌」「少女娼婦 けものみち」などこの頃の内田裕也が出る映画にハズレはない。
1985年(昭和60年)に話題になった事件がいくつも取り上げられている。豊田商事事件や三浦和義のロス疑惑、神田正輝と松田聖子の結婚などに加えて日航機墜落事件、山口組一和会の抗争までピックアップする。個人情報保護法やコンプライアンス問題に異常に過敏な現在の社会でこんな映画今作ろうと思っても無理だろうなあ。
内田裕也のリポーターぶりはまさに不器用といった感じである。しゃべりっぷりはたどたどしい。素人俳優丸出しだ。梨本勝をはじめとしたよくいるレポーターとは大違いである。もっとも取材陣が押し寄せるときには梨本勝や須藤甚一郎なんかも登場する。でも、突撃取材は反発を喰らうことが多い。演技とはいえ喧嘩早い内田裕也が抑えているのがよくわかる。
三浦和義のインタビューというのがリアルすぎてすごい。内田裕也が真相はどうなんでしょうか?とたどたどしく突っ込む。天才詐欺師三浦の方がある意味役者だ。いくらか出演料もらっているのであろうか?
こんなの映像で見れるチャンスないよ。
ざっとこんな感じだ。
ワイドショーのレポーター、キナメリ(内田裕也)は突撃取材で人気がある。
⒈成田から飛び立つ桃井かおりに、放送作家の高平哲郎氏との恋愛についてマイクを向けていたが、まるで相手にされなかった。これってマジなの?演技なの?
⒉バリ島から帰ってきた三浦和義を他のキャスターとともに成田で待ちうける。準備中と札の出ているフルハムロード・ヨシエに入って三浦和義(本人)にマイクを向けてコーラを浴びせかけられてしまう。
⒊村上里佳子がママをしている馴染みのバーに入って、取材で苦しめた桑名正博と安岡力也(本人)に絡まれ、お前の来るところでないと強い酒を飲まされる。
当時の村上里佳子の美貌に驚く。
⒋松田聖子、神田正輝の結婚式が近づいており、聖子の家に張り込み、風呂場で唄う「お嫁サンバ」を録音することに成功するが、電信柱に昇っているところを警官に捕ってしまう。警察では警官(常田富士男)に絞られるが、チャッカーズ(?!)のサインをくれと原田芳雄演じるプロデューサーにコッソリ耳打ちする。
常田富士男のボケ刑事ぶりが笑える。
⒌山口組、一和会の抗争の取材で、ヤクザの溜まり場に行き威嚇されおびえる。
役者がヤクザの役をやっているように見えないけどなあ。いいのかな?
⒍同じマンションに住む老人(殿山泰司)が、セールス・ウーマンから金を買ったという話を聞いて疑問を抱いたキナメリは独自に、金の信用販売会社を捜索し始めた。現場体験記の番組で、金の信用販売についてレポートしたいとプロデューサーに提案するが相手にされない。
ある日、ホストクラブを取材し、一日ホストを勤めた彼は、ある女に買われホテルに入る。女は激しく体を求めるが金がない。代わりに数百万円の金の証明書を彼に渡した。数日後、テレビのニュースで女がガス爆発で自殺したことを知り、彼はハッとして隣りの老人のドアを叩く
⒎日航機の堕落現場を山に登って取材する。
そして最後に
豊田商事事件で会長襲撃のTVのリアルな映像には日本中が唖然とした。これを真似てビートたけしが犯人役となって金の信用販売会社の会長が住むマンションに行き取材陣の前で窓を破って中に入ると、アッという間に会長を刺殺してしまうシーンも映す。
ビートたけしもこの頃はまだ若く、パフォーマンスは凄いけど、今の顔ほど殺人鬼が演じられる顔にはまだなっていない気もする。なんせあの時、殺しに部屋に侵入した連中の人相はすごかった。人殺しをする奴の人相ってこんな顔なのかと自分は感じていた。
こんな感じである。
こうやってみると鬼籍にはいった人が多い。みんな死んじゃった。時の流れを感じる。まあこの時代には社会人になってリアルに生きてきた自分からすると、面白いシーンが続く。
滝田洋二郎監督はそれまで世間を騒がせた事件を題材にしたピンク映画(ポルノでないピンク)を数多くつくってきた。そういうドキュメントテイストが映像に満ち溢れている。売れっ子ホスト役でピンク映画の名優港雄二や久保新二もでてくる。殿山泰司を騙すセールスレディはピンク女優の橘雪子だ。いわゆる友情出演だよね。
この頃増えはじめたノーパン喫茶からファッションマッサージ系に移りつつある新宿風俗エリアの取材シーンも懐かしい。
その他、内田裕也がTV取材の1日体験でホストをやったりして、郷ひろみが売れっ子ホスト役で特別出演したりする。ホスト仲間に片岡鶴太郎がいて、郷ひろみのモノマネで哀愁のカサブランカを本人の前で歌うのがご愛嬌である。