映画「まる」を映画館で観てきました。
映画「まる」は荻上直子監督の新作、KinKi Kidsの堂本剛が現代美術のアーティストの役柄を演じる。綾野剛、吉岡里帆、柄本明に加えて荻上直子作品常連の小林聡美が脇を固める。意図せずに一気に有名人になってしまった絵描きの男が世間の大騒ぎに戸惑うストーリーだ。何気に興味をそそる。
荻上直子監督の近作「川っぺりムコリッタ」は監督らしいほんわかムードで、「波紋」は新興宗教にハマる女性に失踪した夫が帰ってくる人間ドラマであった。いずれもそれなりのレベルだがパンチが弱い印象を受けた。それでも直近公開作のラインナップからいくと、荻上直子作品が優先順位で上になる。
美大を卒業したもののアートで成功できず、人気現代美術家のアシスタントとして働く沢田(堂本剛)。独立する気力さえも失い、言われたことを淡々とこなすだけの日々を過ごしていた。そんなある日、彼は通勤途中の雨の坂道で自転車事故に遭い、右腕にケガをしたために職を失ってしまう。
部屋に帰ると、床には1匹の蟻がいた。その蟻に導かれるように描いた◯(まる)が知らぬ間にSNSで拡散され、彼は正体不明のアーティスト「さわだ」として一躍有名人に。社会現象を巻き起こして誰もが知る存在となる「さわだ」だったが、徐々に◯にとらわれ始め……。(作品情報 引用)
自分の肌に合う心地よく観れる映画だった。
荻上直子監督の前2作よりはよく見えた。映画の中の堂本剛のキャラが好きだ。エンディングの歌が心を柔らかく包んでくれるのもいい感じだ。直近ではお気に入りの作品だ。
上昇志向のない主人公で、本来才能があるのに現代美術家のアシスタントに甘んじている。師事している美術家(吉田鋼太郎)にいいとこ取りされて、同僚の女性アシスタント(吉岡里帆)の方が上に搾取されていると言って腹を立てている。ところが、自転車事故で腕をケガして事務所をクビになってしまうのだ。
失意のまま、池のある公園で円周率3.14の桁下数字を唱える正体不明の老人(柄本明)からパンの真ん中をちぎってできた◯を見せられる。ボロい賃貸の部屋に帰って何気なく◯を描いてサワダの名前をサインしたものを古道具屋に持ち込む。しばらくして、それがいつの間にか世間で絶賛されていくのに気づくのだ。
堂本剛演じる沢田は特に自己主張しない男だ。アシスタントをクビになってから淡々とコンビニでバイトをする。有名になっても継続する。日本語がたどたどしく若者にからかわれるミャンマー出身の店員(森崎ウィン)といい掛け合いを見せる。隣の部屋には売れない漫画家(綾野剛)がいてやたらとちょっかいを出してくる。沢田はテンション高く一方的に話す漫画家の言葉を遮らず聞いている。イヤイヤながら外で付き合わされることもある。美術家の女性アシスタント(吉岡里帆)は口びるにピアスをして、搾取反対と町で集会を開く。沢田はただ見ているだけだ。
意味不明なキザな男が自宅に尋ねてきて◯の作品を書いてくれたら一枚につき100万支払うといい沢田は驚く。ある時、◯を描いた作品を画廊のギャラリーで発見する。声をかけると画廊の主人(小林聡美)が本人と知り驚いて、ギャラリーの個展のために描いてくれと依頼される。
黙々と作品を描いていく沢田(堂本剛)の傍に個性的な脇役を揃える。独特のキャラクターをもたせてこの映画をよりおもしろくさせる。荻上直子監督の俳優の使い方の上手さを感じる。彼女の作品にはいつも名優が集まる。
主人公の住処も含めて横浜がロケ地だとすぐわかる。宮川橋付近の福富町から宮川町あたりのディープゾーンが映る。画廊のロケ地は銀座のようだ。謎の老人がいる茶室の丸い障子や路地にチョークで書いた◯とかあらゆるところに◯を意識するところもいい。現代美術は比較的苦手なジャンルだけど、どの作品もよく見えた。
エンディングロールの堂本剛の歌はなかなかいい。カラオケではかなりKinKi Kidsの硝子の少年を女の子とデュエットで歌ったものだ。クレジットに片桐はいりの名前を見て、アレ?いたっけと思い作品情報を見たら、古道具屋のオヤジ役だったのだ。そうだったんだ。
映画「まる」は荻上直子監督の新作、KinKi Kidsの堂本剛が現代美術のアーティストの役柄を演じる。綾野剛、吉岡里帆、柄本明に加えて荻上直子作品常連の小林聡美が脇を固める。意図せずに一気に有名人になってしまった絵描きの男が世間の大騒ぎに戸惑うストーリーだ。何気に興味をそそる。
荻上直子監督の近作「川っぺりムコリッタ」は監督らしいほんわかムードで、「波紋」は新興宗教にハマる女性に失踪した夫が帰ってくる人間ドラマであった。いずれもそれなりのレベルだがパンチが弱い印象を受けた。それでも直近公開作のラインナップからいくと、荻上直子作品が優先順位で上になる。
美大を卒業したもののアートで成功できず、人気現代美術家のアシスタントとして働く沢田(堂本剛)。独立する気力さえも失い、言われたことを淡々とこなすだけの日々を過ごしていた。そんなある日、彼は通勤途中の雨の坂道で自転車事故に遭い、右腕にケガをしたために職を失ってしまう。
部屋に帰ると、床には1匹の蟻がいた。その蟻に導かれるように描いた◯(まる)が知らぬ間にSNSで拡散され、彼は正体不明のアーティスト「さわだ」として一躍有名人に。社会現象を巻き起こして誰もが知る存在となる「さわだ」だったが、徐々に◯にとらわれ始め……。(作品情報 引用)
自分の肌に合う心地よく観れる映画だった。
荻上直子監督の前2作よりはよく見えた。映画の中の堂本剛のキャラが好きだ。エンディングの歌が心を柔らかく包んでくれるのもいい感じだ。直近ではお気に入りの作品だ。
上昇志向のない主人公で、本来才能があるのに現代美術家のアシスタントに甘んじている。師事している美術家(吉田鋼太郎)にいいとこ取りされて、同僚の女性アシスタント(吉岡里帆)の方が上に搾取されていると言って腹を立てている。ところが、自転車事故で腕をケガして事務所をクビになってしまうのだ。
失意のまま、池のある公園で円周率3.14の桁下数字を唱える正体不明の老人(柄本明)からパンの真ん中をちぎってできた◯を見せられる。ボロい賃貸の部屋に帰って何気なく◯を描いてサワダの名前をサインしたものを古道具屋に持ち込む。しばらくして、それがいつの間にか世間で絶賛されていくのに気づくのだ。
堂本剛演じる沢田は特に自己主張しない男だ。アシスタントをクビになってから淡々とコンビニでバイトをする。有名になっても継続する。日本語がたどたどしく若者にからかわれるミャンマー出身の店員(森崎ウィン)といい掛け合いを見せる。隣の部屋には売れない漫画家(綾野剛)がいてやたらとちょっかいを出してくる。沢田はテンション高く一方的に話す漫画家の言葉を遮らず聞いている。イヤイヤながら外で付き合わされることもある。美術家の女性アシスタント(吉岡里帆)は口びるにピアスをして、搾取反対と町で集会を開く。沢田はただ見ているだけだ。
意味不明なキザな男が自宅に尋ねてきて◯の作品を書いてくれたら一枚につき100万支払うといい沢田は驚く。ある時、◯を描いた作品を画廊のギャラリーで発見する。声をかけると画廊の主人(小林聡美)が本人と知り驚いて、ギャラリーの個展のために描いてくれと依頼される。
黙々と作品を描いていく沢田(堂本剛)の傍に個性的な脇役を揃える。独特のキャラクターをもたせてこの映画をよりおもしろくさせる。荻上直子監督の俳優の使い方の上手さを感じる。彼女の作品にはいつも名優が集まる。
主人公の住処も含めて横浜がロケ地だとすぐわかる。宮川橋付近の福富町から宮川町あたりのディープゾーンが映る。画廊のロケ地は銀座のようだ。謎の老人がいる茶室の丸い障子や路地にチョークで書いた◯とかあらゆるところに◯を意識するところもいい。現代美術は比較的苦手なジャンルだけど、どの作品もよく見えた。
エンディングロールの堂本剛の歌はなかなかいい。カラオケではかなりKinKi Kidsの硝子の少年を女の子とデュエットで歌ったものだ。クレジットに片桐はいりの名前を見て、アレ?いたっけと思い作品情報を見たら、古道具屋のオヤジ役だったのだ。そうだったんだ。