映画とライフデザイン

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わたしを離さないで  キャリーマリガン

2012-01-12 18:44:39 | 映画(洋画:2006年以降主演女性)
「わたしを離さないで」は若手人気俳優3人による2010年のイギリス映画だ。原作は日本生まれのカズオ・イシグロによる。ジャンルは恋愛映画の気もするが、SF映画という設定である。
「17歳の肖像」のキャリー・マリガン、「ソーシャル・ネットワーク」のアンドリュー・ガーフィールド、「ドミノ」のキーラ・ナイトレイの3人とも主演級。彼女たちが普通のラブストーリーを演じるのでSFらしさを感じさせない。まずは彼らの青春の偶像を語られる。そして徐々に彼らのせつない運命がわかっていく。ここに語られている臓器移植の話は本当にせつない。臓器移植をせざるを得ない運命に支配されているような人間が本当にいる。なんてつらい運命なのであろうか。3人の若者の運命に思わずジーンとしてしまう。


舞台は60年代のイギリス郊外だ。人類の平均年齢が100歳になっているというクレジットに何か間違いじゃないかと感じるがそのまま普通のストーリーがはじまる。自然に囲まれた中にレンガ貼りテューダー様式の寄宿学校が建つ。ここで主人公である3人は幼い頃からずっと一緒に過ごしてきた。その思春期の姿を映す。初々しい恋の表現も青春ものらしい色彩だ。しかし、この学校にはいくつもの謎があり、先生には絶対服従の教育を受けていた。子供たちには、帰るべき家がなかった。そして少しづつ先生たちが彼らの将来について語り始める。

キャシー(キャリー・マリガン)、ルース(キーラ・ナイトレイ)、トミー(アンドリュー・ガーフィールド)の3人は、18歳になり寄宿学校を出る。農場のコテージにうつる。そこには他の学校からきていた若者たちもいた。ルースとトミーは恋を育んでいく。キャシーは幼いころから一緒だった2人のそばにいる。恋人をつくらず一人だ。しかし、この3人の関係は微妙に変わっていく。やがて、彼らはコテージを出て離れ離れになる。それぞれが逃れようのない運命をたどらざるを得ないが。。。。


解説をよく読まないで映画を見始めたので、人類の平均年齢は100歳というコメントにまず驚く。通常SFというと近未来のことを語ることが多い。ここでは60年代から70年代という時代設定になる。であるから普通の青春ストーリーの肌あいだ。不自然さはない。

そんな時ある教師が突如として彼らの運命を語り始め、学校を辞めてしまう。そんな状況で生徒たちはみんなうすうす知っているのであろう。「3つ臓器を抜かれて持つ人もいるが。。。」なんて話は本当にどぎつい。中盤から終盤への展開は切なさを助長した。本当にジーンとした。東アジアを舞台にした日本映画「闇の子供たち」を連想した。あの映画もどぎついが、これもどぎつい。

ここであえてSF映画のようにしたのは何か意味があるのかもしれない。現実の話だったら大変だなあと思いながら、世界のどこかでこういう話がありうる気がした。


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