映画「ルート29」を映画館で観てきました。
映画「ルート29」は「こちらあみ子」の森井勇佑監督の新作ロードムービーだ。綾瀬はるかと「こちらあみ子」で強い印象を残した大沢一菜の共演である。「ルート29」とは姫路から鳥取までの国道29号線のことを指す。残念ながら自分はクルマで通ったことがない。大沢一菜は前回はあどけない小学生だった。中学生になった時のブカブカの制服が印象的。あの時より大人になったけれども、今回も小学6年生の役柄で風変わりな子だ。オーソドックスなロードムービーだけれどもどこか違う肌合いを持っている。
鳥取の町で清掃員として働くのり子(綾瀬はるか)は、仕事で派遣された精神病棟の患者の理映子(市川実日子)から姫路在住の娘のハル(大沢一菜)を連れてきてくれと頼まれ姫路に向かう。写真を頼りに現地で見つけたハルは、秘密基地を作って遊ぶちょっと変わった女の子だった。のり子は乗りつけてきたワゴン車にハルを乗せて国道29線を運転して鳥取に向かう。「トンボ」というあだ名をハルはのり子につける。
道中では色んな出来事が起こる。古びたドライブインで2匹の犬を連れた赤い服の女(伊佐山ひろ子)に出会ったあと車を盗まれる。事故でひっくり返った車の中に座っていたおじいさんと行動をともにしたり、小学校教員であるのり子の姉(河井青葉)にあったりしながら母親がいる鳥取の病院を目指す。
好きな映画だ。計算された構図をもつ映像コンテに魅力を感じる。
映画の最初に沈黙が続き、主人公2人が会話を交わすまでセリフがない。表情にも乏しく、フィンランドのアキカウリスマキ監督作品に出てくる朴訥な登場人物を観ているようだ。不思議な肌合いをもつ。音楽が的確で、ルート29で出会うのどかな風景と人物にピッタリあっている。エンディングロールの曲も抜群にいい。
大沢一菜は「こちらあみ子」と同様の変わった子を演じる。林の一角にある自らつくった秘密基地のようなところで日常過ごしている。普通じゃない子だ。ムカついてもおかしくないような出来事が起きても、2人は無表情に淡々とルート29を通って目的地に向かっていく。地図で見ると、姫路と鳥取は遠い。途中でクルマを盗まれて歩いていけるような場所ではない。
2人が出会う夢のような出来事を包む映像コンテが絵画を見るようで自分にはよく見える。
いく場所ごとに都度ベストのショットを撮っている。
奇妙な感じがするシーンの1つが、途中で出会った老人と2人の主人公が別々に湖でカヌーを漕ぐ時に、正面から結婚式と思しき服装を着た男女がカヌーを漕いで現れるシーンだ。老人と男女が同じ方向を向かうことで何かを意味しているのだろう。幻想なのか?よくわからない。あとは、古びた商店街で、町の住民がみんな視線を一方向に向けて大きな満月を見ているシーンも奇妙だ。寓話のようなシーンがいくつかあり、印象に残る。
脇役は充実していて、ドライブインで出会う赤い服を着た犬を連れた女(伊佐山ひろ子)や古時計ばかりを売っている時計屋の老婆(渡辺美佐子)などのベテラン女優を起用している。エンディングロールを見るまで往年の主演級2人の女優が誰かはわからなかった。
河井青葉は河合優実の母親役だった「あんのこと」で演じた子に売春させる社会の底辺にいる女と比較すると、小学校の教員としてまともな役だ。でも、心に闇をもつ女性だ。姉の家に泊まらせてもらい朝食を食べているとTVニュースにハルが行方不明になっているとニュースが出てきて姉があわてる。精神病院の患者である市川実日子は娘にどうしても会いたいと言って主人公のり子に迎えに行かせた割に、「私はもう死んでいます」とよくわからない反応をする。
評論家の評価は高い一方で映画comの2点台はじめとした一般の評価は低め。でも、ロードムービーの定石も踏みながらロケハンにも成功して、綾瀬はるかと大沢一菜いずれもよく自分は好きな作品だ。綾瀬はるかの走りが脳裏に残る。
映画「ルート29」は「こちらあみ子」の森井勇佑監督の新作ロードムービーだ。綾瀬はるかと「こちらあみ子」で強い印象を残した大沢一菜の共演である。「ルート29」とは姫路から鳥取までの国道29号線のことを指す。残念ながら自分はクルマで通ったことがない。大沢一菜は前回はあどけない小学生だった。中学生になった時のブカブカの制服が印象的。あの時より大人になったけれども、今回も小学6年生の役柄で風変わりな子だ。オーソドックスなロードムービーだけれどもどこか違う肌合いを持っている。
鳥取の町で清掃員として働くのり子(綾瀬はるか)は、仕事で派遣された精神病棟の患者の理映子(市川実日子)から姫路在住の娘のハル(大沢一菜)を連れてきてくれと頼まれ姫路に向かう。写真を頼りに現地で見つけたハルは、秘密基地を作って遊ぶちょっと変わった女の子だった。のり子は乗りつけてきたワゴン車にハルを乗せて国道29線を運転して鳥取に向かう。「トンボ」というあだ名をハルはのり子につける。
道中では色んな出来事が起こる。古びたドライブインで2匹の犬を連れた赤い服の女(伊佐山ひろ子)に出会ったあと車を盗まれる。事故でひっくり返った車の中に座っていたおじいさんと行動をともにしたり、小学校教員であるのり子の姉(河井青葉)にあったりしながら母親がいる鳥取の病院を目指す。
好きな映画だ。計算された構図をもつ映像コンテに魅力を感じる。
映画の最初に沈黙が続き、主人公2人が会話を交わすまでセリフがない。表情にも乏しく、フィンランドのアキカウリスマキ監督作品に出てくる朴訥な登場人物を観ているようだ。不思議な肌合いをもつ。音楽が的確で、ルート29で出会うのどかな風景と人物にピッタリあっている。エンディングロールの曲も抜群にいい。
大沢一菜は「こちらあみ子」と同様の変わった子を演じる。林の一角にある自らつくった秘密基地のようなところで日常過ごしている。普通じゃない子だ。ムカついてもおかしくないような出来事が起きても、2人は無表情に淡々とルート29を通って目的地に向かっていく。地図で見ると、姫路と鳥取は遠い。途中でクルマを盗まれて歩いていけるような場所ではない。
2人が出会う夢のような出来事を包む映像コンテが絵画を見るようで自分にはよく見える。
いく場所ごとに都度ベストのショットを撮っている。
奇妙な感じがするシーンの1つが、途中で出会った老人と2人の主人公が別々に湖でカヌーを漕ぐ時に、正面から結婚式と思しき服装を着た男女がカヌーを漕いで現れるシーンだ。老人と男女が同じ方向を向かうことで何かを意味しているのだろう。幻想なのか?よくわからない。あとは、古びた商店街で、町の住民がみんな視線を一方向に向けて大きな満月を見ているシーンも奇妙だ。寓話のようなシーンがいくつかあり、印象に残る。
脇役は充実していて、ドライブインで出会う赤い服を着た犬を連れた女(伊佐山ひろ子)や古時計ばかりを売っている時計屋の老婆(渡辺美佐子)などのベテラン女優を起用している。エンディングロールを見るまで往年の主演級2人の女優が誰かはわからなかった。
河井青葉は河合優実の母親役だった「あんのこと」で演じた子に売春させる社会の底辺にいる女と比較すると、小学校の教員としてまともな役だ。でも、心に闇をもつ女性だ。姉の家に泊まらせてもらい朝食を食べているとTVニュースにハルが行方不明になっているとニュースが出てきて姉があわてる。精神病院の患者である市川実日子は娘にどうしても会いたいと言って主人公のり子に迎えに行かせた割に、「私はもう死んでいます」とよくわからない反応をする。
評論家の評価は高い一方で映画comの2点台はじめとした一般の評価は低め。でも、ロードムービーの定石も踏みながらロケハンにも成功して、綾瀬はるかと大沢一菜いずれもよく自分は好きな作品だ。綾瀬はるかの走りが脳裏に残る。