映画「ボイリング・ポイント」を映画館で観てきました。
映画「ボイリング・ポイント/沸騰」はロンドンの人気レストランのある一晩を描いたグルメ群像劇である。監督のフィリップバランティーンはシェフの経験があるという。90分ワンショットという宣伝文句が気になり映画館に向かう。有名な俳優はでていない。クリスマス前金曜日の人気レストランでのシェフと厨房、フロアスタッフがお客さんと関わる裏話が盛りだくさんで、手持ちカメラがずっと登場人物を追い続ける。
お見事!レストランやシェフに焦点をあてた映画で、こんな作品観たことない。
スピード感あふれる最後まで目が離せない映画だ。必見!
ともかく90分を疾走しつづける。エピソードはこれでもかという感じに盛りだくさんで連続していく。一筆書きタッチのには「バードマン」や「1917 命をかけた伝令」といった名作がある。いずれも、ここまで短時間の出来事を描いているわけでない。一定の時間の話を編集でつなげているわけだ。この映画も当然軽い編集はされているはずだが、短時間に起こる出来事を映画の中に充満させる。
個人的には、室内セットのみの映画って閉塞感があって好きでない。この映画はレストラン内がほとんどで、一部レストランの外に出る場面があるだけである。でも、息が詰まらない。登場人物のプロフィールをわずかな時間で浮き彫りにした上で、手持ちカメラが厨房側、客席側をひたすら追う。静的でなく動的だ。緊迫感を高める。目が離せない。
ただ、よだれがでるような料理の逸品が映像に映るグルメ映画でない。その期待をもっている人は裏切られるだろう。むしろ自分には食材を雑に扱っているように見えるので悪しからず。
⒈登場人物
ここに出てくる登場人物はお客様だけでなくスタッフも偏屈な奴が多い。ほとんどが共感の気持ちが入りにくいメンバーだ。しかし、ドラマらしくする葛藤を生むためには仕方あるまい。どんな業界でも、営業サイドと技術部門との葛藤ってある。ここでは、厨房内とフロアスタッフの葛藤で大声のケンカも絶えない。
フロアをまとめるマダムは、レストランオーナーの娘だ。一生懸命やっているように見えるけど、周囲から必ずしも好かれていない。シェフ(スティーヴン・グレアム)を助ける女性の副料理長カーリー(ヴィネット・ロビンソン)に、客が無理強いでオーダーしたメニューにないものを頼むけど、当然拒否する。言い合いの中でカーリーの愚痴が叫びになる。給料あげてくれってカーリーはシェフを通じて頼んでいる。ダメなら他にも行けるので、逆らっちゃう。そういうありがちな話もたくさん盛り込まれている。
⒉いくつかのエピソード
いきなり衛生管理局の監察官が来て、手洗いのことや冷蔵庫の温度設定など矢継ぎ早に厨房内でヒアリングをして、気がつくと衛生の評価が5から3に落ちる。シェフのアンディは家のゴタゴタで開店寸前の出勤だ。監察官の嫌味っぽい聞き込みでこの先の面倒な展開が予測できる。
シェフが以前いた有名店のオーナーシェフが突然グルメ評論家を連れてきたり、フォロワーが5万いるという自称インフルエンサーがメニューにないビーフステーキを頼んだり、黒人女性スタッフがワインを注ごうとすると人種差別傾向があると思しき顧客がケチを付け 肉の焼き直しの要求が理不尽で厨房が大騒ぎになったり、小さな逸話が盛りだくさんだ。
⒊グルメ(料理)映画
グルメ映画の最高峰のデンマーク映画「バベットの晩餐会」だけでなく、映画「シェーン」のグルメ版とも言える伊丹十三の「タンポポ」なども含めて、1人のシェフがクローズアップされることが多い。昨年公開のフィンランド映画「世界で一番幸せな食堂」も中国人シェフが助っ人に来る設定で似たようなテイストを持つ。
ここでもレストランのシェフであるアンディを中心にストーリーは動く。しかし、主役はいれど、厨房内外、来訪する客のそれぞれにプロフィールを持たせたロバートアルトマン的な群像劇である。こんなグルメ映画は過去には観た記憶がない。過去のグルメ映画にも厨房内部のスタッフは当然画面に出ているけど、TVドラマでなく、短時間の映画に各スタッフの動静を凝縮して映す作品は見当たらない。それだけに新鮮な感動を与えてくれる。
どうもコロナ前に撮られたようで、マスク姿は皆無である。でも、裏方とは言え、調理とは関係ないおしゃべりを厨房スタッフがこんなにしていいのかしら?初っ端から衛生局の監察官による実査があるけど、監察官もマスクしていない。え!衛生的に大丈夫と思わず感じる場面は多い。
映画「ボイリング・ポイント/沸騰」はロンドンの人気レストランのある一晩を描いたグルメ群像劇である。監督のフィリップバランティーンはシェフの経験があるという。90分ワンショットという宣伝文句が気になり映画館に向かう。有名な俳優はでていない。クリスマス前金曜日の人気レストランでのシェフと厨房、フロアスタッフがお客さんと関わる裏話が盛りだくさんで、手持ちカメラがずっと登場人物を追い続ける。
お見事!レストランやシェフに焦点をあてた映画で、こんな作品観たことない。
スピード感あふれる最後まで目が離せない映画だ。必見!
ともかく90分を疾走しつづける。エピソードはこれでもかという感じに盛りだくさんで連続していく。一筆書きタッチのには「バードマン」や「1917 命をかけた伝令」といった名作がある。いずれも、ここまで短時間の出来事を描いているわけでない。一定の時間の話を編集でつなげているわけだ。この映画も当然軽い編集はされているはずだが、短時間に起こる出来事を映画の中に充満させる。
個人的には、室内セットのみの映画って閉塞感があって好きでない。この映画はレストラン内がほとんどで、一部レストランの外に出る場面があるだけである。でも、息が詰まらない。登場人物のプロフィールをわずかな時間で浮き彫りにした上で、手持ちカメラが厨房側、客席側をひたすら追う。静的でなく動的だ。緊迫感を高める。目が離せない。
ただ、よだれがでるような料理の逸品が映像に映るグルメ映画でない。その期待をもっている人は裏切られるだろう。むしろ自分には食材を雑に扱っているように見えるので悪しからず。
⒈登場人物
ここに出てくる登場人物はお客様だけでなくスタッフも偏屈な奴が多い。ほとんどが共感の気持ちが入りにくいメンバーだ。しかし、ドラマらしくする葛藤を生むためには仕方あるまい。どんな業界でも、営業サイドと技術部門との葛藤ってある。ここでは、厨房内とフロアスタッフの葛藤で大声のケンカも絶えない。
フロアをまとめるマダムは、レストランオーナーの娘だ。一生懸命やっているように見えるけど、周囲から必ずしも好かれていない。シェフ(スティーヴン・グレアム)を助ける女性の副料理長カーリー(ヴィネット・ロビンソン)に、客が無理強いでオーダーしたメニューにないものを頼むけど、当然拒否する。言い合いの中でカーリーの愚痴が叫びになる。給料あげてくれってカーリーはシェフを通じて頼んでいる。ダメなら他にも行けるので、逆らっちゃう。そういうありがちな話もたくさん盛り込まれている。
⒉いくつかのエピソード
いきなり衛生管理局の監察官が来て、手洗いのことや冷蔵庫の温度設定など矢継ぎ早に厨房内でヒアリングをして、気がつくと衛生の評価が5から3に落ちる。シェフのアンディは家のゴタゴタで開店寸前の出勤だ。監察官の嫌味っぽい聞き込みでこの先の面倒な展開が予測できる。
シェフが以前いた有名店のオーナーシェフが突然グルメ評論家を連れてきたり、フォロワーが5万いるという自称インフルエンサーがメニューにないビーフステーキを頼んだり、黒人女性スタッフがワインを注ごうとすると人種差別傾向があると思しき顧客がケチを付け 肉の焼き直しの要求が理不尽で厨房が大騒ぎになったり、小さな逸話が盛りだくさんだ。
⒊グルメ(料理)映画
グルメ映画の最高峰のデンマーク映画「バベットの晩餐会」だけでなく、映画「シェーン」のグルメ版とも言える伊丹十三の「タンポポ」なども含めて、1人のシェフがクローズアップされることが多い。昨年公開のフィンランド映画「世界で一番幸せな食堂」も中国人シェフが助っ人に来る設定で似たようなテイストを持つ。
ここでもレストランのシェフであるアンディを中心にストーリーは動く。しかし、主役はいれど、厨房内外、来訪する客のそれぞれにプロフィールを持たせたロバートアルトマン的な群像劇である。こんなグルメ映画は過去には観た記憶がない。過去のグルメ映画にも厨房内部のスタッフは当然画面に出ているけど、TVドラマでなく、短時間の映画に各スタッフの動静を凝縮して映す作品は見当たらない。それだけに新鮮な感動を与えてくれる。
どうもコロナ前に撮られたようで、マスク姿は皆無である。でも、裏方とは言え、調理とは関係ないおしゃべりを厨房スタッフがこんなにしていいのかしら?初っ端から衛生局の監察官による実査があるけど、監察官もマスクしていない。え!衛生的に大丈夫と思わず感じる場面は多い。