映画とライフデザイン

大好きな映画の感想、おいしい食べ物、本の話、素敵な街で感じたことなどつれづれなるままに歩きます。

映画「ドライブ・イン・マンハッタン」ショーン・ペン&ダコタ・ジョンソン

2025-02-14 20:52:21 | 映画(洋画 2022年以降主演女性)
映画「ドライブ・イン・マンハッタン」を映画館で観てきました。


映画「ドライブインマンハッタン」は、タクシー運転手ショーン・ペンと乗客のダコタジョンソンの2人のやりとりが基調の新作だ。閉鎖的な室内劇は苦手な部類で、見て後悔することも多い。監督はクリスティホールだ。

今回はニューヨークケネディ空港からマンハッタンへの車窓の夜景も見られるとあって,しばらくニューヨークに行っていない自分は気になってしまう。ショーンペン「イントゥザワイルド」「プレッジ」などの監督作品を含めて好きな映画が多い。前週はあまり良い公開作品がなかったが,今週は目白押しで楽しみだ。その中でもこの映画を真っ先に観に行ってしまう。ダコタ・ジョンソン自らプロデューサーに名を連ねる作品で、タクシーの座席に浮かび上がるダコタジョンソンが美しい。

夜のニューヨーク、ジョン・F・ケネディ空港から一人の女性(ダコタジョンソン)がタクシーに乗車する。行き先はマンハッタンミッドタウン44丁目で定額料金だ。ちょっとしたきっかけで運転手(ショーンペン)と女性が会話を交わすようになる。

CPUの仕事をしている女性客は故郷のオクラホマに2週間ほど帰郷して帰ってきたところだ。恋人の男性から会いたいとチャットがひっきりなしに届く。どうしようかと迷っているうちに、運転手は恋人が既婚者であることを見抜く。運転手自らは2度の結婚を経験、どんな女性だったかと話をしている。会話が進んでいく中でクルマは事故渋滞に巻き込まれて止まってしまう。徐々に2人はお互いの過去の秘密を次々と暴露していく。


予想以上によかった。絶妙な会話劇である。
初老の域を過ぎつつある自分には実感として感じる部分が多くてつい腑に落ちる

今のニューヨークの中心部には高くて住めない。女性は大卒でCPU系の仕事をしている美貌のインテリだ。年齢をはっきり言わないが30前半だということがわかる。運転手はインテリ女が不倫をするケースをこれまでも見てきて、彼氏が既婚者と読む。彼氏の年齢層も含めて当たりである。運転手は2度結婚しているが、最初の妻はクルマの中でゲロ吐いたらしい。巨乳で愛らしい(sweet)だが頭の中は空っぽだと。


女性の携帯には彼氏から会ってすぐにもメイクラブしたいチャットがきている。運転手は慣れてきて卑猥一歩手前の会話にもなってくる。やがて不倫している既婚者の家族に子どもが3人いるなど話はどんどん突っ込んでいく。女性は心に傷を抱えている。二度と会うことがないと思うのか、女性の本音を運転手がカウンセラーのように聞き、的確な回答をしていく感じがいい。

アメリカの大学の学費は高く、日本のようにはいかない。大卒者の女性と一般男性の組合せによる会話の化学反応も見どころのひとつだ。少し古いけど、ジョントラボルタの「サタデーナイトフィーバー」にそんな対比があった。女性の彼氏との卑猥なチャットや会話があっても、それは本筋ではなくものすごくハートフルな会話が続く。

映画を観ていてまったく飽きることがない会話劇だ。しかも、それぞれのセリフに味がある。自分が生きてきたこれまでの人生に共通するような場面がいくつかあってアナロジーを感じる。

やがて高層ビルのネオンが見える夜のマンハッタンにイエローキャブは進んでいく。その場面を観て初めてニューヨークに降り立った時にマンハッタンの高層ビル群を見て感じた感動が蘇った。マンハッタンの街に入っても2人の会話が続いていた。そこで女性は驚くような告白をする。身の回りの誰にも話をしていない話だ。それは映画の重要事項で、ネタバレだから言えない。思わず息を呑む


運転手ショーンペンは、「日本に行きたい」と言う。理由は自動販売機で使ったパンティが売っているからだと言う。最近では見かけなくなった大人のオモチャ屋のそばなのかな?自分は実感なく思わず吹き出す。タクシー運賃はみんな現金払いだったけど、最近はカード払いが多くてチップが少なくなったと運転手は残念がる。

そんな運転手との会話で女性は気が紛れたんだろう。カード精算時にチップ欄に$500と打ち込む。おいおい75000円かよ。気前がいいなあと思いながら、映画を観て、後味がよくなるいちばんいい話だった。
コメント
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