今日は12月27日(土曜日)です。年末になるとテレビや新聞は、亡くなった有名人の追悼番組や記事を出す。自分も何年も前に亡くなった恩人、知人、友人のことをあれこれ思い出す。みんな死んだ筈なのに心の中では生きている。表情がアリアリと見え、話し声がはっきりと聞こえてくる。
考えてみると自分が如何に助けられ、親切にされて来たか、年末になるとしみじみと思い知る。何か人生が豊かになり、心が明るくなる。
年末だけではない。常日頃なにもきっかけも無いのにフッと心の中に現われてくる。
生来、社交的でないため親しい友人が居ない。孤独な人生だと思い込んで仕事だけをしてきた。
しかり現役を引退し、自分の人生を振り返ってみると、孤独な人生だなどと考えてきたことが許せない思い上がりで、大間違いであることに思い至る。
特にブログを始め、ネット上のクラブに入ってみると人々の善意と友情に圧倒される。始めて意見を交換する人々の優しい心づかいに感動する。直接会ってみると昔からの友人のように感じる。
タイや、そしてネパール、ドイツ、ハンガリー、アメリカ、オーストラリア、中国に住んでいる日本人からメールを貰う。心がこもっている。
お会いすることは無いであろう。でも心に深く残る。
大学時代の同級生であったT君は50歳位で亡くなった。昭和33年当時、下宿代が勿体ないと小さな土地を借りて、廃材を貰ってきて3畳一間の掘立小屋をつくり住んでいた。学校ではいつもニコニコとして陽気な男で、家を自分で作ってしまった顛末を何度か聞いた。彼は特殊鋼専門の会社の技師になったが、卒業後も何度も会ってお酒を飲んだ。特殊鋼を精錬する難しさをしゃべった後は自作の家の話、そして学生時代の思い出話と続く。彼の影響で自分も住宅金融公庫から借金をして気軽に、早々と家を作ってしまった。その家が終の棲家になりそうだ。いつもT君の笑顔を思い出すと、「家なんか簡単に作れるよ」と言っていた彼に感謝している。
今日も皆様のご健康と平和をお祈り致します。 藤山杜人