老年になると苦しい事や悲しいことも有るが、一生を通して考えると、一番、夫婦の生活が楽しい時期と思っています。家人もそう言っているので本当と思います。
理由はいろいろありますが、何と言っても子供を育て上げるという最大の義務を達成したことと、曲がりなりにも同じ男女が我慢しながらも添い遂げてきたという満足感が両方にあるからと思います。
一生独身で過ごしたり、子供のいない人々も、理由は少し違うが老年期が一番豊かな気分になり、幸せな時期ではないかとも信じています。老人の強みは色々な経験をしてきたので、もう何も恐れる事が無いのです。この境地が素晴らしい心の豊かさを与えるのです。
しかし、夫婦関係は何歳になっても危険なものです。そこで我々は色々考えて危機回避の手段をとっています。夫婦円満を保つための秘訣です。その秘訣を3つほどご紹介いたします。
(1)一時的に夫婦解散を実行します。
両方が仕事が無く、暇なので四六時中一緒に同じ家にいます。それが危険なのです。そこで我が家ではよく朝ご飯の後で、「今日は夫婦解散!」と宣言して夕方まで別れて、それぞれの趣味を楽しみます。家人は源氏物語や現代文学の講読会へ何十年も参加しています。私は近くの山やヨットへ行きます。夕方になり再び集合して夕食は一緒に食べます。「一時夫婦解散!」と大きな声で宣言すると気分的に本当に独立しますので、宣言することが秘訣です。
(2)お互いに明るいところでジロジロ見ない。
どんな美女でも年老いれば見る影もありません。よく「腐っても鯛」と言いますが、容姿に関する限り通用しません。しかし美声と丁寧な言葉だけは不思議に若い時と変わりません。そこで明るいところではお互いにジロジロ見ないことが秘訣です。そして食堂に家人の若い時の写真を数枚飾って置き、それをチラチラ見ていれば本人も喜びます。
先日、琵琶湖のそばに住んでいるネット友の ちひろさんが、「私は声美人です。ですから職場では電話番をするようにしています」というコメントを頂きました。声美人は若い時は容姿も美形な筈と信じています。そういう風に信じることが老人社会で楽しく生きる一つの秘訣なのです。
(3)家事を分担する。
夫婦で家事をしてみるとお互いに得意なものと苦手なものがはっきりして来ます。例えば家の中の整理整頓は私の得意とするところです。家人は拭き掃除は細かいとこところの仕上げ掃除が得意です。料理でも私は揚げたり、炒めたり、圧力鍋を使うのが得意です。家人は野菜や肉を刻み、味を付けるのが上手です。その上、「甘酢あん」の味付けが絶妙です。ケチャップを隠し味にいれロマンチックな洋風の「甘酢あん」にしたり中華風の香料を少し効かせて中華風の「甘酢あん」を作ります。もちろん和風の「甘酢あん」も作ります。この分野だけは脱帽です。真似が出来ません。一時。「鯉の丸揚げ」を作ることに凝っていた時期がありました。その頃は家人の絶妙な「甘酢あん」に何度も助けられました。あの料理の成功・失敗は「甘酢あん」の味が鍵になっています。
こんな事をかいていたら書きたいことが沢山あります。あまり長くなりますので今回はこれで終わりにします。皆様の心がけていらっしゃる秘訣をお教え頂ければ助かります。
今日も皆様のご健康と平和をお祈り致します。 藤山杜人