<shapetype id="_x0000_t75" coordsize="21600,21600" o:spt="75" o:preferrelative="t" filled="f" stroked="f" path="m@4@5l@4@11@9@11@9@5xe"></shapetype><stroke joinstyle="miter"></stroke><formulas></formulas><f eqn="if lineDrawn pixelLineWidth 0"></f><f eqn="sum @0 1 0"></f><f eqn="sum 0 0 @1"></f><f eqn="prod @2 1 2"></f><f eqn="prod @3 21600 pixelWidth"></f><f eqn="prod @3 21600 pixelHeight"></f><f eqn="sum @0 0 1"></f><f eqn="prod @6 1 2"></f><f eqn="prod @7 21600 pixelWidth"></f><f eqn="sum @8 21600 0"></f><f eqn="prod @7 21600 pixelHeight"></f><f eqn="sum @10 21600 0"></f><path o:extrusionok="f" gradientshapeok="t" o:connecttype="rect"></path><lock v:ext="edit" aspectratio="t"></lock><shape id="図_x0020_6" o:spid="_x0000_s1026" type="#_x0000_t75" alt="カリポゴンーR" style="MARGIN-TOP: 15.5pt; Z-INDEX: 1; VISIBILITY: visible; MARGIN-LEFT: 271.35pt; WIDTH: 133.05pt; POSITION: absolute; HEIGHT: 235.65pt; mso-wrap-style: square; mso-wrap-distance-left: 9pt; mso-wrap-distance-top: 0; mso-wrap-distance-right: 9pt; mso-wrap-distance-bottom: 0; mso-position-horizontal: absolute; mso-position-horizontal-relative: text; mso-position-vertical: absolute; mso-position-vertical-relative: text"></shape><imagedata src="file:///C:DOCUME~1gotouLOCALS~1Tempmsohtmlclip11clip_image001.jpg" o:title="カリポゴンーR"></imagedata><wrap type="square"></wrap>7月15日(移動日)
今日は空港経由でハンカ湖近くのハンター小屋までの移動日である。これほど蝶の多い場所を1日で次へ移動するのは惜しいが、実はノルウェー人の奥さんが今日帰国し、替わりにモスクワの蝶屋が到着することになっており、空港送迎のついでに次の場所へ移動しようというわけである。次の場所、ハンカ湖の近くはさらに自然度が高く、大形稀少カミキリのカリポゴンやコエレステスルリボシカミキリが期待でき、蝶も違う種が期待できるという。というわけで、8時に全員荷物をまとめ、空港に向かう。空港では待ち時間が2時間ほどあり、そばの荒地に入ってみると、ここにもシロジャノメとチョウセンジャノメが沢山いる。12時、モスクワのA氏が到着合流、出発。
A氏は年のころ50歳、本職は細菌学で、極東の蝶を採るのが少年時代からの憧れであったと嬉しそう。道程の中ほどで、川岸に下りて昼食。ドライバーS氏は食器・調理器一式を積み込んでおり、食事の段取りの手際がいい。トマトおよびきうりのぶつ切り、ソーセージ、サラミソーセージ、チーズ、スライス状のパン・黒パンおよびコーヒーか紅茶が昼食の定番で、6人分が15分くらいで揃う。後片付けにも無駄な動きがない。
走り出して間もなくタイヤパンクである。天気は薄日、復旧に20分ほどかかるとのことで、ネットを持って歩きだすと、U氏の警告が発せられた。70m先の橋の下に黒クマの死骸がある。これは虎の仕業で、付近に虎がいるかも知れないので、あまり遠くに行かないこと。怖いもの見たさに橋に近ずくと死臭が立ち込め、死臭に惹かれて蝶が20頭ほど飛び回っている。美しい花の蜜を吸う蝶がいる一方、死体の腐敗液を吸うのも蝶である。橋の下には長さ1mほどの黒クマの皮があったが、頭部と中身はすでに失せている。背筋が寒くなる光景である。
橋のない川をいくつか越え6時ころ予定のハンター小屋に到着する。U氏が農作業中の管理人らしい人を探し出し聞いたところ、6名は泊まれないとのこと。実はツアーの計画段階で、バンガローは予約できるが、ハンター小屋は普通予約できないと言われ、理解できなかったが、今その理由が分った。ハンター小屋は言わば原生林の山小屋であり、フロントも電話もない。予約管理の責任を持てる人がいないので、先着順なのである。U氏がここを第1候補に選んだのは、この付近は巨木が多く彼自身昨年近くのニレの太い立ち枯れでカリポゴンを見たからである。そして来たついでにその立ち枯れに案内してくれた。カリポゴンがそうそう見つかるはずもないが、立ち枯れには径20mmほどの脱出孔が4~5ケあり、カリポゴンに一歩近ずいた感じである。ここに泊まれないとは残念だが仕方がないので、6km先の別のハンター小屋を目指す。ところがその道が想像を絶する悪路である。狭い、急傾斜、激しい凹凸、深い水溜り、張り出した木の根と悪条件の見本市みたいで、どうなることかと一同息を詰める。今にも立ち木に衝突しそうになったり、今度こそ谷底に転落かと取手を握り締める。こんな昼なお暗い原生林で事故か故障でも起きたら助けを呼ぶのは大変である。最徐行で進んでいると、前方20mを2頭の大きい黒クマが横切るではないか。そして20mほど先で止まり、樹間からこちらの様子をしばし伺ってから静かに消える。向こうもこちらが珍しかったのであろう。悪路は続いたが、S運転手は慣れたハンドルさばきで次々と難問をクリアーし悪路が終わった時にはゲスト一同から思わず拍手が沸きおこる。ここが悪路であることは、U氏も運転手S氏も承知していたが、夕刻も迫っていたのでショートカットしたのである。またこの三菱デリカはやや古いながら本当に頼りになる。この辺で見かける車は大形トラック以外全て日本製なのもうなずける。 そして程なく7時頃に次のハンター小屋に到着した。(続く)