後藤和弘のブログ

写真付きで趣味の話や国際関係や日本の社会時評を毎日書いています。
中央が甲斐駒岳で山麓に私の小屋があります。

日本の仏教と釈迦の教えの違い(4)大乗仏教と上座部仏教の2つの決定的な違い

2018年05月20日 | 日記・エッセイ・コラム
お早う御座います。今日は日曜日です。一週間たつのが早いですね。
日曜日は宗教に関する簡単な文章を書くことにしています。それからミサに出掛けます。

今日は大乗仏教と上座部仏教の違いを分かり易く書いてみます。ご覧頂いたら嬉しく存じます。

面倒な議論は止して、大乗仏教と上座部仏教の2つの決定的な違いを書いてしまえば次の2つになりますに。
(1)上座部仏教では200以上の戒律を守らなければ釈迦の教えを理解し悟りの境地に至らないと教えています。戒律を守るために出家するのです。
一方、大乗仏教では殺生戒以外の戒律はありません。出家しなくても釈迦の教えを理解し悟りの境地に至ることが出来ると言う教義です。
(2)上座部仏教では釈迦を最高位に据えて崇拝します。
一方大乗仏教では全知全能の宇宙神の盧舎那仏や大日如来が人々を教え導くために釈迦になったという教義です。従って釈迦は宇宙神の化身です。誤解を恐れずに書けば釈迦は盧舎那仏や大日如来の部下なのです。家来なのです。このように大乗仏教では抽象的な概念が仏像になっているのです。
これは中々理解し難い教義です。
鎌倉の大仏を見たある有名な女流歌人が大きな盧舎那仏をお釈迦さまと誤解して、「お釈迦さまは美男子だ」と詠んで失笑を買ったこともありました。
盧舎那仏はお釈迦さまではなく、宇宙神だということを知らなかったのです。理解していなかったのです。
大乗仏教の仏像には観音様や薬師如来や弘法大師像やお不動さんなど沢山あります。
しかし上座部仏教では像は釈迦像だけです。ここが決定的違いです。

さて上記のことをもう少し厳密に示します。
上座部仏教では上記のように具足戒(出家者の戒律)を守る比丘・僧伽(サンガ(教団))と、彼らを支える在家信徒の努力によって初期の釈迦の教えを純粋な形で保存してきたとされています。
大乗仏教では後代の時代ごとに仏典やお経が作られましたが、上座部仏教では同一の内容のパーリ三蔵が継承されて来ています。

上座部仏教の教義は、次のようにされています。限りない輪廻を繰り返す生は「苦しみ 」である。この苦しみの原因は、無明によって生じる執着です。そして、無明を断ち輪廻から解脱するための最も効果的な方法は、戒律の厳守、瞑想の修行による八正道の実践であると教えています。
上座部仏教では、釈迦によって定められた戒律と悟りへ至る智慧の実践を純粋に守り伝える姿勢を根幹に据えてきたと主張しています。

一方、大乗仏教では、ブッダとは歴史上にあらわれた釈迦だけに限らず、過去にもあらわれたことがあるし未来にもあらわれるだろうとの考えが重要なのです。
大乗仏教ではこれまでに無数の菩薩たちが成道し、娑婆世界とは別にある他方世界でそれぞれのブッダとして存在していると考えたのです。
この多くのブッダの中に西方極楽浄土の阿弥陀如来や東方浄瑠璃世界の阿閦如来・薬師如来などがあるのです。
また、歴史的存在であり、肉体を持った存在であった釈迦の教えがただそのまま伝わるのではなく、大乗仏教として種々に発展を遂げ、さまざまな宗派を生み出すに至って来たのです。
このように大乗仏教は多神教的であり教義も時代と国々によって変化して来たのです。

このように日本の大乗仏教を上座部仏教と比較してみると日本仏教の特徴が簡単に分ります。
如何でしょうか?

今日の挿し絵代わりの写真は先週、箱根の湿性花園で撮った花の写真です。

それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈りいたします。後藤和弘(藤山杜人)










霧の箱根の風景写真をお楽しみ下さい

2018年05月20日 | 写真
箱根にはよく行く方も多いと存じます。
宮の下の冨士屋ホテル、強羅の彫刻の森、仙石原のルネ・ラリック美術館、ガラスの森美術館、そして元箱根の山のホテル、芦ノ湖と富士山の風景などなどがあり観光客を魅了しています。
今回、西伊豆の戸田に泊まった翌日は箱根に行きました。箱根に行けば必ずのように訪問する仙石原の湿性花園を散歩しました。皐月の花々が咲き、ウグイスや雉やホトトギスがしきりに鳴いています。
その後、霧が突然出て来ました。
芦ノ湖を見ようと元箱根の方へ車を走らせたら、霧が益々と濃くなります。ヘッドライトを点けても対向車が見えにくいのです。
そろそろゆっくり走り、元箱根に行きましたが、濃霧で何も見えません。
霧の箱根のドライブは50年前に経験した以来です。
大変珍しい風景なので写真を沢山撮りました。霧の千石原や霧の芦ノ湖などの写真をお楽しみ頂けたら嬉しく存じます。

それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈りいたします。後藤和弘(藤山杜人)