川合玉堂は明治6年に愛知県に生まれ昭和32年に84歳で没しました。
玉堂美術館は奥多摩のJR御岳駅の向かいの多摩川の畔にあります。私は何度もこの美術館を訪れ川合玉堂の数々の大作に感動してきました。
玉堂はJR御岳駅のそばに昭和19年から32年まで住んでいました。奥多摩の自然を愛し、数々の傑作を世に送り出したのです。それで奥多摩の人々は郷土の誇りのように思っています。今日は巨匠、川合玉堂の日本画をご紹介いたします。
1番目の写真は紅梅白梅図の一部です。大きな六曲一双のニ面です。琳派風の絢爛たる力作です。絵画の出典は川合玉堂美術館のHP(http://www.gyokudo.jp/)からです。
川合玉堂の絵画は自由闊達でのびやかです。上品で穏やかです。自然の風景、草木、小鳥などを愛する心が画面に温かい雰囲気をかもし出しています。
初め京都、円山四条派に学び、のち橋本雅邦に師事します。雅邦に学びながら次第に独自の境地を切り開いて行きましいた。
2番目の写真は「行く春」という絵画です。玉堂の生涯の傑作と絶賛される作品です。 出典は、川合玉堂名画集(http://www.u-canshop.jp/gyokudo/)です。これも六曲一双で細長いので残念ながら左6面だけを示しています。
「行く春」を何年も前に東京の国立美術館で見たときの感動を忘れられません。
ここに示した写真は小さすぎますので少々説明いたします。左から散りかけた桜花が画面中央へ伸びています。水豊かな山峡の流れに大きな水車を乗せた船が連なってしっかりと係留されています。激しい流れを使って水車を回す「水車船」なのです。船の中には臼がが並んでいて穀物を挽いているのが想像出来ます。雄大な自然と人々の生活が描がれているです。そして過ぎ行く春が時の流れのはかなさを暗示しています。
3番目の写真は「彩雨」という傑作で、「行く春」と並んで玉堂の二大傑作と言われている感動的な日本画です。
絵は原画を見るに限ります。この写真の画質が粗いので少し説明いたします。この絵の下の方に2人の傘をさした女性が小さく描いてあります。それで雨が降っていると判然とします。その女性が精密に描いてあり、嫁と姑のように見えるのです。
勿論、傘の2人を見なくても雨の日だと分かります。何か懐かしい風景がのびやかに描いてあります。玉堂の絵画の特徴を表している傑作です。
4番目の写真は「山雨一過」で、 山種美術館に収蔵されています。出典は、 http://www.yamatane-museum.jp/exh/2017/kawaigyokudo.html です。
5番目の写真は「渓山秋趣」です。 山種美術館に収蔵されています。出典は4番目の写真と同じです。
6番目の写真「鵜飼」です。 現在玉堂美術館で現在展示中です。令和元年6月11日(火)より9月1日(日)まで展示されています。(http://www.gyokudo.jp/01now/index.html)
玉堂は郷里の鵜飼の絵を500枚ほど描いていますが、これはその中の一枚です。この絵はアメリカの雑誌ホリデー社主催の世界美術展に日本代表として展示されました。世界美術展の後アメリカ各地で巡回展示され大好評だったそうです。
天才的な画家でも画風を変えようと苦悶する時期が一生の間に何度かあるものです。しかし玉堂にはその苦しみがなかったように見えるのです。自由に楽しみながら描いて一生を終えたのです。毎日、奥多摩を散歩してはスケッチし、画室に戻り絵筆をとり、楽しみながら描きました。その様子は美術館のロビーにある紹介ビデオで見ることができます。
是非一度、川合玉堂美術館へお出で下さい。新宿駅から御岳駅までJRで1時間30分です。
7番目の写真は川合玉堂美術館です。
美術館はJR御岳駅前の多摩川の上の大きな橋を渡って、左へ曲がり、美術館への遊歩道を谷へ下りるとあります。御岳駅から徒歩5分です。車の方のためには広い有料駐車場もあります。美術館の隣には風情のある和風レストランもあります。
それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈りいたしす。後藤和弘(藤山杜人)