後藤和弘のブログ

写真付きで趣味の話や国際関係や日本の社会時評を毎日書いています。
中央が甲斐駒岳で山麓に私の小屋があります。

「超大国アメリカに増加する飢餓問題」

2020年01月27日 | 日記・エッセイ・コラム
平和な日本で幸せに暮らしている多くの人々は外国のことなどあまり関心がありません。しかし外国といってもアメリカは日本へ大きな影響を与えていますからその国情を知ることは非常に重要です。
そこで今日は世界中に米軍基地を置いている超大国には貧困層が増加し続けている事実をご紹介したいと思います。
日本も貧困層が増加していますので深く考えるべき問題なのです。
アメリカの貧困層や飢餓問題に関連して今日は(1)アメリカの軍事力、(2)アメリカの教育、(3)貧困層や飢餓問題、の三項目について順をおって説明したいと思います。

(1)世界中に展開するアメリカの軍事力
アメリカ軍の兵員は208万人と報じられています。そのアメリカ軍の陸海空の通常戦力と核戦力は世界のどの国をも圧倒していることは明白です。
アメリカ軍は陸海空軍・宇宙軍及びアメリカ海兵隊の常備軍ほか、アメリカ沿岸警備隊を含めた6軍からなっています。
これを支える軍備の概略は次のとおりです。
人口 : 3億2662万5791
兵員 : 208万3100
航空戦力 : 1万3362
戦闘機 : 1962
戦車 : 5884
主要艦艇 : 415(空母20隻)
以上のような軍備などの軍事予算は毎年 6500億ドル位と言います。
アメリカ軍の強大さに圧倒されます。
アメリカ軍は全世界を占領しているようなものです。
この趨勢は日本、ドイツ、イタリアなどが第二次世界大戦で敗北したことと、1991年にソ連が解体した歴史が作ったのです。
この膨大な軍事力を支えるお金はアメリカ人の税金から来るのです。従ってアメリカ人は金持ちなのです。飢餓問題なんて存在しないと思うのが当然です。
しかし飢餓問題が増大し起きているのです。
その原因はアメリカの教育と人々の考え方にあるのです。少し説明しましょう。

(2)アメリカの教育と人々の考え方
私は留学した経験があるのでアメリカの教育現場の実態を知っています。
一番驚いたのはアメリカの教育では弱肉強食の精神の重要性を教えていることです。アメリカの学校では落第と強制退学が頻繁に行われています。努力しても成績があるレベルより上がらなければ自動的に落第です。
アメリカの大学では入学者数の半分くらいしか卒業出来ない大学もあります。多くの学生が成績があるレベル以上に上がらないで強制退学されるのです。
アメリカの教育の現場は弱肉強食なのです。
私にも机を並べていた級友が2人消えてしまった経験がありました。成績が上がらず強制退学になったのです。
そんな教育なのでアメリカの社会も弱肉強食になるのです。
当然、貧困層が増大し飢餓問題が起きます。その実態を見てみましょう。

(3)アメリカに於ける貧困層の増大と飢餓問題

アメリカの納税者のトップ1%の所得が国民所得に占める割合は、1980年に11%だったのが、2018年では20%を超えているのです。
そして、下層半分のアメリカ人の所得が国民所得に占める割合は、1980年は20%だったが、2018年では12%に減っているのです。
言い換えれば、アメリカでは富裕層はますます裕福になり、中間層や貧困層はより貧しくなっているのです。
アメリカは根っからの資本主義の国です。昔から共産主義を徹底否定し、自由経済・自由貿易をしてきました。その副産物が今日の貧困問題とも言えます。
「成功したものは大金を手にし、失敗したものはどん底」。これが資本主義の根底にあるものですが、現在のアメリカの現状を見てみるとよく分かります。
貧困層が増大すれば飢餓問題が起きます。
アメリカでは、約7人に1人が食べることに困り、食事の援助を受けているのが現状です。 
非営利組織(NPO)フィーディング・アメリカ(Feeding America)が発表した調査報告書によれば、日々の食事を補うために配給所などを利用する人が増加しており、しかも、あらゆる層にまたがっていると言います。
アメリカ国民の4600万人以上が生きていくために食事の援助を受けていると報告書は述べています。
内訳は子供1200万人、高齢者700万人、ワーキングプアや兵士の家族、失業者、大卒の若者など数百万人だそうです。
例えばかつては自動車大国アメリカの“背骨”であった街、デトロイトを見てみましょう。
自動車産業で栄えたこの街は人口が半分以下まで減少しました。
雇用が減り治安も悪化し、暴力犯罪率は 全米第2位になり、“最悪級のスラム都市”に転落したのです。
路上にはホームレスの列、絶え間ない銃声。希望なの無い、誰も住みたがらない街になったのです。
何度も書きますがアメリカ社会は弱肉強食の精神が重要だと信じている社会なのです。
その精神がアメリカを世界一の超大国にしたのです。
同時にその精神がアメリカの貧困層を増大させ飢餓問題がますます大きな問題にしているのです。
困った問題です。日本もいずれアメリカのようになるのでしょうか?

今日の挿し絵代わりの写真は記事の内容に関連した写真です。

それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈り申し上げます。後藤和弘(藤山杜人)


1番目の写真はアメリカ海軍の所有する空母20隻のうちの一隻の写真です。

2番目の写真は私が昔留学したオハイオ州立大学の中心部分です。

3番目の写真はオハイオ州立大学のアメリカンフットボールのスタジアムです。

4番目の写真は取り残された“最悪級のスラム都市”デトロイトの様子です。出典は、https://heapsmag.com/detroit-revival-bicycles です。

5番目の写真はロサンゼルスの中心地から車で1分でホームレスだらけのスラム街です。写真の出典は、https://ameblo.jp/urban-x059/entry-12418763239.html です。
ビルだらけの中心地から車でわずか1分でホームレスだらけ、ゴミだらけ、落書きだらけのスラム街へ行けるのです。