現在の憲法の第9条が問題なのです。第9条は「戦争の放棄、戦力及び交戦権の否認」を明記してるのです。次がその条文です。
「日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。」
そしてこの内容はアメリカ占領軍の指示で出来たのです。
さて2018年01月の国会で安倍総理は各党が憲法改正の論議を始めるようにという趣旨の演説をしました。安倍総理の官房長官だった菅義偉氏が次の総理大臣になったので憲法改正の国民投票が出来るように関連法の整備をしています。いよいよ今年は憲法改正に動き出すようです。しかし平和憲法を改正すると戦争になると感じている人々も多いのが現実です。世論調査をすると改正賛成は50%以上で反対は40%台です。
日本人の多くは平和憲法が戦後76年の日本の平和を守ったと感じているのです。事実は厳しい米ソ冷戦構造で見かけの平和が続いたのです。
しかしこの現実とは別にして日本の平和憲法は改正しないで守るべきだという感情論が根強いのも事実です。
今日は日本の憲法改正にまつわるいろいろなことを書いてみます。
まず憲法改正をすると日本は戦争が出来る国にになるのでしょうか? まずこの問題を考えてみましょう。
先の大戦で日本人は戦争の悲惨さをいやというほど体験しているのです。骨身に沁みているのです。ですから平和憲法は現実的ではないことは分かっていても存続した方が良いと考える人も多いのです。戦後の教育を受けた私の年代の者は平和憲法が日本の平和を守ると教わりました。学校で習ったことは何時までも正しいと思う人が多かった時代でした。それが尾を引いているのでしょう。
しかし50%以上の人が憲法改正に賛成している以上、憲法改正は時間の問題だけなのです。
そこで憲法改正に至るまでの手順を分かり易く書いてみたいと思います。
簡単に言えば、衆・参両院での3分の2以上の賛成により国民投票にかけられ、国民投票の過半数の賛成によって憲法改正が成立します。
このように書けば簡単明瞭ですが、衆・参両院での3分の2以上の賛成を得るのが困難なのです。そのためにいろいろな政治的な駆け引きをしなければいけません。いろいろな注意深い準備が必要なのです。
本当に今年中に両院で3分の2以上の賛成が得られ、2022年頃に実施される国民投票で50%以上の賛成が得られるでしょうか?国民投票で廃案になってしまったら大混乱になります。
ですから国民投票まで世論調査を何度も行って50%以上の賛成が得られる確信されるまで国民投票は出来ません。安倍総理は2020年には国民投票で賛成多数で憲法改正を完成すると主張していました。それが出来なかったのです。
さてもう少し詳しく考えてみましょう。
憲法改正は日本国憲法96条を根拠にした国民投票法を用いて行われます。国民投票法は通称で、正しくは「日本国憲法の改正手続に関する法律」と言います。
そして 憲法改正の手順としては国会での成立、国民投票、を経て改正出来ます。安倍総理の主張は無理でした。
憲法改正の提案は通常の法案提出とは異なり、衆議院100人、参議院50人の賛同によって憲法改正原案が国会に提出されるのです。
その為にはまず衆・参両院の憲法審査会にて憲法改正原案が審査されます。両院ごとの憲法審査会の過半数の賛成で可決されます。それが終われば本会議に提出出来るのです。
そして衆・参両院の本会議にてそれぞれ3分の2以上の賛成で憲法改正が可決されます。この際、衆議院の優越などは適用されません。
両院本会議での可決を以って国会による憲法改正発議が行われ、国民投票にかけられるのです。
改正案が複数条項ある場合には、関連項目ごとに提出され、審査、可決の手段を取ります。
そして国民投票ですが、この重要な投票は国会発議後60日〜180日以内に実施されなければなりません。投票権は18歳以上の日本国民で、また在外邦人を含みます。
国民投票は「賛成」「反対」の二者選択です。投票総数の過半数の賛成で憲法改正案が成立します。現時点では最低投票率は設定されていません。
さて国民投票は何時になるのでしょうか?
以上のように憲法改正のための手続が複雑なのです。いろいろな段階でハードルがあるのです。菅義偉総理は根気良く取り組む必要があるのです。我々国民も根気良く考えねばならないのです。菅義偉氏の総理在任中に終わるでしょうか?
如何でしょうか?皆様のご意見をお待ちしています。
それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈りいたします。後藤和弘(藤山杜人)
今日の挿絵代わりの写真は自分が山梨県で以前に撮った山藤の花の写真です。
公園に植えてある藤と全く同種ですが、山では藤棚を作る人がいませんので藤の蔦はクヌギやコナラやカシワの木々に絡みつき、その梢まで登って花を咲かせます。遠方から見ると藤の木があってその枝に花が咲いているように見えます。なんとなく夢幻の世界の花のようです。山藤の花の写真をお楽しみ頂けたら嬉しく思います。
「日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。」
そしてこの内容はアメリカ占領軍の指示で出来たのです。
さて2018年01月の国会で安倍総理は各党が憲法改正の論議を始めるようにという趣旨の演説をしました。安倍総理の官房長官だった菅義偉氏が次の総理大臣になったので憲法改正の国民投票が出来るように関連法の整備をしています。いよいよ今年は憲法改正に動き出すようです。しかし平和憲法を改正すると戦争になると感じている人々も多いのが現実です。世論調査をすると改正賛成は50%以上で反対は40%台です。
日本人の多くは平和憲法が戦後76年の日本の平和を守ったと感じているのです。事実は厳しい米ソ冷戦構造で見かけの平和が続いたのです。
しかしこの現実とは別にして日本の平和憲法は改正しないで守るべきだという感情論が根強いのも事実です。
今日は日本の憲法改正にまつわるいろいろなことを書いてみます。
まず憲法改正をすると日本は戦争が出来る国にになるのでしょうか? まずこの問題を考えてみましょう。
先の大戦で日本人は戦争の悲惨さをいやというほど体験しているのです。骨身に沁みているのです。ですから平和憲法は現実的ではないことは分かっていても存続した方が良いと考える人も多いのです。戦後の教育を受けた私の年代の者は平和憲法が日本の平和を守ると教わりました。学校で習ったことは何時までも正しいと思う人が多かった時代でした。それが尾を引いているのでしょう。
しかし50%以上の人が憲法改正に賛成している以上、憲法改正は時間の問題だけなのです。
そこで憲法改正に至るまでの手順を分かり易く書いてみたいと思います。
簡単に言えば、衆・参両院での3分の2以上の賛成により国民投票にかけられ、国民投票の過半数の賛成によって憲法改正が成立します。
このように書けば簡単明瞭ですが、衆・参両院での3分の2以上の賛成を得るのが困難なのです。そのためにいろいろな政治的な駆け引きをしなければいけません。いろいろな注意深い準備が必要なのです。
本当に今年中に両院で3分の2以上の賛成が得られ、2022年頃に実施される国民投票で50%以上の賛成が得られるでしょうか?国民投票で廃案になってしまったら大混乱になります。
ですから国民投票まで世論調査を何度も行って50%以上の賛成が得られる確信されるまで国民投票は出来ません。安倍総理は2020年には国民投票で賛成多数で憲法改正を完成すると主張していました。それが出来なかったのです。
さてもう少し詳しく考えてみましょう。
憲法改正は日本国憲法96条を根拠にした国民投票法を用いて行われます。国民投票法は通称で、正しくは「日本国憲法の改正手続に関する法律」と言います。
そして 憲法改正の手順としては国会での成立、国民投票、を経て改正出来ます。安倍総理の主張は無理でした。
憲法改正の提案は通常の法案提出とは異なり、衆議院100人、参議院50人の賛同によって憲法改正原案が国会に提出されるのです。
その為にはまず衆・参両院の憲法審査会にて憲法改正原案が審査されます。両院ごとの憲法審査会の過半数の賛成で可決されます。それが終われば本会議に提出出来るのです。
そして衆・参両院の本会議にてそれぞれ3分の2以上の賛成で憲法改正が可決されます。この際、衆議院の優越などは適用されません。
両院本会議での可決を以って国会による憲法改正発議が行われ、国民投票にかけられるのです。
改正案が複数条項ある場合には、関連項目ごとに提出され、審査、可決の手段を取ります。
そして国民投票ですが、この重要な投票は国会発議後60日〜180日以内に実施されなければなりません。投票権は18歳以上の日本国民で、また在外邦人を含みます。
国民投票は「賛成」「反対」の二者選択です。投票総数の過半数の賛成で憲法改正案が成立します。現時点では最低投票率は設定されていません。
さて国民投票は何時になるのでしょうか?
以上のように憲法改正のための手続が複雑なのです。いろいろな段階でハードルがあるのです。菅義偉総理は根気良く取り組む必要があるのです。我々国民も根気良く考えねばならないのです。菅義偉氏の総理在任中に終わるでしょうか?
如何でしょうか?皆様のご意見をお待ちしています。
それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈りいたします。後藤和弘(藤山杜人)
今日の挿絵代わりの写真は自分が山梨県で以前に撮った山藤の花の写真です。
公園に植えてある藤と全く同種ですが、山では藤棚を作る人がいませんので藤の蔦はクヌギやコナラやカシワの木々に絡みつき、その梢まで登って花を咲かせます。遠方から見ると藤の木があってその枝に花が咲いているように見えます。なんとなく夢幻の世界の花のようです。山藤の花の写真をお楽しみ頂けたら嬉しく思います。