後藤和弘のブログ

写真付きで趣味の話や国際関係や日本の社会時評を毎日書いています。
中央が甲斐駒岳で山麓に私の小屋があります。

「ユトリロと佐伯祐三、それぞれのパリ」

2021年05月21日 | 日記・エッセイ・コラム
佐伯祐三の絵が好きな私は困っています。彼が描くパリの風景画がユトリロの絵にとても似ているのです。しかし私は佐伯祐三の絵の方が好きなのです。一般にユトリロの絵には独創性があると言われています。佐伯祐三はユトリロの絵の真似をしたのでしょうか。私は真似た絵の方が好きなのです。困ったものです。
佐伯祐三の海外での評価はどの程度のものでしょうか?佐伯祐三の絵はほとんど知られていないぞうです。Wikipediaの外国語のページが存在しませんし、海外の美術館のコレクションにも含まれていないのです。
それはともかくユトリロの油彩画と佐伯祐三の油彩画を4枚ずつ見てみましょう。

1番目の写真はサクレクール寺院の見える風景画です。出典は、 http://nekoarena.blog31.fc2.com/blog-entry-2628.html です。晩年の作品です。
昔、サクレクール寺院にブラリと入って暗いお堂のなかで祈ったことを懐かしく思い出しています。何を祈ったかは忘れてしまいましたが。

2番目の写真はパリの北にあるモンマニー街の風景です。義父のポール・ムジスの建てた家のあった所だそうです。

3番目の写真は「トルシー=アン=ヴァロワの教会」です。

4番目の写真は「コタン小路」です。ユトリロの絵画は風景画ですが人生の哀歓をしみじみと感じさせます。そして何よりも美しいのです。優しい美しさです。ユトリロの絵画をじっと眺めていると胸に迫るものがあります。世界にかけがえのない宝です。
モーリス・ユトリロは 1883年 に生まれ 1955年に亡くなりました。生涯アルコール依存症に苦しみ私生活は悲惨なものでした。1883年12月、パリ・モンマルトルの丘の麓に私生児として生まれモーリスと名付けられました。
さて次の4枚は佐伯祐三の油彩画です。

5番目の写真は「パリ街景」です。原画の大きさは38.1×45.4cm です。

6番目の写真も「パリ街景」です。1927年作で大きさは65×81cm です。

7番目の写真は「広告“ヴェルダン” 」です。1927年作で大きさは54.0x65.0cmです。

8番目の写真は「靴屋(コルドヌリ)」です。1925年作で原寸は,72.5x59.0cmです。
私は佐伯佐伯祐三の原画の数十枚をまとめて見たことが一度だけあります。2008年、横浜そごうデパートでの特別展でした。
油彩画の原画には絵の具が盛り上がり、画家の熱い息づかいが感じられるのです。30歳で客死した佐伯祐三の情熱が直接伝わって来るのです。
彼はパリに魅せられ狂ったように絵を描き続けました。最後は文字通り狂って彼の地の精神病院で息を引き取りました。たった10年間ほどの画歴でした。
絵画の写真について解説は不要です。命を削るようにして描いた作品群の前では、どんな美辞賛辞も空々しくなります。
1924年(大正13)1月、佐伯祐三はパリに行きます。そしてモーリス・ド・ヴラマンク(1876~1958)との出会います。ヴラマンクのアトリエを訪れた佐伯は、自分の作品をヴラマンクに見せなした。
ところがこの巨匠から「アカデミック!」と一喝されてしまいます。学校で優等生の描く絵は上手ですが面白くも可笑しくも無い絵なのです。佐伯祐三の絵はそんな絵だったのです。
そして哀愁漂うパリの街角を描いたモーリス・ユトリロ(1883~1955)の芸術に強く惹かれるようになります。その4年後、佐伯はこの地で30年という短い生涯を閉じたのです。
墓所は生家である大阪市の光徳寺と東京都千代田区の心法寺にあります。現在、佐伯の作品は大阪中之島美術館に50点、和歌山県立近代美術館に14点など、日本各地の34か所に所蔵されているそうです。

それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈りいたします。後藤和弘(藤山杜人)

「昔と非常に変わってしまった買い物をする商店の風景」

2021年05月21日 | 日記・エッセイ・コラム
梅雨空が覆っています。皆様お元気ですか? 今日は時代が変われば買い物風景も大きく変わることを示す写真をお送りいたします。私どもが住んでいる東京の都下の小金井市の話です。
この5月16日に、「過疎化は都会の中でも、消えた商店街」という記事を掲載しました。その中で次のように書きました。
・・・私の家の裏手にあった商店街が消えて無くなりました。私どもが1964年に引っ越して来た当時は両側にに20軒ほどの個人商店がビッチリと並んでいました。賑やかな商店街だったのです。酒屋、肉屋、葉茶屋、菓子屋、化粧品屋、八百屋、蕎麦屋、中華料理屋、本屋、電気屋そして歯科医院まであったのです。
夏になると商店街祭りがあり野外舞台にお笑い芸人や歌手が来ました。夜になると酒屋は椅子とテーブルをそろえ生ビールを出しました。浅草でサンバ踊りがあった後に踊り子が裏の商店街祭りにも来ていたのです。それは楽しい夏の夜の思い出です。そんな商店街が消えてしまったのです。・・・

それでは人々は何処で買い物をしているのでしょうか? 私は考えました。そうだ駅前に出来た大型のショッピングセンターに違いありません。そこにはイトーヨーカ堂とソコラ小金井という大規模な商業施設があるのです。商品の種類が豊富で売り場が綺麗で素晴らしいのです。そこへ客が吸い取られたに違いありません。
そこでカメラを持って大型のショッピングセンターでの買い物風景の写真を撮って来ました。その写真をお送りいたします。

1番目の写真はソコラ小金井の中にあるフードウエイというスーパーです。沢山の買い物客で賑わっています。

2番目の写真はソコラ小金井の中にある紀ノ国屋です。沢山の買い物客で賑わっていましたが人の顔を写すとまずいので客足が途絶えた時シャッターを押しました。

3番目の写真はイトーヨーカ堂の売り場の風景です。ここも沢山の買い物客で賑わっていました。しかし客が途絶えた時シャッターを押しました。

4番目の写真はソコラ小金井の野外にあるテーブルで買い物客がコーヒーを飲みながら寛いでいる風景です。

5番目の写真はソコラ小金井にある花屋さんです。美しい花束がソコラ小金井の中に華やか雰囲気を作っています。

写真を撮りながら私は考えました。何故新しい商業施設に客が吸い取られたのでしょうか。
理由は売り場が綺麗で広いのです。そして商品が上質で値段も高くないのです。そして雰囲気が圧倒的に洒落ているのです。その上、雨に濡れないで一か所で欲しい物が全て買えるのです。
その風景は昔と非常に変わってしまっているのです。しみじみと隔世の感がします。それにしても日本は良い国になったのです。幸福感に包まれます。
皆様のお住まいの場所はいかがでしょうか。しみじみと隔世の感がするような変化が起きているでしょうか?幸福感に包まれているでしょうか?

それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈り申し上げます。後藤和弘(藤山杜人)