後藤和弘のブログ

写真付きで趣味の話や国際関係や日本の社会時評を毎日書いています。
中央が甲斐駒岳で山麓に私の小屋があります。

「こ の季節、武蔵野の雑木林に咲く木の花、草の花」

2021年05月18日 | 写真
若い頃、国木田独歩の「武蔵野」という随筆を読みました。それ以来武蔵野は私の憧れの地になったのです。小金井市に住んでいますが近所には国木田独歩の「武蔵野」の面影が少なくなってきてです。
しかし車を駆って埼玉県の行くと所々に、嗚呼、これが武蔵野だと感じる雑木林があります。緑豊かな雑木林が散在して昔の武蔵野のようです。そして雑木林の足元には野の花々がひっそりと咲いています。見上げると木々にも地味な花が咲いています。
立ち止まって丁寧に見ると小さな野の花の美しさに魅了されます。

今日は車で所沢の北側の農村地帯を彼方此方探して撮って来た野の花の写真をお送りいたします。

1番目の写真は所沢市カルチャーパークに奥深い雑木林を見つけました。誰も遊んで居ない淋しい公園です。それだけに昔の武蔵野の雰囲気が残っています。

2番目の写真は野バラです。

3番目の写真はハコネウツギです。

4番目の写真は同じハコネウツギを拡大して撮った写真です。

5番目の写真はヤマボウシ

6番目の写真はムラサキツユクサです。

7番目の写真はハルジオンです。

それにしても国木田独歩の「武蔵野」は古い本です。明治31年、1898年に発刊された本です。
お若い方にはご存知ないと思いますのでその一節を掲載しておきます。
・・・武蔵野を除いて日本にこのやうな処がどこにあるか。北海道の原野にはむろんのこと、奈須野にもない、そのほかどこにあるか。林と野とがかくもよく入り乱れて、生活と自然とがこのやうに密接している処がどこにあるか。・・・
なかば黄いろくなかば緑な林の中に歩いてゐると、澄みわたつた大空が梢々の隙間からのぞかれて日の光は風に動く葉末々々に砕け、その美しさいひつくされず。・・・
武蔵野のやうな広い平原の林が隈なく染まつて、日の西に傾くとともに一面の火花を放つといふも特異の美観ではあるまいか。もし高きに登りて一目にこの大観を占めることができるならこの上もないこと、よしそれができがたいにせよ、平原の景の単調なるだけに、人をしてその一部を見て全部の広い、ほとんど限りない光景を想像さするものである。その想像に動かされつつ夕照に向かつて黄葉の中を歩けるだけ歩くことがどんなにおもしろからう。・・・

皆様の埼玉県の農村地帯に足を伸ばせば美しい雑木林と野の花々をお楽しみに
なれます。梅雨の晴れ間にいらっしゃいませんか。

それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈り申し上げます。後藤和弘(藤山杜人)