唐辛子のタカノツメではなく、ウコギ科タカノツメ属の落葉小高木のタカノツメである。秋この木は明るいレモンイエローに黄葉する。海上の森にはたくさんのタカノツメがあり、森が明るさを増す。新芽の頃食べることができるそうがだ、食したことはない。材は柔らかく、経木か箸にするくらいの用途しかない。
しかし、この時期森を歩く者にささやかな楽しみをくれる。雨の後など少し湿り気を感じるとき、砂糖が焦げているような甘い香りが漂ってくる。この香りを嗅ぐと必ず家族で作ったカラメル焼きをおもいだす。昭和18年生まれであるから、記憶が定かではないがザラメが配給された。母に付いて行き、お櫃一杯にザラメが入れられるのを見ていて、とても不思議な気持ちになった。子供ごころになぜザラメ?と思ったかどうかは分からない。
以後我が家では家族が七輪を囲みカラメルを作った。銅製のお玉に垂直な持ち手が付いている道具の中にザラメを入れ火に掛け、泡が湧いてきたら重曹をいれる。運がいいとカラメルになるけれど、たいていは失敗して鼈甲飴になる。幼い私はカラメルにならないのは少し残念だったが鼈甲飴でもいっこうに構わなかった。
タカノツメの落ち葉は湿り気があると発酵して香るのだそうだ。これから暫くの間、森を歩く楽しみの一つになる。
この木だけでなく、殆どの樹木は葉を落とす前に次の芽を作っている。この芽は冬の間を耐える仕組みを持っていて、冬芽と呼ばれている。その冬芽が冬芽としては大きく(5~10㎜の卵形)先がとがり、湾曲している様子が鷹の爪に似ているところからタカノツメの名前が付いた。
しかし、この時期森を歩く者にささやかな楽しみをくれる。雨の後など少し湿り気を感じるとき、砂糖が焦げているような甘い香りが漂ってくる。この香りを嗅ぐと必ず家族で作ったカラメル焼きをおもいだす。昭和18年生まれであるから、記憶が定かではないがザラメが配給された。母に付いて行き、お櫃一杯にザラメが入れられるのを見ていて、とても不思議な気持ちになった。子供ごころになぜザラメ?と思ったかどうかは分からない。
以後我が家では家族が七輪を囲みカラメルを作った。銅製のお玉に垂直な持ち手が付いている道具の中にザラメを入れ火に掛け、泡が湧いてきたら重曹をいれる。運がいいとカラメルになるけれど、たいていは失敗して鼈甲飴になる。幼い私はカラメルにならないのは少し残念だったが鼈甲飴でもいっこうに構わなかった。
タカノツメの落ち葉は湿り気があると発酵して香るのだそうだ。これから暫くの間、森を歩く楽しみの一つになる。
この木だけでなく、殆どの樹木は葉を落とす前に次の芽を作っている。この芽は冬の間を耐える仕組みを持っていて、冬芽と呼ばれている。その冬芽が冬芽としては大きく(5~10㎜の卵形)先がとがり、湾曲している様子が鷹の爪に似ているところからタカノツメの名前が付いた。