575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

魔法瓶 魔法が終はるガラス音   八木博信

2010年11月06日 | Weblog
八木博信さんの句集「弾道」を読みました。
八木さんは1961年生まれ。
8歳の時、アポロ11号が伝える
月の地平線に浮かぶ地球を見て
詩を書き始めたといいます。

1994年の出版された句集の冒頭の句。

  わが日記始まる犬の射殺から

この世界との間にある種の違和感を抱く世代。
私たちの世代には、あまりない感覚です。
きっと、どこかで人間関係の地殻変動が起ったのでしょう。
作者は、俳句をつくることによって、
世界との関係を取り戻そうとしているのかも知れません。

私には、受け付けがたい感覚の句が多いなか、
分かる句も幾つかありました。
魔法瓶の句はそうした一句。

ガチャンとガラスが割れ、魔法瓶が壊れてた音。
魔法から解かれて、なにかが見えたのでしょうか?

  合唱や知らぬ歌なら口合はす

これなら、良く分かる感覚です。

一番気に入った句。

  絵巻物まかれて眠る桐の箱

        遅足
              


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短日や起き抜け頭詰碁打つ     朱露

2010年11月06日 | Weblog

    寝床の横に碁盤があるシチュエーション。
    短日でなくても一年中プロの碁を並べる。
    人間と打つと喧嘩になる恐れがあるので。
    囲碁は別名「手談」で趣の深いものデス。

               



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