575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

酉の市あれ人さらいと手を引かれ    朱露

2010年11月28日 | Weblog

    十一月の酉の祭りで大東亜戦争前のことだ。
    太平洋戦争という言い方は敗戦後に決まる。
    お前を見ている男は人さらいだと母が言う。
    今でも私をじっと見る男は人さらいと思う。

                

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思いがこもりすぎると、伝わりにくくなる。   らくせき

2010年11月28日 | Weblog
大相撲。連勝を続ける白鳳が敗れた一番。
解説の舞の海さんが「自分の身体に力が入ってしまって、
肝心の相手に伝わっていない」と評していました。
たしかに白鳳は我武者羅に身体を動かしていましたが、
稀勢の里はびくともしませんでした。

歌つくりにも同じことが言えるようです。
歌人の穂村弘さんがこう言っています。
「スポーツでは、初心者にむかって肩の力をぬくように指導するが
短歌でも同じように、コトバを軽くにぎるように」と。

例にあげていた歌

 しらない空を啄ばむようにつつきあう 鳥の臓腑のいちぬけの砂 ひろたみえ

これが、最終的には

 食卓に鳥放つとき わたしたち おとがいわたるはじめての夏

となったそうです。

鳥を食べる歌だそうですが、
確かにカチカチだったコトバが自由になって、分かりやすくなっています。

      

俳句でもよく荻原先生に、これで2句出来ます、と指摘されました。

コトバを軽くつかむためには、句を一日ねかせて、読み直す必要がありますね。

 
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