現在波照間島の上水は、この海水淡水化施設から全集落へ送られています。海水淡水化とは言っても、若 干塩分の混じった地下水を脱塩しているだけです。取水施設は、大泊浜とシムスケー井戸の中間付近の海岸 に掘られた井戸です。夏場に取水量が増えると、井戸の水位が低下し海水が多く混じるため、節水に努めるよ う広報が流れるそうです。現在使用中の井戸は、カギの掛かった小屋の中に有りますが、使用中止になった 昔の井戸を見せてもらいました。水位は地表面から-5.0~-6.0m程度か。この井戸は島民がノミとカナズチで手 掘りしたそうです。
この取水ポンプ小屋から数十m東側の林の中に、時代不詳の古井戸が有りました。暇なオジサンの説明に よれば、この井戸は「ウダチ井戸」と言って子供の頃は毎日ここから水を汲んで運んでいたそうです。「美味い から飲んでみろ」と言って汲んでくれたので飲みました。非常に濃いミネラルウオータの感じ、甘い味がするの は僅かに塩分を含んでいるからでしょう。宿へ帰ってオカミサンに「古井戸の水飲んできました」と言ったら「あ んな汚い水飲んだらだめさー」、いいえシムスケー井戸ではなくウダチ井戸です、「あれなら飲める」と言われた ので一安心。そばに紐の付いたバケツが置いてありますので、何方か訪れたときには飲んで見て下さい。昔 の島民の生活、離島苦の片鱗を体験できます。