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【一口紹介】
◆内容紹介◆
イラストと小説が響かせる、生きるよろこび。
松尾たいこのイラストと、それをモチーフに描かれた角田光代の連作短編小説。
女性の一生を通して、出会いと別れ、生きるよろこびとせつなさを紡いだ、色彩あふれる書き下ろし競作集。
◆内容(「BOOK」データベースより)◆
生きることのよろこびとせつなさ。松尾たいこのイラストから紡ぎだされた、角田光代の書き下ろし小説。
【読んだ理由】
角田光代作品だから。
【印象に残った一行】
わたしはもう、以前のわたしのようではない、無邪気で、良く笑って、何でも信じて、こわいものは台風と雷ぐらいで、人生に目標があって、「きちんとしていることが何より大事で、背筋を伸ばして生きていこうと思っていて、友達思いで、両親思いで、もちろん欠点だっていっぱいあったけれど、でも、むやみに人を憎んだり、うそをついたり、投げやりになったり、悪意で真っ黒になったり、そんなことはなかったのだ。
わたしではなくなったわたしは、平気でうそをつくし、人をむやみやたらに信じたりしない。めったに笑わないし、背中を丸めて歩いている。自分でも鳥肌が立つくらい強く、人を憎み、そのことにうんざりしてわたしなんかいなければいいと思いさえする。
【コメント】
読後さわやかな感じがした。イラストとのコラボも斬新だ。

