2008年09月28日(日)のブログ「阿智胡地亭の非日乗」に掲載。
今週の日経歌壇には諧謔味というかユーモアに溢れた和歌が満載でした。
買い物に出でしそのまま置き去りにされはしないかちかごろおもう。
吹田 林 達夫
包丁を選ばんとすれば店員はケースの鍵をかちりと回す
浜松 鈴木れい子
田舎にて食いし無花果甘かりき汲み取り便所の側になる実は
京都 岩瀬 順治
会うたびに「痩せた?」と訊く人わたくしを記憶の中で太らせないで
白井 瀬戸辺紅子
することのなきまま一人家に居て冷蔵庫あけジャムを舐めたり
津山 三津田草光
♪いずれも選者は穂村 弘。この人は書く文章にも“悪夢的な生々しさ”があって彼の書く文章も愛読しています。
♪全国紙から地方紙、週刊誌から月刊誌、どの紙面にも俳句・和歌・川柳の投稿欄があり、いつも賑わっている。
外国人が何かでこのことを知ると、普通の市井人が男女年齢を問わず『韻文』を作って楽しんでいるその事にびっくりするそうです。
日本以外の国では普通のくにたみレベルは詩文を自分で作ることはあまりというか殆どないらしい。
確かに万葉集にも、九州の防人に駆り出されたアズマの国の普通人の歌も採られているくらいですから、
この国のくにたみが詩文をつくるのには年期が入っています。
1400年以上も前から、生きる上での喜怒哀楽を歌に託してきてそれが今も続いているのだから楽しい。
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