安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

バブル期の銀座を舞台にした映画「白鍵と黒鍵の間に」を観ました。(11月16日 上田映劇)

2023-11-17 19:30:00 | 映画・DVD・テレビ

以前、原作を読んだ、映画の「白鍵と黒鍵の間に」が、上田市で上映されたので、観に行ってきました。

   

チラシ

(あらすじ)

昭和63年。銀座のキャバレーでピアノを弾いていたジャズピアニスト志望の博は、謎の男からのリクエストで“あの曲”こと「ゴッドファーザー 愛のテーマ」を演奏する。しかし“あの曲”をリクエストできるのは銀座を牛耳るヤクザの親分・熊野会長だけで、演奏を許されているのも会長お気に入りのピアニスト・南だけだった。池松壮亮が1人2役で主演を務め、現実と幻想の間を駆け抜ける狂騒の一夜が繰り広げられる。

(監督、脚本、主な出演者など)

監督:富永昌敬、脚本:富永昌敬、高橋知由、原作:南博、音楽:魚返明未

出演:池松壮亮(南と博の二役)、仲里依紗(千香子)、森田剛(あいつ)、クリスタル・ケイ(リサ)

(感想など)

『奇想天外なエンターテイメントが完成した。』と、この映画の公式ホームページにも書かれているように、ストーリーの予測がつかない不条理劇でした。ピアニストの南博さんがバブル時代の銀座の修業時代を綴った原作が、面白く、その人間模様に心打たれたのですが、この映画は、全く別物でした。

ジャズセッションの場面もありますが、尻切れトンボで面白いものではなく、出所してきたヤクザや、たまに出てくるアルトサックス奏者など、そもそも必要ないと思わせるようなキャラクターが登場するなど、そういった点も僕には理解不能でした。

けれども、全国規模で封切られているので、こういう映画が好きな人も大勢いるに違いありません。原作と映画の落差は計算されたものだろうと、ぼんやりと考えながら、映画館を後にしました。

(チラシの続き)

   

   

   

【黒鍵と白鍵の間に ホームページ】

映画『白鍵と黒鍵の間に』オフィシャルサイト (hakkentokokken.com)

 

【原作 南博著「白鍵と黒鍵の間に」(小学館文庫)】

   

(あらすじ)

   

(著者略歴)

   

(目次)

目次を読むと、本書の概要がわかります。バブル期の銀座裏面史という趣もあります。

   

   

   

 


映画「名探偵ポアロ ベネチアの亡霊」を観ました。(10月1日 アイシティシネマ)

2023-10-03 19:30:00 | 映画・DVD・テレビ

ケネス・プラナー監督・主演の映画エルキュール・ポアロシリーズの第3作目「名探偵ポアロ ベネチアの亡霊」が上映されたので観てきました。第1作の「オリエント急行殺人事件」をDVDで観たら、面白かったので出かけました。

   

チラシ表

   

チラシ裏

(あらすじ)

ベネチアで隠遁生活を過ごしていたポアロは、霊媒師のトリックを見破るために、子供の亡霊が出るという謎めいた屋敷での降霊会に参加する。しかし、その招待客が、人間には不可能と思われる方法で殺害され、ポアロ自身も命を狙われる。 この殺人事件の真犯人は、人間か、亡霊か。名探偵ポアロが超常現象の謎に挑む、

(原作、主な出演者など

原作はアガサ・クリスティの小説「ハロウィーン・パーティ」。

監督・ポアロは、ケネス・プラナー。霊媒師レイノルズは、「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」でアジア人で初のアカデミー主演女優賞を受賞したミシェル・ヨー。そのほかの共演に「フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ」のジェレミー・ドーナン、俳優でコメディアンのティナ・フェイら。

(感想など)

原作が、「ハロウィーン・パーティ」となっているように、ハロウィーンの日、ベネチアの古い洋館におけるパーティーと降霊会の出来事を中心にテンポ早めに物語が展開します。ポアロは、最終的に犯人を見つけ、ことの真相に迫ります。

この映画の特徴としては、本来のミステリに加え、ホラー(恐怖映画)の要素が入っていることでしょうか。舞台が、大きな屋敷の中というのも特徴として挙げられます。前2作とは異なったシチュエーションで、緊迫感をかなり感じ、ミステリ+ホラーは成功しているように思えました。

ベネチアの街の風景、様子がたくさん出てくるかと期待したのですが、屋敷内の出来事という性格上、街は最小限の描写になっていました。風光明媚なベネチアをたっぷり観たかったので、その点だけは残念でした。

【映画「名探偵ポアロ ベネチアの亡霊」公式サイト】

映画『名探偵ポアロ:ベネチアの亡霊』公式サイト|20世紀スタジオ公式 (20thcenturystudios.jp)

【アイシティ・シネマ ホームページ】

アイシティシネマ - アイシティシネマ 公式サイト (inouedp.co.jp)

 

(第1作目の「オリエント急行」殺人事件は、DVDで観ました。)

イスタンブールを出発し、多分、ヨーロッパアルプスの麓を行くオリエント急行。

脱線して止まる寸前の列車。

事件が解決して、次のナイル殺人事件の現場へと赴くポアロ。

   

アガサ・クリスティ「Murder on The Orient Express」のペーパーバック。昔、購入したものです。なお、「Now A Major Motion Picture」とあるのは、1974年にシドニー・ルメット監督で映画化されたものを指すと思います。その映画では、イングリット・バーグマンがアカデミー助演女優賞を受賞しています。   


フランス映画「テノール! 人生はハーモニー」を観ました。(8月19日 長野相生座・ロキシー)

2023-08-21 19:30:00 | 映画・DVD・テレビ

上映を楽しみにしていた映画「テノール 人生はハーモニー」を観てきました。

   

パンフレットの表紙。

(あらすじ)

パリ・オペラ座に、寿司屋の出前できた青年アントワーヌが、エリートレッスン生に見下された仕返しに歌ったオペラの歌真似がプロも驚くまさかの超美声。彼の才能にほれ込んだオペラ教師マリーにスカウトされ、自分とは住む世界が違うと考えながらも秘密のレッスンを始めた彼は次第にオペラに熱中していくが・・・。

(主な出演者

音楽オーディション番組「THE VOICE」で注目されたビートボクサーのMB14が主演を務め、自らオペラ歌唱にも挑戦。「100歳の少年と12通の手紙」のミシェル・ラロックがオペラ教師マリーを演じ、世界的テノール歌手ロベルト・アラーニャが本人役で出演。監督は、クロード・ジディ・ジュニア。詳しくは下記を参照。

(感想など)

貧しい階層出身の青年が、その歌の才能を生かし、オーディションまで辿りつくというサクセスストーリーが主な筋で、それ自体は応援したくなる内容でした。全編に流れるオペラの旋律や歌声、そしてパリ・オペラ座の美しい内部など映像も素晴らしい。

家族や地域の結びつきが強く、そこから躊躇しつつも解放されていく、青年(アントワーヌ)の生き方は、フランスでは多くの共感を得たに違いないと思って見ていました。フランスは、大きな格差社会であることを如実に感じさせる内容でもあります。

重苦しくならないように、コメディタッチの部分もあり、主人公アントワーヌの兄役のディディエ(演じたのはギヨーム・デュエム)の演技には笑いました。オペラ教師役のミシェル・ラロックは、軽妙なところも見せ、いい役者さんが揃っている映画で、観に行って良かった。

【映画「テノール」公式サイト】

映画『テノール!人生はハーモニー』公式サイト (gaga.ne.jp)

【長野相生座・ロキシー ホームページ】

長野相生座・ロキシー (naganoaioiza.com)

 

以下、参考です。

(主な出演者、監督)

 

ロベルト・アラーニャ本人が出ていました。歌も歌っており、豪華な配役に驚きました。

 

(パリ・オペラ座)

パリ・オペラ座は、ナポレオン三世の指示で建設された劇場です。設計は、建築家シャルル・ガルニエによるもので、そのため、オペラ・ガルニエやガルニエ宮とも呼ばれています。1874年12月に完成し、1875年1月5日に落成式が行われました。

主人公のアントワーヌが初めてオペラ座に足を踏み入れた際に圧倒された観客席に続く大階段。

バルコニー

舞台から観客席の眺め。天井には、マルク・シャガールによって描かれた天井画「夢の花束」。

 

(映画中に登場するオペラの名曲)

 

映画を観たら、登場したオペラアリアなどを聴きたくなりました。

【ペテル・ドヴォルスキー・オペラアリア集】

伝説の指揮者、カルロス・クライバーの信任が厚く、1981年と1988年のミラノ・スカラ座日本公演にも一緒にきているチェコ出身のペテル・ドヴォルスキーの歌を楽しみました。僕の愛聴盤です。

   

 

(ボローニャ歌劇場日本公演のチケットをとりました)

2023年11月7日に行われるイタリアのボローニャ歌劇場高崎公演のチケットを確保しました。演目がプッチーニの「トスカ」で、久しぶりのオペラ観劇なので、今から楽しみです。

   


山田洋次監督の映画「たそがれ清兵衛」を観て、藤沢周平の原作を再読しました。映画も小説も面白い。

2023-04-26 19:30:00 | 映画・DVD・テレビ

(映画)たそがれ清兵衛

ある方のブログに、『映画「たそがれ清兵衛」を見て庄内地方へ行ってみたくなった』とあり、俄然その映画を見たくなり、借りてきたDVDで初めて観ました。

(あらすじ)

海坂藩の下級武士である井口清兵衛は妻を病気で亡くし、幼い娘2人や年老いた母と貧しくも幸せな日々を送っていた。家族の世話や借金返済の内職に追われる彼は、御蔵役の勤めを終えると同僚の誘いを断ってすぐに帰宅してしまうため、“たそがれ清兵衛”と陰口を叩かれていた。ある日、清兵衛は幼なじみの朋江を救ったことから剣の腕が立つと噂になり、上意討ちの討手に選ばれてしまう。

(監督、出演)

監督 山田洋次
原作 藤沢周平 (原作は、たそがれ清兵衛、祝い人助八、竹光始末の3つです。)
脚本 山田洋次
   朝閒義隆
撮影 長沼六男
音楽 富田勲

出演 真田広之(井口清兵衛)、宮沢りえ(飯沼朋江)、小林稔侍(久坂長兵衛)、田中 泯(余呉善右衛門)

なお、本作は、第76回(2004年)アカデミー賞(外国語映画賞)にノミネートされました。

(感 想)

素晴らしい時代劇で、感激しました。小説「たそがれ清兵衛」と筋が違うと思いながら見ていたのですが、エンドロールで藤沢周平の3つの小説が原作と出てきたので、納得しました。脚本が良いのに加え、俳優陣、セットやロケもよく、実際に江戸末期の日本の様子が現出しているかのようでした。

(映画のシーンから) ちょっと横から撮ったので、画面はぶれています。

清兵衛(真田広之)が一日の務めを終えて、お城から出てくるシーン。後ろで嘲笑しているのがわかります。

清兵衛の自宅。藁屋根の家で、煙が出ているのがすごい。手がかかっています。

畑仕事の場面。

清兵衛の娘二人。二人の子役が、演技とは思えないほど、自然体でした。

春の景色が美しい。庄内地方の光景でしょうか。

飯沼朋江(宮沢りえ)。二人の子供を呼んでいるところ。

清兵衛が追ってとしての支度の手伝いを朋江に頼んでいる場面。

清兵衛が追手として、激闘に勝って、自宅に戻ったところ。思いもかけず、朋江が待っていてくれて・・・。

(参考)【たそがれ清兵衛 予告編】

『たそがれ清兵衛/予告編』を再生|

(小説 たそがれ清兵衛)

作者プロフィール

   

   

「たそがれ清兵衛」文庫本カバー

   

目次。映画には、「たそがれ清兵衛」と「祝い人助八」が原作として用いられました。

(本書の内容紹介)

   

(小説 竹光始末)

   

「竹光始末」文庫本カバー

本書の内容紹介

   


映画「仕掛人・藤枝梅安 2」を観ました。(4月9日 上田TOHOシネマズ)

2023-04-14 19:30:00 | 映画・DVD・テレビ

作家、池波正太郎さんの時代小説「仕掛人・藤枝梅安」シリーズが、池波正太郎生誕100年となる2023年、豊川悦司主演で映画化されました。2部作で、その第2作が公開されたので、観てきました。

   

チラシ表

   

チラシ裏

(出 演)

豊川悦司(藤枝梅安)
片岡愛之助(彦次郎)
菅野美穂(おもん)
椎名桔平(井阪惣市、峯山又十郎)
佐藤浩市(井上半十郎)

(スタッフ)

監督:河毛俊作
脚本:大森寿美男
音楽:川井憲次
撮影:南野保彦

(あらすじ)

梅安が相棒の彦次郎と京に向かう道中、ある男の顔を見て彦次郎は憎しみを露にする。その男は彦次郎の妻と子を死に追いやった仇だった。そして、上方の顔役で殺しの依頼を仲介する元締から彦次郎の仇の仕掛を依頼された梅安は、浪人の井上半十郎とすれ違う。井上と梅安もまた憎悪の鎖でつながれていた。

(感 想)

仕掛人・藤枝梅安の2作目は、梅安が上方の元締めから依頼された仕掛(暗殺)も行われますが、彦次郎の仇討ち、梅安の針医者駆け出し時代の因縁相手との対決がメインで、それぞれの半生と深くかかわった物語です。

江戸時代の暗黒街を描いた点には変わりありませんが、より人間ドラマとしての面が色濃く出ていて、やるせなさや切ない感情が画面から伝わってきました。また、本作でも、街道の風景や京の街並みなど、映像美が素晴らしい。

豊川悦司、片岡愛之助のコンビが、前作に続き良く、佐藤浩市も熱演でした。エンドロール終了後、鬼平(松本幸四郎)も登場します。映画「鬼平犯科帳」も新たに製作されるので、その予告でしょうか。そちらも楽しみ。

(パンフレットの写真抜粋)

梅安役の豊川悦司さん

彦次郎役の片岡愛之助さん

おもん役の菅野美穂さん

峯山又十郎など役の椎名桔平さんと佐々木八蔵役の一ノ瀬颯さん。

井上半十郎役の佐藤浩市さん。

上の写真は、京の街並み。下の写真は、ならず者のアジトが焼け落ちるところ。リアルで、迫力ありました。

【映画「仕掛人・藤枝梅安」公式ホームページ】

映画「仕掛人・藤枝梅安」公式サイト (baian-movie.com)

(参考)第1作に関する拙ブログの記事です。

映画「仕掛人・藤枝梅安」を観ました。(上田市 東宝シネマズ) - 安曇野ジャズファンの雑記帳 (goo.ne.jp)