安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

映画「仕掛人・藤枝梅安 2」を観ました。(4月9日 上田TOHOシネマズ)

2023-04-14 19:30:00 | 映画・DVD・テレビ

作家、池波正太郎さんの時代小説「仕掛人・藤枝梅安」シリーズが、池波正太郎生誕100年となる2023年、豊川悦司主演で映画化されました。2部作で、その第2作が公開されたので、観てきました。

   

チラシ表

   

チラシ裏

(出 演)

豊川悦司(藤枝梅安)
片岡愛之助(彦次郎)
菅野美穂(おもん)
椎名桔平(井阪惣市、峯山又十郎)
佐藤浩市(井上半十郎)

(スタッフ)

監督:河毛俊作
脚本:大森寿美男
音楽:川井憲次
撮影:南野保彦

(あらすじ)

梅安が相棒の彦次郎と京に向かう道中、ある男の顔を見て彦次郎は憎しみを露にする。その男は彦次郎の妻と子を死に追いやった仇だった。そして、上方の顔役で殺しの依頼を仲介する元締から彦次郎の仇の仕掛を依頼された梅安は、浪人の井上半十郎とすれ違う。井上と梅安もまた憎悪の鎖でつながれていた。

(感 想)

仕掛人・藤枝梅安の2作目は、梅安が上方の元締めから依頼された仕掛(暗殺)も行われますが、彦次郎の仇討ち、梅安の針医者駆け出し時代の因縁相手との対決がメインで、それぞれの半生と深くかかわった物語です。

江戸時代の暗黒街を描いた点には変わりありませんが、より人間ドラマとしての面が色濃く出ていて、やるせなさや切ない感情が画面から伝わってきました。また、本作でも、街道の風景や京の街並みなど、映像美が素晴らしい。

豊川悦司、片岡愛之助のコンビが、前作に続き良く、佐藤浩市も熱演でした。エンドロール終了後、鬼平(松本幸四郎)も登場します。映画「鬼平犯科帳」も新たに製作されるので、その予告でしょうか。そちらも楽しみ。

(パンフレットの写真抜粋)

梅安役の豊川悦司さん

彦次郎役の片岡愛之助さん

おもん役の菅野美穂さん

峯山又十郎など役の椎名桔平さんと佐々木八蔵役の一ノ瀬颯さん。

井上半十郎役の佐藤浩市さん。

上の写真は、京の街並み。下の写真は、ならず者のアジトが焼け落ちるところ。リアルで、迫力ありました。

【映画「仕掛人・藤枝梅安」公式ホームページ】

映画「仕掛人・藤枝梅安」公式サイト (baian-movie.com)

(参考)第1作に関する拙ブログの記事です。

映画「仕掛人・藤枝梅安」を観ました。(上田市 東宝シネマズ) - 安曇野ジャズファンの雑記帳 (goo.ne.jp)


ジャズ漫画のアニメ映画化「BLUE GIANT」を観ました。(2月23日 松本市シネマライツ)

2023-02-25 19:30:00 | 映画・DVD・テレビ

2013年から小学館「ビッグコミック」にて連載開始した石塚真一さんの人気ジャズ漫画「BLUE GIANT」がアニメ映画化され、上映されたので観に行ってきました。

   

(映画のパンフレットは、直径30cmのレコードサイズで、ジャケットに入っています。これはジャケット)

(あらすじ)  

仙台の高校生・宮本大はジャズに魅了され、毎日ひとり河原でテナーサックスを吹き続けてきた。卒業と同時に上京した彼は、高校の同級生・玉田俊二のアパートに転がり込む。同世代の凄腕ピアニスト・沢辺雪祈と出会った大は彼をバンドに誘い、大に感化されてドラムを始めた玉田も加わり3人組バンド「JASS」を結成。3人は、日本最高のジャズクラブに出演することを目標に、活動を続けていく。

(声の出演者、監督などスタッフ)

宮本大:山田裕貴
沢辺雪折:間宮祥太朗
玉田俊二:岡山天音
監督:立川譲 (「名探偵コナン ゼロの執行人」などを監督)
脚本:NUMBER 8
アニメーション製作:NUT (「幼女戦記」シリーズを制作)
音楽:上原ひろみ

(感想など)

祝日の午後という上映時間のせいもあるとは思いますが、松本シネマライツの上映室(106席)が7割くらいはお客様で埋まっていて人気があるので驚きました。ビックコミック連載の石塚真一さんの漫画が人気があり、読んでいる方が多いのでしょう。

3人が、厳しい練習を経て、バンドとして一体化していく姿には、応援したくなる気持ちが湧いてきて、感動。声優さんの熱演もあって、感情がよく伝わってきて、アニメーション映画を映画館で初めて見たのですが、そう違和感がないものだと、感心しました。

音楽は、ピアニストの上原ひろみが担当し、オリジナル曲も使用されました。それらも良かったのですが、使われたジョン・コルトレーン作曲の「Impressions」が強烈に印象に残り、コルトレーンは凄かったと改めて感じました。主人公の宮本大のテナーサックスを担当した馬場智章のダークな音色、演奏が素晴らしい。

 

(以下、パンフレットから)

主人公の宮本大(テナーサックス)。演奏は、馬場智章(ばばともあき)が担当。

沢辺雪折(ピアノ)。演奏は、上原ひとみが担当。

玉田俊二(ドラム)。演奏は、石若駿が担当。

それぞれの場面から。

上は、ピアニストの沢辺雪折が、他のバンドの一員として出演したジャズクラブ「THE COTTON'S」、下は、3人が出演したジャズクラブ「SO BLUE」。モデルは、東京丸の内の「COTTON CLUB」と、南青山の「BLUE NOTE 東京」ですが、よく描けていて、雰囲気が出ています。

【映画「BLUE GIANT」公式サイト】

映画『BLUE GIANT』公式サイト (bluegiant-movie.jp)


映画「仕掛人・藤枝梅安」を観ました。(上田市 東宝シネマズ)

2023-02-10 19:30:00 | 映画・DVD・テレビ

作家、池波正太郎さんの時代小説「仕掛人・藤枝梅安」シリーズが、池波正太郎生誕100年となる2023年、豊川悦司主演で映画化されました。2部作ですが、その第1部が公開されたので、観てきました。

パンフレットの表紙

(出 演)

豊川悦司(藤枝梅安)
片岡愛之助(彦次郎)
菅野美穂(おもん)
天海祐希(おみの)

(スタッフ)

監督:河毛俊作
脚本:大森寿美男
音楽:川井憲次
撮影:南野保彦

(あらすじ)

江戸の郊外、品川台町に住む鍼医者の藤枝梅安には、腕の良い医者という表の顔と、生かしておいてはならない者たちを闇に葬る冷酷な仕掛人という裏の顔があった。そんな梅安がある日、料理屋を訪ね、仕掛の標的であるおかみの顔を見た瞬間、思わず息をのむ。その対面は、梅安自身の暗い身の上を思い出させるものだった。

(感 想)

画面に釘付けになり、上映時間があっという間に過ぎました。とにかく映像が美しくて、谷崎潤一郎の評論『陰影礼賛』の世界が、現出しているかのようでした。ほの暗い梅安の住居、華やかな料亭、薄暗い郊外の道と、江戸時代にまさにタイムスリップした感じです。

出演者が、適役です。梅安の表の顔である針医者、裏の顔である仕掛人を見事に演じわけた豊川悦司さんは、大柄な身体とあいまって、はまり役です。彦次郎役の片岡愛之助さんは明るさの中に過去を持つ男を演じ、菅野美穂さん、天海祐希さんも魅力を放っていました。

原作に、忠実に映画化されていて、その点も良かった。江戸の暗黒街を描いた映画として面白く、大げさかもしれませんが、後世に残る作品だと、観終わって、感動しました。

(パンフレットの写真抜粋)

梅安(豊川悦司)が仕掛けの針を研いでいるところ。

梅安と彦次郎。二人が食事する場面も印象に残り、池波正太郎の原作が生きています。

梅安とおもん(菅野美穂)。

彦次郎(片岡愛之助)。かっこいいです。

おみの(天海祐希)。顔立ちがきりっとし、意思の強さが出ていて、役に相応しい。

原作者の池波正太郎さんの紹介もあります。

【映画「仕掛人・藤枝梅安」公式ホームページ】

映画「仕掛人・藤枝梅安」公式サイト (baian-movie.com)


映画「グリーンブック」(DVD)を観ました。ストーリーや演技に加え、音楽も素晴らしい。

2022-10-26 19:30:00 | 映画・DVD・テレビ

最近、日の沈むのが早くなり、たまに早く帰宅しています。在宅時間が長いので、映画を観ようと「グリーンブック」(DVD)を借りてきて、改めて見たので、感想を記します。以前、ブロ友のdukeさんに教えていただいた映画です。

   

(あらすじ)

1962年、ニューヨークの高級クラブで用心棒として働くトニー・リップは、クラブが改装のため閉鎖になり、無職になったので、南部でコンサートツアーを計画する黒人ピアニストのドクター・シャーリーに運転手として雇われる。黒人差別が色濃い南部へ、あえてツアーにでかけるシャーリーと、黒人用旅行ガイド「グリーンブック」を頼りに、その旅に同行することになったトニー。出自も性格も全く異なる2人は、衝突を繰り返すものの、次第に友情を築いていく。

(監督・主な出演者、受賞など)

監督:ピーター・ファレリー
トニー・リップ:ヴィゴ・モーテンセン
ドクター(ドン)・シャーリー:マハーシャラ・アリ
ドロレス(トニー・リップの妻):リンダ・カーデリニ

この映画は、2018年に公開され、アカデミー賞の作品賞、脚本賞、及び助演男優賞(マハ―シャラ・アリ)を受賞し、主演男優賞(ヴィゴ・モーテンセン)、編集賞にノミネートされました。

(感想など)

実話を元にしたストーリーで、アメリカ南部へのコンサートツァー中に二人の友情が育まれ、最後まで目が離せない、心温まる映画でした。1962年という時点ですが、イタリア系白人家庭は、大家族で食事をともにするなど、家庭を大事にしている様子にも打たれました。

音楽にも感心しました。音楽担当は、クリス・バワーズ(Kris Bowers)で、映画中のピアノ演奏も彼によるものです。最後の方のレストランの場面で、ドン・シャーリ―が、求めに応じてショパンのエチュード「木枯らし」を演奏し、そこからジャムセッションが始まるところは感動しました。

車の中で、リップとシャーリーの二人がケンタッキー・フライド・チキンを食べまくる場面や、リップが妻のドロレスに旅先から送る手紙をシャーリーが直し、最後にそれがばれていたとわかる場面など、ユーモアセンスもあって、物語を明るくしています。

(映画の場面から)

ナイトクラブ「コパカバーナ(Copacabana)」の場面。ボビー・ライデルが出演中。コバカバーナは、一流の歌手が出演し、ボビー・ダーリン、サム・クック、ザ・シュープリームス、マーヴィン・ゲイがライブアルバムを録音しています。

グリーンブックを手渡される場面

タンタッキー州に入り、車の中でフライドチキンを食べる場面。ドン・シャーリーは、リップのすすめに、初め嫌がっていたが、レストランでも食べるように。ケンタッキー食べたくなる場面です。

演奏するピアノトリオ。音楽は、クラシック寄りのジャズといった感じで、サロン的なものです。

暴行を受けたシャーリーをリップが救い出す場面。

白人のレストランで食事をとらせてもらえないので、演奏を拒否し、黒人専用レストランに向かいます。

ここでも、フライドチキン。

ウェイトレスのリクエストで、ピアノを弾くドン・シャーリー。ショパンの「木枯らし」ですが、拍手喝さいでした。

お店のバンドが入り、セッションへ。ピアノも軽快にロックンロールしていました。

クリスマスイブの夜、リップが疲れて寝てしまい、ドンが運転してニューヨークに到着。リップの申し出に、メリー・クリスマスと応えて、立ち去るドン。

クリスマスイブを祝うリップの家族。兄弟などが集まったものと思います。イブの場面では、フランク・シナトラの歌う「Have Yourself A Merry Little Christmas」が流れていました。

妻のドロレス。

ドン・シャーリーが訪ねてきたので、出迎えたリップ。

実際のドン・シャーリーは、ボストン・ポップス・オケ(ボストン交響楽団)やシカゴ交響楽団と共演したピアニストですが、黒人がクラシックコンサートで成功するのは難しく、ジャズ的な演奏で成功を収めました。

【映画「グリーンブック」公式サイト】

映画『グリーンブック』公式サイト (gaga.ne.jp)


映画「アルピニスト」を観ました。(8月2日 長野市千石劇場)

2022-08-03 19:30:00 | 映画・DVD・テレビ

映画「アルピニスト」が、長野市の千石劇場で上映されたので、観てきました。普通の山登りとは、全く異なる世界ですが、登る方法(技術)や山岳景色に興味があります。

   

   

(あらすじ)

断崖絶壁に命綱なしで挑む若き天才アルピニスト、マーク・アンドレ・ルクレールに密着したドキュメンタリー。世界的な知名度はほぼ皆無だが、不可能とされていた数々の難所に挑み、新たな記録を次々と打ち立てていく。そんな知られざる天才に、クライミングを題材にした作品を数多く手がけてきたピーター・モーティマー監督とニック・ローゼン監督が密着。雄大な自然を背景に、体力と精神力の極限に挑むマークの姿を、臨場感あふれる映像で映し出す。

(出 演)

   

   

   

(感 想)

クライミングの映像がスリリング過ぎて、最初から最後まで映画館の画面にくぎづけでした。マーク・アンドレ・ルクレールのクライミングは、ほとんど下調べ無しに、そこに行って困難なルートを上るというもので、岩、氷壁、雪の上を、最小限の装備だけで克服していく姿は、驚異的でした。

パタゴニアやスコーミッシュ、ロブソン山など、信じられないような困難なルートを単独で、登った記録をいくつもうち立てますが、25歳で、下山中に雪崩にあって、亡くなってしまいました。本人は自分の道を行っているので、やむを得ないこととはいえ、残念でした。

それにしても、どうやって撮影したのかと思わずにはいられない映像も素晴らしかった。また、マークの恋人でクライマーのブレット・ハリントンや登山家のアレックス・オノルドなども出演して、マークの私生活を含めて、多面的に描き出していたのも印象的でした。

   

スコーミッシュ

   

パタゴニア

   

ロブソン山

   

ロケ地の説明

【映画「アルピニスト」公式ホームページ】

https://alpinist-movie.com