松本市に所用があって行ったので、久しぶりに中心市街地をウロウロしました。散歩のついでに、老舗の珈琲店である「まるも」に入りました。本来は旅館の併設ですが、珈琲店としても有名です。椅子やテーブルは、松本民芸家具のものを使っていて趣のある店内です。CDをかけていて、スピーカーから流れてくるラフマニノフのピアノ協奏曲第2番に耳を傾けながら、ゆっくりと珈琲を味わってきました。ジャズの方もクラシック気味のアルバムを聴いてみました。
RED GARLAND (レッド・ガーランド)
DIG IT! (Prestige 1957年、58年録音)
プレスティッジレーベルにおける、レッド・ガーランド(p)がリーダーとなったセッションは、いくつかのアルバムに分けて発売されました。日付やメンバーがごちゃごちゃしているところがありますが、演奏のほうは、コルトレーンが参加するなど水準が高く、「All Mornin' Long」、「High Pressure」、「Soul Junction」、そして「Dig It!」と、どれを買ってもハズレはありませんでした。
メンバーは、レッド・ガーランド(p)、ジョン・コルトレーン(ts)、ドナルド・バード(tp)、ジョーイ・ジョイナー(b)、ポール・チェンバース(b)、アート・テイラー(ds)。3つのセッションから4曲の録音を集めており、曲によりメンバーの組み合わせもかわります。コルトレーンが急速に力量を上げていく時期に当たりますが、基本的にハードバップなので、ガーランドとの相性も非常によいです。
曲は、チャーリー・パーカー作「Billie's Bounce」、アーヴィング・シーザーなど作「Crazy Rhythm」、ジミー・ヒース作「C.T.A」、レッド・ガーランド作「Lazy Mae」の4曲。「Crazy Rhythm」はガーランド、チェンバース、テイラーの3者によるピアノトリオ演奏です。「「C.T.A」は、3月22日録音のアート・テイラー(ds)のセッションから収録されたもの。4曲が一つのアルバムに収まったわけですが、並び順がよいです。
最初の「Billie's Bounce」から、コルトレーン(ts)、バード(tp)、ガーランド(p)と勢いのいいプレイが聴けます。特に、ガーランド(p)はよく乗っていてリズミカルで切れ味があり、ちょっとケニー・ドリューみたいなフレーズも飛び出します。また、コルトレーンの堂々としたソロも素晴らしい。「Lazy Mae」はその名前のとおり、ゆったりとしたブルージーな曲想で、ガーランドの両手をフルに使ったプレイが楽しめます。何気ないアルバムですが、聴いていてリラックスできます。
【まるも】
住所:長野県松本市中央3-3-10
電話:0263-32-0115
ホームページ:まるも
本来は旅館で、喫茶店も旅館の一部です。
喫茶店の入り口は女鳥羽川沿いです。
内部。
珈琲。シンプルで、まじりけのない昔ながらの味です。