先週、北陸の富山と金沢を訪れたのですが、お土産に、金沢のお菓子「YUKIZURI」を買ってきました。同地の冬の風物詩「雪吊り」に因んだ菓子で、品物とともにネーミングがよいです。「雪吊り」は、兼六園などの景勝地ばかりでなく、普通のお宅でもやってあるところがあって、伝統を重んずる土地柄に感心しました。僕自身へのお土産は、伝統を感じさせるジュニア・マンスのCDです。
JUNIOR MANCE (ジュニア・マンス)
AT TOWN HALL VOL1. VOL.2 (enja 1995年録音)
富山市のレコード店「Record Market」で、在庫を見ていた時に、ジャズがかかっていて、えらくグルーヴィーでかっこいい演奏が流れていました。ライブ録音でアナウンスも入っていたので、ジュニア・マンスのアルバムだとわかり、「かかっているCDは売り物ですか」と訊ねたら、はいという答えだったので、即購入しました。正確には、Vol.2の方がかかっていてそれを購入したのですが、Vol.1も帰宅後入手しました。
メンバーは、ジュニア・マンス(p)、ヒューストン・パーソン(ts)、カルヴィン・ヒル(b)、アルヴィン・クイーン(ds)。ヒューストン・パーソンは、1960年代にはプレスティッジに録音があり、エッタ・ジョーンズ(vo)との活動でも知られている、ブルージーなサックス奏者だけに、マンスとの組み合わせが面白そう。カルヴィン・ヒルは、マッコイ・タイナー(p)のサイドメンとして、強力な演奏を残していたのを覚えています。クイーンは、お気に入りのドラマーです
曲は、マンスのオリジナルとジャズ・オリジナル、スタンダードです。第1集が、「Nadja」、「Small Fry」、「Harlem Lullaby」、「I Cried for You」、「Jubilation」、第2集が、「Blues in The Closet」、「Some Other Blues」、「My Romance」、「Do Nothin' Till You Hear From Me」、「Mercy, Mercy, Mercy」。長めの演奏が多いですが、お酒など飲みながら聴けば、自分のお部屋がライブハウスに変わります。
理屈抜きでグルーヴィーなジャズを体感できるお楽しみ盤。富山で買った第2集の方を主に聴きました。マンス(p)は、意外にテンポの速い曲もよく、反復の多いフレーズをうまく使って盛り上げている「Blues in The Closet」が素晴らしい。マンス自作の「Some Other Blues」では、彼に続きヒューストン・パーソン(ts)がソロをとりますが、その出だしがかっこよくて痺れます。二人のコンビはなかなかよく、ミディアムで快適にスイングする「My Romance」や、たそがれた「Mercy, Mercy, Mercy」もききもの。クイーンのしなやかなドラミングも光ります。
【YUKIZURI】