安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

ヘレン・メリル ジャンゴ

2016-02-24 20:54:28 | ヴォーカル(E~K)

2月14日のバレンタインデイのチョコレートは、家族からのものは別として、いまやもらう機会はほとんどありません。が、いただくと嬉しいものです。たまたま14日に立ち寄った松本市の喫茶店「ピーナッツ」の女性マスターからいただきました。たまに寄るだけなのに、サービスをしてもらったという驚きもあって、ちょっと感激しました。大人のバレンタインに相応しいアルバム。

HELEN MERRILL (ヘレン・メリル)
ジャンゴ (TRIO 1976年録音)

   

ヘレン・メリルは、1960年に初めて日本を訪れたのち、63年、65年、67年と来日しています。67年の来日の際に、UPI通信社のドナルド・J・ブライトンさんと結婚して1972年まで日本で過ごし、帰国しています。米国に戻ってからは歌手として活動をしていませんでしたが、75年から歌い始め、76年5月にトリオレコードにこのアルバムを吹き込みました。ジョン・ルイス(p)との双頭アルバムで、ルイスのピアノ伴奏だけで歌った曲もあります。

メンバーは、ヘレン・メリル(vo)、ジョン・ルイス(p)、リチャード・デイビス(b)、コニー・ケイ(ds)、ヒューバート・ローズ(fl)。ジョン・ルイスは、このアルバムでもクラシカルな落ち着いた演奏をしていてます。また、3曲に参加したローズも本来のフルートらしい美しい響きを出していて、室内楽的にも聴けるアルバムです。

曲は、ジョン・ルイスのオリジナルが、「Django」(ジャンゴ)と「The Singer」、あとはスタンダードで「I Didn't Know What Time It Was」(時さえ忘れて)、「Angel Eyes」、「Close Your Eyes」(瞳を閉じて)、「Alone Together」、「Yesterdays」、「How Long Has This Been Going On?」(いつの頃から)、「Mad About The Boy」の9曲。スタンダートも楽しみですが、「Django」に興味が湧きます。

「Django」(ジャンゴ)では、メリルはヴォーカリーズで歌い、細やかで雰囲気がよく出ています。また、ルイス(p)のソロも滑らかで、抒情が感じられます。メリルとルイスのデュエットによる「Angel Eyes」は、後ろ髪をひかれるような歌詞がよく表現されているようで、印象的なトラックになっています。「Close Your Eyes」は、ドリス・デイの歌が好きなのですが、これはそれに劣らずいい仕上がりで、メリルの歌に加え、ヒューバート・ローズ(fl)のオブリガートが美しく効果的です。「Yesterdays」もルイスとのデュエットで、メリルの声がクールに響き寂寥感が漂っています。

【いただいたチョコレート】

   

家族からのものです

   

こちらは喫茶店「ピーナッツ」でいただいたもの。美味しかった。