映画「アメリカンハッスル」のDVDを借りてきて観ました。収賄スキャンダル「アブスキャム事件」を映画化したものです。1979年、カジノタウンとして開発中のアトランティックシティにおいて、詐欺師のローゼンフェルドを逮捕したFBI捜査官のディマーソは、司法取引で捜査に協力させ、偽のアラブの大富豪をエサにしたおとり捜査によって、カジノの利権に絡んだ大物汚職政治家たちを逮捕していくという粗筋です。詐欺師とその相方の女性が出会う場面でデューク・エリントンのレコードが使われています。
DUKE ELLINGTON (デューク・エリントン)
DUKE ELLINGTON & JOHN COLTRANE (impulse! 1962年録音)
エリントン名のアルバムにしましたが、コルトレーンの演奏にかなりスポットをあてているものです。1962年にコルトレーンはインパルスレーベルで、「Coltrane」、「Ballad」、そしてこのアルバムを作っていて、プロデューサーの依頼もあってかポピュラーな曲も演奏されています。その中で、エリントンの曲を主に演奏したこれは、コルトレーンが長いソロもとっていて、聴きごたえのある傑作として知られいます。
メンバーは、デューク・エリントン(p)、ジョン・コルトレーン(ts)、ジミー・ギャリソン(b)、アーロン・ベル(b)、エルヴィン・ジョーンズ(ds)、サム・ウッドヤード(ds)。ベースとドラムスが曲により変わりますが、エルヴィンが入っているとコルトレーングループのサウンドになり、ウッドヤードだとエリントン寄りになるのでその変化も面白いです。
曲は、エリントン作が「In A Sentimental Mood」、「Take The Coltrane」、「Stevie」、「Angelica」、「The Feeling of Jazz」の6曲にビリー・ストレイホーン作「My Little Brown Book」とジョン・コルトレーン作「Big Nick」。「Take The Coltrane」は、このセッションのためにエリントンが作った曲。曲の提供からだと、まさにエリントンとコルトレーンの共演といっていい内容です。
コルトレーン(ts)とエリントン(p)の組み合わせがうまくいった素晴らしい作品。「In A Sentimental Mood」は、エリントンの傑作曲ですが、コルトレーンとエリントンの共演は旋律の美しさを際立たせて感動的。「Take The Coltrane」で、コルトレーンのソロの間、エリントンはピアノを弾くのをやめています。この長いコルトレーンのソロは静かな中に緊張感があって、聴きものです。「My Little Brown Book」は、ジョニー・ホッジス(as)のフューチャーナンバーですが、エリントンの絶妙なイントロに導かれたコルトレーンのテナー演奏ににうっとりします。自分の部屋で深夜にかけることが多かったアルバムです。
【映画 アメリカン・ハッスル】
サスペンス兼コメディーといった内容で面白かったです。
ブレスレットにエリントンの顔が見えます。
エリントンのレコードを聴いている場面。