安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

レスター・ヤング MEMORIAL ALBUM

2016-05-08 10:46:33 | テナー・サックス

ジャズ批評誌の2016年5月号は、『歴史に残したい名盤』という特集です。時代分け、カテゴリーにより、10の区分を設けていますが、「エレクトリック、フュージョン」と「ジャズ・ルネッサンス以降」という項目に選ばれているアルバムは知らないものが多く興味を惹かれました。そのあたりを眺めつつ、歴史的名盤といっていいレスター・ヤングの録音を久しぶりに聴きました。

LESTER YOUNG (レスター・ヤング)
LESTER YOUNG MEMORIAL ALBUM (Epic 1936、1939、1940年録音)

   

ゴールデン・ウィーク後半は、山登りを控えて、自宅でゆったりと過ごしていました。ジャズもそんなものがいいかとレスター・ヤング(ts)のアルバムを取り出しました。今回のジャズ批評誌の特集には、彼のものは「ブルーレスター」が掲載されていましたが、エピック原盤のメモリアル・アルバムにしてみました。

2枚組のCDで6つのセッションが収録されています。「Jones-Smith Incorporated」、「Count Basie's Kansas City Seven」、「Glenn Hardman And His Hammond Five」、「Count Basie And His Orchestra」というグループの録音で、レスター・ヤングのソロの他、カウント・ベイシー(p)、バック・クレイトン(tp)、ハリー・エディソン(tp)、ディキー・ウェルス(tb)、バディ・テイト(ts)などのソロも聴けます。

編集盤はCDがありがたいです。昔はLPで聴いていましたが、CDではトラックを選びやすく、音質改善もあって格段に聴きやすくなりました。1枚目では「Shoe Shine Boy」、「Lester leaps In」、「On The Sunny Side of The Street」、「Jazz Me Blues」 など、2枚目では「Taxi War Dance」、「Song of The Island」、「I Never Knew」、「Tickel Toe」、「Easy Does It」、「Broadway」など、全部で29トラックです。

1枚目は、コンボによる録音、2枚目はカウント・ベイシー楽団の演奏がまとめられています。リズムや楽器編成がどのようなものでも、レスター・ヤング((ts)の飛びきりモダンな演奏が楽しめます。フレーズは泉のごとくで、リズムへの乗りも素晴らしい。1枚目では、「Lester leaps In」がハイライトで、「Shoe Shine Boy」における長いソロや「Dickie's Dream」も特筆もの。2枚目では、最初の「Taxi War Dance」の冒頭からレスターのソロが入りますが、絶妙のタイミングでスイング感が素晴らしい。「Tickle-toe」や「Broadway」を聴けば、スタン・ゲッツ、ズート・シムズ、そしてアート・ペッパーなどに影響を与えたことがわかる気がします。

【ジャズ批評 2016年5月号】