安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

イェスパー・シロ FEATURING HANK JONES

2016-05-22 09:46:44 | テナー・サックス

市民会館の建て替えですが、長野市芸術館が5月8日にオープンしました。芸術監督に作曲家の久石譲さんを迎え、オープニングは意欲的なプログラムが組まれています。小曽根真のワークショップやチック・コリアと小曽根真の演奏会に出かけてきましたが、ホール内部は簡素ながら音の響きはよさそうです。狭隘な敷地に市役所と併設されたので外観は今一つですが、それはやむを得ないので、公演内容で頑張っていただき、スイングするジャズの公演も期待したいものです。ダグ・レイニーも参加した作品。

JESPER THILO (イェスパー・シロ)
FEATURING HANK JONES (STORYVILLE 1991年録音)

   

イェスパー・シロは、1941年生まれのデンマークを代表するテナー・サックス奏者で、ズート・シムズをややハードにしたようなプレイを行っています。ダグ・レイニー(g)が参加していますが、彼はこの5月1日に亡くなってしまいました。横浜市の上不三雄さん(マシュマロ・レーベルのオーナー)から教えていただいたのですが、好きなギター奏者だけに本当に残念です。

メンバーは、イェスパー・シロ(ts)、ハンク・ジョーンズ(p)、ダグ・レイニー(g)、ヒューゴ・ラスムッセン(b)、スヴェン・エリク・ノーレガード(ds)。イェスパー・シロは、いろいろな人を迎えてアルバムを作っていて、今回は、ハンク・ジョーンズです。ハンクのソロとともにダグ・レイニーのソロも聴くことができ、楽しみが多いアルバムです。

曲目は、スタンダードとジャズオリジナルです。スタンダードが「You Leave Me Breathless」、「My Shining Hour」、「Somebody Loves Me」、「Ain't Misbehavin'」。チャノ・ポゾ作「Tin Tin Deo」、クインシー・ジョーンズ作「Quintessence」、ビリー・ストレイホーン作「Chelsea Bridge」、ケニー・ドーハム作「Prince Albert」、フランク・フォスター作「Shiny Stockings」、唯一メンバーのダグ・レイニーが書いた「Jazz On A Par」の全10曲。

イェスパー・シロ(ts)の演奏は、スイングしてグルーヴ感のあるものですが、原曲のメロディやテンポを大事にして大げさな表現はとっていません。ハンク・ジョーンズのソロも品のあるもので、全体に上品さがうかがえます。バラード「You Leave Me Breathless」や活気のある「Prince Albert」で、シロはじめメンバーが好演しています。ダグ・レイニーは「Jazz On A Par」や「Chelsea Bridge」において暖かい音色でよく歌うソロをとっていて、思わず引き込まれます。モダンスイング~ハードバップ系統の佳作。

【長野市芸術館】

ホームページ:長野市芸術館公式サイト

   

外観。

   

よくわからず、ウロウロして見つけた入り口。

   

入り口を入ると左手がホワイエのような感じになっていて、渡り廊下を進むとホール入り口になります。

   

閉じていますが、ホールの入り口になります。ホール自体の構造は3階建てでした。