2019年1月に亡くなったフランスの作曲家ミシェル・ルグランが音楽を付けた映画から、50年代後半若き映画人たちの起こした映画運動"ヌーヴェルヴァーグ"の監督と作った7作品の上映が全国で行われています。長野では松竹相生座で上映されているので、まず「ローラ」を観てきました。
「ミシェル・ルグランとヌーヴェルヴァーグの監督たち」のポスター・チラシ表面
【ミシェル・ルグランとヌーヴェルヴァーグの監督たち予告編】
https://www.youtube.com/watch?v=V-hTeyAJMXA (yutube)
(ミシェル・ルグランについて)
1932年2月24日パリ生まれ。父は指揮者、母は楽譜出版社の経営者、11歳でパリのコンセルヴァトワールに入学し、作曲法をナディア・ブーランジェに学ぶ。卒業後は、ジャズ・ミュージシャンとしてデビュー。58年にマイルス・デイヴィスなどとアルバム『ルグラン・ジャズ』を発表し高い評価を得る。一方で54年に映画音楽に進出、数多くの名作を生み出し代表作に『シェルブールの雨傘』がある。生涯で3度アカデミー賞を受賞。2019年1月26日パリで逝去。
(映画「ローラ」)感想など
映画『ローラ』 1960年/フランス/88分/モノクロ/シネスコ
監督・脚本:ジャック・ドゥミ 出演:アヌーク・エーメ、マルク・ミシェル、ジャック・アルダン
ルグランが映画監督ジャック・ドゥミと初めて組んだ作品。1958年にはジャズアルバム「ルグラン・ジャズ」を作っているだけに、この60年に作られた映画では、随所に早いフォービートのジャズが流れます。どちらかというと、リズムを効果的に使っています。
上記の粗筋どおりの一応ラブストーリーなのですが、ローラという女性の主人公が7年間も恋人を待っているという設定がちょっと現代とずれている感はあるのですが、恋人が帰ってきてハッピーエンドのローラの純真ぶりがまぶしい。
幼馴染でローラに告白するもののふられたローランの不透明なこれからの人生が示唆されて、映画は終わります。淡々としたストーリーで平板なところはありますが、女優アヌーク・エーメを観ることができるのと、ルグランの音楽を楽しめるので、観てよかった。
(今後の上映作品から、観ようと思っているもの)
シェルブールの雨傘だけはDVDで観たことがありますが、今回は大きなスクリーンで観たいと思っています。
『女は女である』 1961年/フランス=イタリア/84分/カラー/モノラル
監督・脚本:ジャン=リュック・ゴダール 出演:アンナ・カリーナ、ジャン=ポール・ベルモンド、ジャン=クロード・ブリアリ
『女と男のいる舗道 4Kデジタル・リマスター版』 1962年/フランス/84分/モノクロ/モノラル
監督・脚本:ジャン=リュック・ゴダール 出演:アンナ・カリーナ、サディー・レボー
『シェルブールの雨傘』 1964年/フランス/91分/カラー/ステレオ
監督・脚本:ジャック・ドゥミ 出演:カトリーヌ・ドヌーヴ、ニーノ・カステルヌオーボ