松本市内に出かけたので、上土の喫茶店「かめのや」に入ってみました。60年営業を続け閉店した「翁堂茶房」の後を2016年にかめのやが継ぎましたが、全体の雰囲気は昔のままです。純喫茶の王道「ナポリタン」を注文しましたが、味はもちろん、見栄えもよく感心。ジャズの王道を行く演奏を。
ZOOT SIMS (ズート・シムズ)
LIVE IN JAPNA 1977 Vol. 1, Vol. 2 (Marshmallow 1977年録音)
ズート・シムズ(ts, 1925~1985年)は、今でも多くの人に愛されているテナー・サックス奏者で、僕も大好きです。これは、1977年の来日時のライブ録音で、マシュマロレーベルから出ています。コロナ禍でライブハウスに出かけるのはまだ躊躇していますが、自宅で極めつけの本作品を楽しみました。
メンバーは、ズート・シムズ(ts, ss, vo)、デイブ・マッケンナ(p)、バッキー・ピザレリ(g)、メイジャー・ホリー(b, vo)、ジェイク・ハナ(ds)。これ以上はないくらいの最高の顔ぶれです。
曲は次のとおり。
Vol. 1
1 Tickle Toe (Lester Young)
2 Come Rain or Come Shine (Harold Arlen)
3 Recado Bossa Nova (Djalma Ferreira)
4 More Than You Know~Tea For Two (Vincnet Youmans)
5 Gone With The Wind (Allie Wrubel)~Send In The Clowns (Stephen Sondheim)
6 Lover Come Back To Me (Sigmund Romberg)
7 Gee Baby Ain't I Good To You (Don Redman)
有名曲が並びました。4はデイブ・マッケンナ、5はバッキー・ピザレリをフューチャーしています。7では、ズート・シムズとメイジャー・ホリーのヴォーカルが聴けます。
Vol. 2
1 Fred (Neal Hefti)
2 Jean (Rod McKuen)
3 Angel Eyes (Matt Dennis)
4 In A Mellow Tone (Duke Ellington)
5 I Got It Bad (Duke Ellington)
6 Satin Doll (Duke Ellington, Billy Strayhorn)
7 Prelude To A Kiss (Duke Ellington)
8 Caravan (Jan Tizol, Duke Ellington)
第2集の方は、デューク・エリントンナンバーが主体です。3は、メジャー・ホリーのヴォーカルとベースをフューチャー、いろいろな曲がメドレーで出てきます。
ズート・シムズ以下全員好調で、のりのりの演奏が楽しめます。ズート・シムズ(ts)は、同一音を伸ばしながらクレッシェンドで盛り上げるなど、熱いソロをとっています。マッケンナ(p)やピザレリ(g)も煽られているのかスイング感が半端ではありません。第1集では、ワクワクする「Recado Bossa Nova」を筆頭に、「Come Rain or Come Shine」、「Lover Come back To Me」とスインガーが楽しく、第2集では、ズートがソプラノサックを吹くバラード「Jean」、全員乗っている「Caravan」あたりが素晴らしい。
たまには、本を取り出して、ズート・シムズの写真を見てみました。
THE ENCYCLOPEDIA OF JAZZ by Leonard Feather (DA CAPO PRESS)の表紙。ジャズ評論家のレナード・フェザーによるジャズの音楽的分析、歴史、ミュージシャンの略歴などが掲載された本です。大部で、滅多に見ませんが、本棚に置いてあり、取り出せるようにしています。
下記は、この本の中ににあるズート・シムズの写真。
The "Four Brothers" of Woody Herman's 1948 band, reunited on Serge Chaloff's final record session, VIK Records, February 1957: Herbie Steward, Al Cohn, Zoot Sims, Serge Chaloff。
手前左がズート・シムズ。豪華なサックスセクションで、さすがの1948年のウディ・ハーマン楽団です。この写真自体は1957年の撮影です。
【珈琲茶房 かめのや】
住所:長野県松本市大手4-7-22
電話:0263-31-6597
ホームページ:珈琲茶房 かめのや (食べログのページです)
外観
店内。レトロな雰囲気は昭和の時代を想い起こさせます。珈琲豆も売っています。
壁には絵なども。
奧の坪庭。噴水があります。これは、「翁堂」の時から変わらない光景。
ナポリタン。
麺も美味しい。
珈琲は濃い目のものにしました。酸味や苦みが少なく、トロッとした味が出ていて、なかなかよかった。