加藤浩子著「バッハ」(平凡社新書)を読みました。
表紙
(カバーにある本書の内容紹介)
(簡単な目次)
第1章 バッハとルター
ルターの礼拝改革、ルター派を超えたバッハの音楽
第2章 バッハへの旅―――街でたどる生涯
アイゼンナッハ、ヴァイマル、ケーテン、ライプツィヒ
第3章 オルガンと世俗カンタータでたどるバッハの足跡
バッハのオルガン紀行、世俗カンタータの舞台を訪ねて、21世紀の新発見(コラム)
第4章 家庭人バッハ
第5章 バッハ・ディスクガイド
(感想など)
新書としては厚い本ですが、バッハの生涯や作品について、わかりやすく書かれていて、一気に読了しました。バッハが、移り住んだ場所や仕事場(教会など)を辿りながら、生涯や作品を説明していて、エピソードなども入り、楽しみながら読めます。
最初に、宗教改革を行ったルターにふれ、ルター派の教会のことについて書いてあるのが、全体を理解するのに役立ちました。バッハに限らず宗教曲については、僕は苦手なのですが、本書を読むと、ちょっと聴いてみようという気になりました。
ライプツィヒ時代に、「ツィンマーマンのコーヒーハウス」における公開コンサートを長年にわたり指揮し、「コーヒーカンタータ」も作曲したという事実は、親しみを感じさせ、そのコーヒーハウスの紹介も印象に残りました。
【コラム、21世紀の新発見 「バッハの肖像画」】
2015年には、バッハのもう一枚の肖像画が公になるなど、作品(曲)を含めて新発見はまだ続いているようです。加藤さんは、コラムに書いていますが、発見に至る事情も面白い。
バッハが指揮をしていた公開コンサートが行われたコーヒーハウスの絵。
(著者の紹介)
【以下、本書を読んで聴いたCD】
「トッカータとフーガ ニ短調 BWV565」について、鈴木雅明さんやシギヴァルト・クイケンさんが、バッハの作品ではないと思うと話していることを、本書に書いてあります。(p187)。確かに、オルガン・コラールなど他の作品と、作風が違うかなという気がします。マリー=クレール・アラン(オルガン)の演奏です。
バッハの管弦楽組曲の2番から4番は、ライプツィヒで、バッハが指揮をした「コレギウム・ムジクス」(管弦楽団の前身といっていいのか)のために書かれたようです。ヘルムート=ミューラー・ブルール指揮ケルン室内管弦楽団の演奏。
コーヒー・カンタータ。鈴木雅明指揮バッハ・コレギウム・ジャパンによる演奏。歌詞も音楽も愉快です。