安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

ジョニー・グリフィン TAKE MY HAND

2018-02-11 10:42:17 | テナー・サックス

厳しい寒さはまだ続いていますが、朝の陽の光は輝かしさを増して、そろそろ長野も春めいてきた気がします。『来週(2月12日~)からは、春のケーキに代わります』と行きつけのスターバックスコーヒーで言われたので、姿を消す前に前から食べたかった「ザッハトルテ」を珈琲と一緒に頼みました。中のスポンジやコーティングされているチョコレートもそれほど甘くなく、大人の美味しいケーキでした。甘さ控えめの大人の演奏を。

JOHNNY GRIFFIN (ジョニー・グリフィン)
TAKE MY HAND (WHO'S WHO  1988年録音)

   

先週、東京へ行ったときに御茶ノ水のJAZZ TOKYOで購入したCDです。このアルバムは別のタイトルでも出ていますが、最近復刻されてオリジナルの内容になっているのと、「Hush-A-Bye」や「If I Should Lose You」という僕の好きな曲をやっているので手が伸びました。演奏に加え、録音もよく、購入してよかったCDです。

メンバーは、ジョニー・グリフィン(ts)、マイケル・ワイス(p)、デニス・アーウィン(b)、ケニー・ワシントン(ds)。この時、ジョニー・グリフィンは60歳だそうですが、力強さに満ちていてハードボイルドのままです。マイケル・ワイス(p)は、グリフィンとの活動歴の長いピアニストですが、このアルバムでは闊達でよくスイングするピアノを弾いていて「If I Shoul Lose You」では、ウィントン・ケリーに似たプレイがあり、思わず笑みが浮かびました。

曲は、ビリー・ストレイホーン作「Isfahan」、ジョニー・グリフィンの自作「Take My Hand」、「Woe is Me」、セロニアス・モンク作「Coming on The Hudson」、スタンダードの「All Through The Night」(コール・ポーター作のもの)、「Hush-A-Bye」、「Out of This World」、「If I Should Lose You」の8曲。 「Hush-A-Bye」は、グリフィン自身のリバーサイド盤と、「If I Should Lose You」は、ハンク・モブレイ(ts)のものとそれぞれ聴き比べをするなど、そんな楽しみも持てそうです。

ジョニー・グリフィン(ts)のハードブローと細やかなバラードの両方が聴けるバランスのとれたアルバム。深い音色でじっくりと吹いた「Isfahan」や「Woe is Me」もよいのですが、「Hush-A-Bye」から「If I Should Lose You」、「Out of This World」とスタンダード3曲をミディアムテンポくらいでやっていて、これが実に楽しめます。「Hush-A-Bye」ではグリフィンのつけたイントロが気が効いていますし、「Out of This World」のソロでは、ガ―シュインの「ラプソディ・イン・ブルー」の一節を引用しています。ベテランの面目躍如といっていい演奏ですが、それに絡むマイケル・ワイス(p)がスインギーで跳ねるプレイを行い、ケニー・ワシントン(ds)は、ダイナミックなソロもとっていて、リズム陣も素晴らしい。 

【スターバックスのザッハトルテ】

珈琲とザッハトルテ。朝からちょっと重いと思ったのですが、すんなりいただけてしまいました。

花でしょうか、模様があしらってあります。

スターバックス長野駅前店の店内。

窓から。まだまだ寒そうですが、向かいのセブンイレブンに当たる陽の光が次第に輝きつつあります。


田窪寛之(p)トリオライブ (2月5日 東京都千代田区神田 Lydian)

2018-02-09 20:01:08 | 演奏会・ライブ

田窪寛之(p)さんの名前は、東京TUCで行われた、エリック・アレキサンダーとヴィンセント・ハーリング参加の小林陽一(ds)グループの公演で知りました。その時はハードバップ系の演奏をしていて、いつかトリオで聴きたいと思っていたところ、神田のLydianでリーダーライブがあったので、聴いてきました。

リーダーの田窪寛之。メンバーを紹介しているところ。

(曲 目)

(1st Stage)

1.One for Helen (ビル・エヴァンス)
2.Elsa (アール・ジンダース)
3.Who Can I Turn To (アンソニー・ニューリー)
4.My Bells  (ビル・エヴァンス)
5.Waltz for Debby (ビル・エヴァンス)

(2nd Stage)

1.Amembow (田窪寛之)
2.Where to? (田窪寛之)
3.Conception (ジョージ・シアリング)
4.Stella by Starlight (ヴィクター・ヤング)
5.My Shining Hour (ハロルド・アーレン)
6.C.Jam Blues (クロージングナンバーで、田窪トリオのThemeとしていました。)

(アンコール)
Little LuLu (バディ・ケイ他)

(感 想)

田窪さんが『自分のルーツはビル・エヴァンスにあり、今日は彼の曲を中心にお届けします』と話して、演奏が始まりました。前半(1st stage)は、ビル・エヴァンスの作曲か演奏したものという選曲でした。きれいで柔らかなサウンドで名曲のテーマを弾いていくので、それだけでもよいのですが、ソロではちょっとバップ寄りの演奏も行っていて、全体には端正なかなりよい演奏でした。

ピアノの音色の美しさが際立った「Elsa」、白熱してメリハリもつけていた「Who Can I Turn To」など印象に残りました。2nd Stageでは、田窪さんのオリジナルの「Amembow」がそこはかとなくエヴァンスの音楽を想起させ、ハーモニー、メロディともに無機質でなく、気に入りました。アップテンポの「My Shining Hour」では、長いシングルラインを弾いていて、スカッとした気分になりました。

安田さん(b)は「Waltz for Debby」などバランスに配慮しながらプレイしているようでしたが、「My Shining Hour」におけるランニングベースは気持ちよかった。長谷川ガク(ds)さんのプレイを観るのは二度目ですが、「One for Helen」などでの掛け合いやバラードにおけるブラシなど、ダイナミックな中に繊細なところがうかがえ、田窪さんの音楽にピッタリな演奏ぶりでした。

前半から満足度の高いライブだったので、休憩時に、田窪さんのCDを購入しサインをもらいました。既に注目されているピアニストだと思いますが、今後の活動が楽しみなピアニストであり、トリオです。

田窪寛之(p)

安田幸司(b)

長谷川ガク(ds)

【購入したCD 田窪寛之「Tone Painting」】

   

【田窪寛之ホームページ】

ジャズピアニスト田窪寛之のホームページもどき

【Lydian】

住所:東京都千代田区神田司町2-15-1 B1
電話:03-5244-5286
ホームページ:jazzlydian

午後7時に演奏開始で、午後9時30分に全ての演奏が終了するというLydianのシステムはありがたく、東京発午後10時08分の北陸新幹線長野行きの最終に間に合いました。Lydianは初めてでしたが、このお店をメインに東京でのライブを楽しんでいこうと考えています。

外観。お店は地下一階です。

本日の出演者

結構広いLydianの内部。本日のお客様は20人くらいでした。


JAZZ UNION (ジャズ喫茶 東京都渋谷区神宮前)

2018-02-08 20:00:06 | ジャズ喫茶

先週の日曜日に原宿のジャズ喫茶「JAZZ UNION」へようやく行くことができました。原宿の人通りの多さに驚き、かつ、横の通りに入ると飲食店が多く、順番待ちの行列ができているお店も数多く見受けられました。一言でいうと若者中心の活気のある街なので、ジャズ喫茶の経営はどうだろうと考えながらお店の扉を開けました。

そう広くはない店内ですが、お客様が6~7人いて、しかもみな若い。喫煙可能なので、それで入っている人もいるかもしれませんが、ジャズに耳を傾けている人もいて、いい光景に出合いました。スピーカーの真ん前しか空いていないのでそこに腰かけましたが、オーディオ装置もよく、手頃な大きさの空間で、都心の僕のオアシスになりそうです。

お店の入口が奥にあるので、この看板を見逃すと先へいってしまいます。僕は見逃してしまいやり直しました(笑)。

奥へ進みます。

お店はこの螺旋階段を上ったところです。

   

手前から階段全景を撮りました。上りはよいですが、下りは気をつけました。登山と同じような感じですね。

   

入口の扉。

スピーカーのすぐ前に座りました。

ピアノが置いてあります。ピアノの奥は厨房になっていました。ライブも開催していて、ホームページに告知が出されます。

振り返って、入口の方を眺めたところ。お客様が一段落して帰ったので撮れました。

真空管アンプMcIntosh275とスピーカーJBLオリンパス。高品位のうるさくない音で、各楽器のアドリブが楽しめました。多分、長時間でも聴き疲れしないオーディオ装置だと思います。

   

高級そうなオーディオ機器。

かかったのは、ウェス・モンゴメリー「Full House」。おなじみの名盤で、僕の超愛聴盤です。ウィントン・ケリーのピアノがいいサウンドで聴こえていました。

オーナーのおすすめCDが置いてありました。一部見させていただきました。

オーナーの秘蔵盤の一部。日本のヴィーナスレーベルにも録音のあるGeorge Garzone(ts)のアルバム。

珈琲。フレンチを頼みました。

【JAZZ UNION (ジャズ・ユニオン)】

住所:東京都渋谷区神宮前4丁目28−8
電話:03-5770-5472
営業:13:00~20:00 隔週火曜日定休
ホームページ:jazzunion


ロブ・シュナイダーマン STANDARDS

2018-02-07 21:25:29 | ピアノ・トリオ

先週の日曜日の午後は東京にいたのですが、ごく久しぶりに原宿へ行きました。休日なので、歩道から溢れるほど人がいて、若者を中心として相変わらず賑わっていました。旅行客など外国の方も多く、聞こえてくる言語も中国語や英語で、昔行った香港の通りやパブを想い出しました。そういった街の喧騒も嫌いではないのですが、自宅では静けさがほしくなり、物静かそうなピアニストを聴いてみました。

ROB SCHNEIDERMAN (ロブ・シュナイダーマン)
STANDARDS (Reservoir 1992年録音)

   

ロブ・シュナイダーマン(p、1957年生)は、1980年代からレザボアレーベルへの録音が多数あり、若手~中堅どころのミュージシャンと思っていたのですが、すっかりベテランの仲間入りをしています。このアルバムは、スタンダード曲を題材にとったもので、親しみやすく、バップベースに新鮮な編曲もあり、現代のハードバップといっていいものです。

メンバーは、ロブ・シュナイダーマン(p)、ルーファス・リード(b)、ベン・ライリー(ds)。ルーファス・リードは、アキラ・タナ(ds)と組んだタナリードで活動をしていて、当時シュナイダーマンはそのコンボのレギュラーピアニストだったので、周知の間柄です。ベン・ライリーについては、ケニー・バロン(p)との演奏などを聴いてシュナイダーマンが気に入ったようで、トリオの連係がよくとれています。

曲目は、タイトルどおりスタンダードが並びます。「Love Letters」、「So In Love」、「On A Slow Boat to China」、「Without A Song」、「I Should Care」、「Fly me to The Moon」、「Disritmia」、「With A Song in My Heart」、「When You Wish Upon A Star」、「Anyone Else But Me」の全10曲。「Disritmia」だけは、アメリカンスタンダードではなく、ブラジルのサンバの作曲家Martinho Da Vilaという人の曲で、シュナイダーマンが好きなものだそうです。憂愁を帯びたメロディと抽象的な和音が印象的な佳曲で、演奏もよく、たいへん価値のある収録です。

ロブ・シュナイダーマン(p)がスタンダード曲を自己の感性で弾いていて、よいアルバムです。原曲を大事にしてはいますが、イントロをルバートでつけたり、静かにスイングしているといった雰囲気があり、「So In Love」では、ピアノだけでスタートし、しみじみとした味わいを出しています。「On A Slow Boat to China」も同様で、ソニー・ロリンズ(ts)の演奏とは傾向が異なります。逆に3人がスインギーでダイナミックなところを聴かせる「With A Song In My Heart」、そこはかとない哀愁が漂う「Disritmia」と、最後まで聴きどころが多い。

【原宿の賑わい】

原宿駅。

まだ少ない方なのかもしれません。

東急プラザ表参道原宿の前。

原宿へ来たのは、ジャズ喫茶の「JAZZ UNION」へ寄るためです。その記事は明日アップする予定です。


松本市内のレコード店「MARKING RECORDS」

2018-02-06 20:01:38 | お出かけ・その他

松本市内にはジャズを置いてある中古レコード店が3つあり、たまに寄ります。そういう中で、ジャズではないのですが「MARKING RECORDS」というお店が出来たときいたことがあり、機会があれば寄ろうと思っていたのですが、先日、ようやく訪れることができました。既に開店して1年になるそうです。

女性の店長とお話しましたが、お店以外に歌を歌ったり、DJをやっていると言っていました。置いてある新譜については、僕が知っているミュージシャンのものはありませんでしたが、イザべラ・アンテナ(vo)の中古レコードがあったので購入しました。在庫は、インディーズといわれるものだと思いますが、その概略についてはホームページやツイッターをご覧ください。

外観。看板がないのでわかりにくいかもしれません。

入口。

少し離れて、東に向かって撮ったもの。右の連続する建物の真ん中へんになります。

店内。ジャンルが異なっても、レコードの在庫や展示があるとウキウキします(笑)。

奥の方にかけて撮ってみました。枚数はそう多くありませんが、特定のジャンルに特化しています。

物色した奥の右側にあった中古レコードの箱。

お店ではコーヒーなども提供し、喫茶店としても営業しています。

レコードを試聴させていただきました。DJ用の装置だそうです。

アナログの機器が置いてあります。ライブや催し物の発信拠点にもなっているようなので、長く続けていただきたいお店です。

お店から出て、駐車場に向かう際に女鳥羽川から美ヶ原方面を撮影。

(購入したイザべラ・アンテナのレコード)

   

【MARKING RECORDS】

住所:長野県松本市中央3-12-8
電話:0263-75-8207
営業時間:水〜金 14:00〜21:00、土日祝 12:00〜19:00。 定休日:月・火
ホームページ:markingrecords