家訓は「遊」

幸せの瞬間を見逃さない今昔事件簿

盆義理

2010-07-15 08:11:30 | Weblog
母がギックリ腰になったため代理として盆義理に行ってきた。

祭壇にはキュウリの馬とナスの牛が飾られていた。

所によってはアズキで目を作ったりナンテンの葉で耳を作ったりするらしい。

隣家の人たちがやってきて松焚きの行事を始める。

祭壇のロウソクから火を松の薪に移し、それを庭で燃やす。

燃えている松の薪を長い木で出来た箸を1本と木の枝を1本の、まるでチグハグな2本を使って掴む。

そして別の誰かに箸と箸で空中で手渡しして運ぶ。

それらを門(かど)に置いて燃す。

送り火といわれるものだ。

箸まで燃し燃えカスは地面に埋めて終了。

続いて祭壇の前で食事会だ。

母は出身地だから知り合いが多いのだろうが私は知らない人だらけ。

「まあこんな経験も貴重だな」と思いつつ箸を進めた。

初めのうちはおとなしく食べ始めるが次第に隣に座った人との話が進んでくる。

リストラに遭った話  相撲の話  ありゃ誰だという話 

いつでも、どこでも、誰とでも楽しくという私の心情の通り過ごした。

引き出物を持って母のところに報告に行った。

「白髪頭の丸顔の人はいたかね?」

本来自分が出席していたら会えたはずの古い知り合いを私の脳裏から探し出そうとしていた。

「隣に座った人は、こういう人でね」と説明すると

「あぁあぁ。あの人はこうこうこういう人だよ」と嬉しそうに詳しく教えてくれた。

少しは母に出席した気持ちになってもらって代理の役割は終了した。

ピザ屋のオートバイで参加した私を、イトコたちが笑って送ってくれたことを思い出しながらシャワーを浴びた。