物置の移動で使い勝手が良くなった。
奥まで見えるようになったから「広くなった」という気分になる。
移動して良かったなと実感している。
だが鹿にとっては困った事態になってしまったようだ。
前オーナーは敷地の裏に鹿の通るケモノミチがあることを承知して物置を壁代わりとして立てた。
物置手前の人間側に鹿が入り込まないようにという目論見だった。
長い間それは守られてきた。
最近その均衡が崩れた。
鹿の通り道には草が覆い茂っている。
どうやら使われなくなってしまったようだ。
もう少し裏に新たなケモノミチを発見した。
物置が取れてしまったものだから鹿が通るのが丸見えになってしまってしまい、すると彼らは通りづらくなってしまった。
前オーナーが「鹿が入らないように」との配慮が今までは、むしろ鹿の通行を楽にさせていたのだ。
「入れないように」という、人間側の論理は「見られないように」という意味で鹿を利することになっていた。
「入ってこないで」という人間側の思いは通じるわけもなく「通っていいよ」という逆の思いとして伝わっていたようだ。
今度のケモノミチも、ほぼ絶壁のような崖だ。
今までのところから数十メートル離れている。
草刈りを徹底的にやっている私は、それだけでもケモノ達にとって不利益を与える最悪の人間に映っているのかもしれない。
奥まで見えるようになったから「広くなった」という気分になる。
移動して良かったなと実感している。
だが鹿にとっては困った事態になってしまったようだ。
前オーナーは敷地の裏に鹿の通るケモノミチがあることを承知して物置を壁代わりとして立てた。
物置手前の人間側に鹿が入り込まないようにという目論見だった。
長い間それは守られてきた。
最近その均衡が崩れた。
鹿の通り道には草が覆い茂っている。
どうやら使われなくなってしまったようだ。
もう少し裏に新たなケモノミチを発見した。
物置が取れてしまったものだから鹿が通るのが丸見えになってしまってしまい、すると彼らは通りづらくなってしまった。
前オーナーが「鹿が入らないように」との配慮が今までは、むしろ鹿の通行を楽にさせていたのだ。
「入れないように」という、人間側の論理は「見られないように」という意味で鹿を利することになっていた。
「入ってこないで」という人間側の思いは通じるわけもなく「通っていいよ」という逆の思いとして伝わっていたようだ。
今度のケモノミチも、ほぼ絶壁のような崖だ。
今までのところから数十メートル離れている。
草刈りを徹底的にやっている私は、それだけでもケモノ達にとって不利益を与える最悪の人間に映っているのかもしれない。