森林組合が間伐に来てくれた。
8:20 気温3度 吐く息が白く空中に漂う。
私が敷地を案内する。
前所有者が一度間伐を行ってあるので森林組合担当者は私よりも敷地内をよく知っている。
地境には杭が打ち込まれている以外には境の木に標が描いてある。
杉の木の皮をむき、そこに標を入れる。
皮をむいた反対側が自分の地所だという標になっている。
それらが見つけにくいこともある。
木に付けられた標が経年変化で読み取りにくくなってしまうのだ。
すると近くの切り株をみて「この木はこちら側に倒してあるから」ということや、この木とこの木は何年生だとか現場で参考になるいくつかの要因を証にして境を見つけていく。
道なき道を行く。
登りは私もなんとか付いていけるが下りは全く付いていけない。
なんと鹿の道をそのまま下りていく。
鹿もすごいが人間もたいしたものだ。
私も所有者としてついて行くしかない。
ズルズルと滑りながらおっかなびっくり下りる。
フリースを着た上に更に作業用のベストを着ていたので熱くなって汗が出た。
目印としてピンクのテープを木に巻きつけていくので、どこからどのように我が家の所有地なのかが、はっきり分かる。
飛び地もあり所有地の中に他人の土地が在ったりで、境の確認にたっぷり2時間近くもかかった。
プロットと呼ばれる枠をブルーのテープで作成した。
20メートル四方の枠だ。
それが基準となって何割間引いたかが算定される。
出発地点に戻り、打ち合わせをしてた。
呼吸困難になりそうな私を尻目に作業員たちは余裕のタバコをふかして聞く。
私は「写真を撮らせていただきます」と言っておいた。
監督が「充分に気をつけるように」と指示した。
それぞれの持ち場に散っていった。