家訓は「遊」

幸せの瞬間を見逃さない今昔事件簿

たちばな

2010-11-24 07:02:17 | Weblog

間伐をしている森林組合の作業員が我が山を見て「きれいにしてるじゃん」と独り言を言った。

 

私は聞き逃さなかった。

 

それは私の作業への賛辞にほかならない。

 

去年から今年の冬の間ひとり山に入って下草刈りと雑木切りをしたからだ。

 

1000坪に及ぶ下草刈り作業だった。

 

今度は道路下の林を間伐する。

 

もう一度きれいに下草刈りと雑木切りをしておこうと思った。

 

そうすれば作業員が安全に楽に作業できる。

 

傾斜に足を取られながらも草刈り機を動かしていた。

 

イノシシの集団が、この一帯の土を掘り起こしていったため滑るというよりズルズルと崩れる。

 

「あれ!」

 

ミカンがなっているではないか。

 

林の中で日の光もまばらにしか当たらない場所なのに。

 

これは切り倒すのは止めた。

 

写真を撮っておいた。

 

特徴から見て、たぶん野生のタチバナであると思う。

 

酸味が強く食用に向かないがマーマレードなどの加工品にはなると書かれていた。

 

嬉しかった。

 

サルやイノシシや鹿にやられないで残っているのだから。

 

タチバナという木の名前は知っていたがミカンの類だとは知らなかった。

 

だが説明を読んで、なるほどと思った。

 

だいたいカンキツルイという言葉の中のキツとは橘(タチバナ)と書くではないか。

 

苗を買ってきて植えて実を収穫するという過程が当たり前のことになっている昨今。

 

野生で残っているということにも感謝だ。

 

まるで自然からのプレゼントだ。

 

私からのプレゼントは日差しだ。

 

間伐によって、もっと日が当たるようになるはずだ。

 

もっと伸び伸び育ち多くの実を付けてほしいと思う。