「フロオベルとモウパッサン」(中村光夫)
記念すべき筑摩書房の処女出版作。
「愛情とは彼にとってすべて他人と同化する熱情であった」(p188)
では、著者は気づいていないと思われるが、フロイトのいわゆる「対象リビドー」が論じられている。昭和12~13年の作だから仕方ないかもしれないが、中村氏がフロイトを読んでいなかったのは残念というべきか。
それにしても、日本の文芸批評は、小林秀雄あたりでピークを迎え、衰退したような気がする。
記念すべき筑摩書房の処女出版作。
「愛情とは彼にとってすべて他人と同化する熱情であった」(p188)
では、著者は気づいていないと思われるが、フロイトのいわゆる「対象リビドー」が論じられている。昭和12~13年の作だから仕方ないかもしれないが、中村氏がフロイトを読んでいなかったのは残念というべきか。
それにしても、日本の文芸批評は、小林秀雄あたりでピークを迎え、衰退したような気がする。