宮崎さんが日頃からイスラエルの連立政権の危うさを書いてくれていますが、いよいよ風前の灯のようです。
これも宮崎さんが報告してくれています。何だか世界中が混沌としていて本当に何があってもおかしくないという様相です。やはり、来年は来ないなんてこともあるかもですね。
それにしても、人間て、本当に面倒な奴らです。まさに地球の癌です。
「宮崎正弘の国際情勢解題」より 令和四年(2022)5月20日(金曜日) 弐 通巻第7341号
(速報)
イスラエルでベネット連立政権が風前の灯
メレツ(少数政党)のアラブ人女性議員が離脱。与党連合、少数派に転落
イスラエル国会(クネセト)は定員が120名。
現在のベネット政権は少数政党八つの寄り合いで、かろうじて61議席。ところが四月に右派「ヤミン」の一議員が抜けて 60 議席。5月19日に左派「メレツ」から、アラブ人女性議員(リナウィ・ゾアビ議員)がぬけて、59議席となり過半数を割りこ んだ。
「野党に転じるわけではないが、アルジャジーラの女性記者の葬儀を見ていて、現政権のあり方に不満が爆発した」とゾア ビ議 員は述べた。
メレツは社会主義を目ざす左派政党で、現有議席は6。党首のヘルツォグは自ら同性愛者と公言している。つまり現在の連 立 は、左右混沌、外交、国防では政策一致があっても、国内問題、特にパレスチナ自治区、占領地の入植問題、アラブ人との協調な どでは意見が合わず、なぜ連立したかといえば、ひたすら前首相ネタニヤフ追い落としだった。
なにしろ過去三年間で四回選挙をやってのけ、こんど解散となると、三年間で五回の選挙という珍事が発生する。
イスラエル政治の連立は、基盤が脆弱である。
1990年のペレス政権は59議席のアクロバット飛行を続けたし、93年のラビン政権も62議席から56議席となって瓦 解し た。シャロン政権も59議席だった。
少数派の連立はつぎの国会まで継続するが、連立をくみなおすか、選挙を実施して民意を問うか。この日のクネセトの風景 をア ルジャジーラのユーチューブで確認できるが、じつの面白い。ネタニヤフ前首相のもとへ次々と議員たちが挨拶している様がうか がえる。
結局はネタニヤフ政権に戻るのでしょうか。何とも複雑な国です。オーストラリアも政権が親Chinaに変わったようだし本当に今年は何が起きるのか。