明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



『甦る江戸川乱歩の世界展』7月22日~8月4日の会期中、同じ6階の美術画廊では28日まで第三回『ミステリと私』コレクション オブアート アンド イラストレーションが開催される。私を含め23名が出品する。私はこれも乱歩がテーマだと思い込んでいて、『ミステリと私』だと聞かされたのは数日前である。担当者は乱歩で良いというのだが、先日知人にメールで“「ああ、あの変わった人・・・」と言われるほど変わっていない。”と評された私は、下町の狭い地域で育ち、早くから私の性根を見抜いた母から、とにかく目立たず腹の中を明かさぬよう大人しく潜伏せよ、と口を酸っぱくいわれ続けてきたおかげで、表現者として、そのことが障害となっているのであるが、“私だけ乱歩ばっかり”は耐えられないのである。『ミステリと私』だといっているのに、強行に、私だけは乱歩で行く!という人間に思われてしまうではないか。妙なことをやっているクセに何をいまさらだが「ああ、あの変わった人・・・」と言われるほど変わっていない私である。急遽5点(乱歩1点)を用意した。
人心地つき、母とアメリカから帰ってきている妹と甥っ子達と食事。とにかくアメリカの食い物など、ロクな物はない、と日本に来るたび甥っ子達は食いだめしている。よってかろうじて回ってはいないがリーズナブルな寿司屋へ。 日本でいう中一の弟は、ネタを剥がして醤油を両面に塗り、また寿司飯の上に乗せる、という面倒な食べ方をする「こいつにはチラシを食わせるべきだ」。するとその子の寿司にちょっとしたゴミが付いていたらしい。そこはさすがアメリカナイズされた妹は、さっそく店に告げる。すると大トロ寿司と、私など食べたことのないサクランボが店からテーブルへ。下の子はそのことに相当驚いたらしく、帰りのエレベーターの中でも盛んに感心しているので、日本について誤解されてもいけないと、伯父として注意しておいた「この手は1店舗につき1回だけだぞ」。真面目にうなずかれたらどうしようと思ったが、ゲラゲラ笑ったので安心した。

『甦る江戸川乱歩展』『第3回 ミステリと私』

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