明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



先日、以前使っていたPCにつないでみたら、メールを受信した時点でカーソルが止まった。今日改めてつないでみたら今度は動く。いい加減な機械である。このマシンはうるさいし、夕焼けじみた色でとても使い物にならない。膝でコードを押さえていると元に戻るのだが、PCがそんなことで良いはずがない。 小さい押入れに設置して、一台目、二台目と使っていたが、そのままに打ち捨てた状態であった。 見ると乱歩作品が残されていて懐かしい。作業途中でそのままになっている作品もあり、ただならないことが起きて逃げ出したかのようである。初の出版に向けて制作していたわけだが、途中でこれは合わない、と作業を止めたものと思われる。『盲獣』用に趣のある風呂を撮影に茨城まで行きながら、文化財を血だらけにするわけにいかない、と断念したカットもあった。 何を考えている、という物も残っていたが、乱歩自身を登場させる私としては、実は常識人であった乱歩の人間性を考慮し、やり過ぎないように努めた。乱歩を『芋虫』にするわけにはいかない。しかし抑えることによって某かのユーモアを表現したいというのが狙いではあった。 その後出版社は潰れ、すでに絶版となっている。 そういえば20冊程救い出したのを忘れていた。当サイトで販売しようとしたら、絶版となったせいであろう。意外な値段をつけている古書サイトを見つけた。理由はどうあれ、こんな値段を付けてみようと考えた人がいて、それが存外良い値段だったので、申し訳ないような気がして遠慮していたのである。検索したら、売れたのかどうかは不明だが在庫にはないようである。近いうちに販売することにする。 出版時にも、ボクシングの4回戦ボーイのように、出版社から自分でなんとかしろ、とばかりに現物がドサリと送られてきたが、HPのおかげで思いの外はやくなくなってくれた。当時メールで注文いただいた方々のメールも保存されていて、読み返して改めて感謝した次第である。

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