明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



引っ越し10日目、ようやく一部屋にカーテン着く。フライパン、鍋、包丁等、近所のアリオ北砂にて買う。ついでに台風に備え、食料品売り場で野菜、肉その他買う。それにしても広い。天才アルトサックス奏者のチャーリー・パーカーは、素寒貧のミュージシャン仲間をデパートだかの食料品売り場に連れて行き「ほら、何も心配する事ないじゃないか。」 引っ越し祝いで高級な缶入りの海苔をいただいた。実に風味豊かで、しかもびっしり入っている。必ず冷蔵庫にしまい、蓋を開けて取り出しすぐ蓋を閉める。そのぐらいしないと、最後の方は湿気ってしまう。その場合は佃煮にすると良い、といわれた。 これは泉鏡花スタイルで行こう。ばい菌恐怖症の鏡花は何より蝿が怖い。重箱の蓋をそっと開け、箸を差し込みを取り出すや、即座に蓋を閉める。 嫌いなくせに、ぬらぬらして生臭い、などと河童について書くものだから、『貝の穴に河童の居る事』を制作した時、少々意地悪な気分になって河童に蝿を三匹留まらせ、ついでに洟を垂らしてやった。常に作家本人に見せてウケたいと夢想する私は、この時ばかりは鏡花は卒倒するだろうと一人面白がった。

タウン誌深川】〝明日出来ること今日はせず〟連載第16回『トラウマ』
『石塚公昭 幻想写真展き続ける作家た18年7/25~9/2 リコーイメージングスクエア銀座ギャラリーA.W.Pyoutubeこ2016年『深川の人形作家 石塚公昭の世界


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