持って来た本は、四分の一と言うところだろうか。今の私にとって実用的な物におおよそ限った。レコードは最後、箱に詰め込む気力が無くなり、六分の一は業者の方が持っていった。以前いた所は、段ボールは資源ゴミとして週一で持っていってくれたが、同じ江東区でも、ここは月一と言うことで、未だにうずたかく積まれたままである。 窓際に両袖の文机を置き、そこで座布団を敷いて制作するつもりでいるのだが、それはおそらく泉鏡花の執筆姿が頭にあったからと言う気がするが、参考にする人物が少々間違っている気がしないでもない。 段ボールが片付けば、後は某所に預けてある作品を運び込み終わる予定である。それによっては、せっかく持って来たレコードだが、土俵の外に、ということも考えないとならないかもしれない。ほとんどがブラックミュージックかロックだが、箱に詰めていたら西田佐知子ベストが出て来た。引っ越ししたら、まず『アカシアの雨がやむとき』を聴いてやろう、と思っていたのだが。
タウン誌深川】〝明日出来ること今日はせず〟連載第16回『トラウマ』