明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



80年代の終わり頃、写真の素人なのに野島康三作品に一目惚れし、大正時代頃、芸術写真と呼ばれた一連の手法の中で、オイルプリントという技法を、神田の古書街に通い詰め人形制作を放って打ち込んだ。友人等に止められたが止められず。発表したい訳ではなく、ただやってみたいだけだったので、私自身ハラハラして、画像が出るようになり止めた。 ところがその後写真を始め、個展をするようになると、だったらあれを、とオイルプリントによる『ビクトリアリズム展』(2000)となった。その後もニジンスキーをモチーフにしたり個展を行なったが時期尚早は否めず。しかし現在はデジタルの反作用で古典技法が花盛りである。 私があれだけ夢中になったのは、厳選した作品を最後オイルプリント化して一生を終えるためだ、と思い込んでいた。しかしそうならなかった理由がテーブルに味の素が置いてある定食屋の暖簾に書いてあった。今は手法自体が行先を示してくれるが、確かにオイルプリントではそれはなかった。



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