大燈国師はとびきり偉い人物だが、五条橋の乞食の中で20年という、一休宗純が尊敬した人物である。それを作ると考えただけで、幼い頃からお馴染みの快感物質が筑波山の蝦蟇の油の如くジワリジワリと滲み出すのを感じる。 アル中になってしまった知り合いは、幻聴や幻覚に悩まされているが、三島由紀夫が著作中で描いた死の場面を本人に演じてもらうという、様々な理由で危ないと二つのギャラリーで断られた個展の一度目がようやく決まった時、喫茶店で、止めるべきだ、と友情 を持って説得されたことがあるが、その言葉が私の耳には妙なる音楽のように聴こえ、ウットリしたのをハッキリ覚えている。幼い頃から私を支配し母を悩ませた、あの物質の作用であるのは間違いない。
鈴木邦男をぶっ飛ばせ!より2011年12月1日会場にて