世の写真家、写真マニアはレンズの描写だ何だと写真機材を取っ替え引っ替え忙しい。それは確固たる質感を有する既存の事物を被写体としているからである。その点私はというと、その質も自らが作っているので、何もそこまで描写せずとも。むしろ必要のない余計なことはしてくれるなよ。陰影を排除し、切り抜いて配するようになってからは、レンズの味なる物も邪魔になり、もっぱらカメラに着いて来た広角系ズームレンズ一本である。しかしこれは造形家として不器用で雑だから、と考えた手法ではない。なのにまるで私の性格、懐具合まで考慮したような手法に至っている。経験上頭を使わず考えるな感じろで行かないとこうはならない。
※テーブルに味の素が置いてある食堂の暖簾。
